ハックルベリーに会いに行く
石原莞爾と東條英機:その35(2,481字)
満州事変は、実に不思議な「歴史の綾」の中で、ほとんど偶発的に起こった。まるでジャズのアドリブのように、先が見えないまま目の前のできごとに、ほとんどの者が条件反射で動いた果て、奇跡的に成立したのだ。
しかし一方で、「こちらに行きたい」という意思と方向性は確実にあった。特に石原莞爾にそれがあり、しかも彼はそれを前々から練りに練っていた。だから、この事変の主導者(あるいは首謀者)は、間違いなく石原莞爾であるといえる。
とはいっても、全てが石原の思惑通りに動いたわけではなかった。その途中、何度か大きな不成立の危機があったのはもちろん、何より事変の成立後、数年を経て予想だにしない方向へと「結果」そのものが動いていった。
そうしてついには、陸軍――引いては日本そのものが巨大な悲劇へと突き落とされる、最大のきっかけとなったのだ。それは、石原が望んだどころか最も望まなかった最悪の結果であった。
だから、石
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