ハックルベリーに会いに行く
偽物の個人時代:その8(1,779字)
今の時代の「新しい哲学」を考えてみたい。
新しい哲学のベースとなる、新しく進行している「社会の価値観」は、「メリトクラシー」と、それと合わせ鏡の「教育限界説」だ。今、能力主義社会は加速する一方だし、平行して「教育が機能しない」という考えも徐々に広まりつつある。
これの面白いのは、ほとんどの人が意識していないところだ。メリトクラシーは空気のように当たり前のこととなっていて、誰も進行していることに気づかない。一方「教育限界説」は多くの人にとって受け入れにくいことなので、無意識のうちに無視されている。
しかし現実は、両者の進行が著しい。特にアメリカの先端企業では、メリトクラシーはもちろん、教育限界説も常識になりつつある。アメリカの先端企業を代表する人物のひとり、ピーター・ティールは、学生に奨学金を出す条件の1つに「大学を辞めること」を挙げている。大学に行くと、時間とチャンスを無駄にしてしまうから
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