ハックルベリーに会いに行く
劣化する人:その11(1,625字)
イチローは面白い。彼は「劣化しない人」の典型であるが、同時に典型的な「意志の弱い人間」でもある。
これは、一般的なイメージとは真逆である。一般は、イチローほど「意思の強い人間」はいないと見ている。
ところが、実態は逆なのだ。イチローは意志が弱い。だからこそ、劣化から遠い立場にいる。その逆に、かつてオリックスで先輩だった門田博光は、意思の強い人間の象徴だ。彼は40歳を越えてもホームラン王を取るなど活躍したが、現役の時からアルコール中毒と糖尿病を患い、引退したときにはボロボロの体だった。その意味で、「劣化する人」ともいえよう。
こういう人は、努力でのし上がった。逆に劣化しない人は、努力ではのし上がらない。ところで、イチローはたゆまぬトレーニングを続けたことで有名だが、それは努力ではないのか?
実は、努力ではない。イチローのトレーニングは、趣味なのだ。もっというと、生きる目的である。イチローが一
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