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劣化する人:その29(1,726字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 1ヶ月前
「劣化する人」というのがぼくの年来のホットなテーマだった。40歳以降に急速に能力を衰えさせる人がそこかしこにいて、どうしてそうなるかというのが不思議だった。だから、それを考察するためにこの連載をした。すると、そこで分かったのは彼らが短絡的思考人間、モノマネ人間であるということだった。物事を深く、あ...
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劣化する人:その28(1,602字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 2ヶ月前
現代はマルチツールの時代になった。マルチツールとは武器が複数あるということである。専門性が複数あるということだ。そしてこればかりは、あればあるほど有利である。従って成長・変化のしやすい人ほど有利になっている。逆に、成長・変化の苦手な人が不利になっている。モノマネ人間は、意外なことにこの成長・変化...
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劣化する人:その27(2,054字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 2ヶ月前
今回は、「抽象化が上達する方法」について見ていきたい。モノマネ人間は抽象化できない。それは表層しか見ていないからだ。目に見えているものしか知覚できない。表層の下の本質を理解しないからである。抽象化は、いうならば「本質を見える化する」ということだ。そう考えると、「抽象化」というのはおかしな言葉であ...
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劣化する人:その26(1,652字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 2ヶ月前
劣化する人は傾向として「解剖」を軽視する。彼らの思想は「現れるのは表面だから、表面だけ整えておけば(モノマネしておけば)いいではないか」というものだ。そのためモノマネ人間は、どうしてもオリジナリティがなくなる。オリジナリティのある人間は、解剖した結果として構造を理解する。その上で、表層には別のも...
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劣化する人:その25(1,760字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 5ヶ月前
モノマネ人間というのはたいてい表層だけを真似る。本質を理解しそれを自分なりに咀嚼して作り変えたりしない。本質を理解しそれを自分なりに咀嚼して作り変えることを「換骨奪胎」あるいは「守破離」という。そんなふうに、四文字熟語や慣用句になるくらい、この方法は古来より伝わってきた、確立された人間の成長メソ...
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劣化する人:その24(1,615字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 5ヶ月前
「劣化する人」がこの世に増えたのは、そういう教育をしてきたからだ。そのため、これからの教育は、「劣化する人」にしないよう、注意する必要がある。ところで、なぜぼくが「劣化する人」を問題視しているかといえば、社会の中で居場所を持つ人を、より多く作りたいからだ。社会において、有機的に機能する人が多くな...
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劣化する人:その23(1,797字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 6ヶ月前
劣化する人のことを考えるたびに思うのだが、この50年で社会は大きく変化した。何よりその価値観が変化した。これまではロボット人間が有用だったが、これからはオリジナル人間が有用になった。そうして、ロボットの人間の居場所がなくなった。人類の長い歴史の中で、ロボット人間の価値がこれほど低下したのはおそらく...
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劣化する人:その22(1,776字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 6ヶ月前
2024年の今、劣化する人が目立っているのは、単純に劣化する人が行き詰まっているからだろう。行き詰まっている理由はただ一つで、コンピューターの進化などによって「モノマネ人間」の需要が極端に下がったからだ。例えば、昔はどこの会社でも「電話番」というのが重要な仕事だった。おそらく2010年くらいまでは重要だ...
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劣化する人:その21(1,922字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 6ヶ月前
今の教育のどこが問題かというと、満7歳の年度から始まる小学校での、生徒同士の関係性の在り方だ。ここで同じ学年全員に対して横並びの教育が始まるため、出遅れると劣等感を味わう羽目になる。人間は、7歳にもなるともう立派な社会性を身につけているので、横並びの中での自分の順位は本能的に、かつ非常に気になる。...
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劣化する人:その20(1,942字)
コメ1 ハックルベリーに会いに行く 7ヶ月前
劣化する人が増えたのは、結局勉強に向いていない人に勉強をさせてきたからだ。今から60年前の1960年代までは、勉強に向かない人は勉強をしなかった。しかしそこから勉強社会、受験社会に移行し、全ての子供にほとんど強制的に勉強をさせるようになった。その結果、勉強に向いていない子供も勉強をするようになった。だ...
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劣化する人:その19(1,703字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 7ヶ月前
劣化する人が問題になるのは、格差社会の拡大につながるからだ。ぼくは、今の最大の社会問題は「格差」だと考える。そしてぼくは、たいていの社会問題は容認できるが、格差についてだけは、なかなか容認できない。だから、これを是正するに越したことはない――と考えている。そうして、ぼくを含めた今を生きる全ての人に...
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劣化する人:その18(1,691字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 7ヶ月前
数年前、ぼくの知人の「劣化する人(劣化した人)」が本当に亡くなってしまった。死因は明らかにされなかったが、おそらく自殺だったと思う。そのときぼくは、その劣化した人が助かる道――自殺しなかった道――はなかったのかと考えてみた。しかし、結論としては「なかった」というものになった。その人は自殺するしかなか...
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劣化する人:その17(1,641字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 7ヶ月前
格差社会が広がっている――というのはぼくだけが言っているわけではない。これはもはや多くの人の共通認識だ。しかしその「原因」については、さまざまな意見が交錯している。それぞれがそれぞれのことを言い、誤ったものも多いが、そのうちのいくつかは首肯できる。つまり、格差社会が広まった理由は一つだけではなく、...
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劣化する人:その16(1,607字)
コメ1 ハックルベリーに会いに行く 8ヶ月前
インターネットができて、それが文字通り人間の関係(ネットワーク)に影響を与えた。リアルな関係と同等かそれ以上のつながりが、インターネット上に生まれたのだ。そうして、インターネットの人間関係は流行し、発展した。その中でSNSが勃興し、隆盛を極めた。特に2010年代において、信じられないくらいに巨大化した。...
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劣化する人:その15(1,475字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 8ヶ月前
ChatGPTに大騒ぎしている人がいまだにいるが、実はもう無意識的に飽きられているのではないかと思う。最近気になるのはAIの描いた美人がみんな同じ顔であることだ。AIが発展したことによって、逆にAIができないことが見えてきた。ネットの番組で「そこらの学校の先生や塾の講師よりChatGPTに聞いた方がなんでも知ってい...
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劣化する人:その14(1,813字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 8ヶ月前
劣化する人は「努力する人」である。では「努力する」とはどういうことか? あるいは「努力する人」とはどういう人か?この答えは、意外にも「頭が良い」というものだ。頭が良い人は努力する。逆に、頭が悪い人は努力しない。なぜかというと、努力というのは「損して得取れ」という投資行動だからだ。それは長期的な利...
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劣化する人:その13(1,659字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 8ヶ月前
『ギフト―僕がきみに残せるもの』というドキュメンタリー映画の中で、印象的なシーンがある。ALSを患った元NFL選手のスティーブ・グリーソン氏は、選手時代に死をも恐れない勇敢なプレーで有名だった。球際に強く、猛スピードで突っ込んで行くのだ。特に、所属していたニューオリンズ・セインツの地元がハリケーンによる...
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劣化する人:その12(1,806字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 8ヶ月前
「劣化」というのは、一つの老化現象でもあるといえよう。教育が機能するのは、体力がある40歳までだ。40歳以降に体力が衰えたとき、受けた教育が機能しなくなり、劣化するのである。そう考えると、能力における「体力」は、きわめて重要な役割を担っているといえるし、40歳以降は、むしろそれに頼らないことが必要にな...
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劣化する人:その11(1,625字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 9ヶ月前
イチローは面白い。彼は「劣化しない人」の典型であるが、同時に典型的な「意志の弱い人間」でもある。これは、一般的なイメージとは真逆である。一般は、イチローほど「意思の強い人間」はいないと見ている。ところが、実態は逆なのだ。イチローは意志が弱い。だからこそ、劣化から遠い立場にいる。その逆に、かつてオ...
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劣化する人:その10(1,708字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 9ヶ月前
ケチな人は劣化しやすい。なぜなら「意志が強い」からだ。意志が強いと、若いうちは成功する。しかしその反動が40歳以降に来るので、「劣化」したように見えるのだ。逆に、意志の弱い人は劣化しない。最初から意志の弱さがハンデとしてあるため、天賦の才能がなければ成功できない。だから、40歳以降に活躍できなくても...
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劣化する人:その9(1,622字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 9ヶ月前
「ケチ」というのは劣化する人の一典型だ。すなわち、劣化した人にケチが多い。ところで、「ケチ」とは何か?定義するなら、それは「一般より金離れの悪い人」ということになるだろう。松本人志氏や厚切りジェイソン氏などが、その代表格である。そして、ケチの大きな特徴は、それを規定するのが「他者」ということだ。...
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劣化する人:その8(1,993字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 9ヶ月前
松本人志氏の話題が止まらない。彼が炎上した一番の理由はホワイト化社会だ。昔は常識だったことが、今は非常識になった。昔は許されていたことが、今は許されなくなった。その変化を、彼は表面的には知っていただろうが、本質的には気づいていなかった。だから炎上したのである。では、なぜ価値観の変化に気づかなかっ...
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劣化する人:その7(1,825字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 10ヶ月前
ものごとにはなんでも「外面」と「内面」とがある。「表層」と「深層」と言い換えてもいい。「短期的」「長期的」などという区分けもある。二元論に帰するわけではないが、物事を単一のモノサシでとらえ、そのどちらかに比重を置く――という選択は、誰もが無意識にしていることだ。その際に、ほとんどの人が「内面」では...
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劣化する人:その6(1,543字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 10ヶ月前
みなさんは「自分の能力をどう配分するか?」ということについて考えたことがあるだろうか?おそらく、頻繁に考える人は劣化しないし、考えない人は劣化する。人間は、それほど多くの能力を同時には保有できない。ある能力が伸びれば、ある能力が縮む。そういうトレードオフとなっている。そして、人はその「伸ばす能力...
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劣化する人:その5(1,755字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 10ヶ月前
「考えるかどうか」というのは、もしかすると「劣化するかしないか」の大きな分かれ目かもしれない。つまり、考える人は劣化しないし、考えない人は劣化する――そういっていいのではないだろうか。では、考える人と考えない人とを分けるものは何か? 一つ大きくいえるのは、いい意味での「痛みへの鈍感さ」だと思う。特...
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劣化する人:その4(1,773字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 11ヶ月前
考える人と考えない人の違いはなんだろう?ぼくは、これはほとんど「先天的」なのではないかと思う。教えられて身につくものではない。例えば、幼い頃に逆境に遭遇した者でも、考える人と考えない人とにはっきりと分かれる。また、恵まれた環境で育ったからといって、考える人になるとは限らない。むしろ、恵まれた環境...
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劣化する人:その3(1,824字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 11ヶ月前
劣化する人の割合はどれくらいなのだろう?体感としては70%くらいか。ちなみに、「劣化する人」というのは、もともと能力が低い人のことではない。また、病気や老いなどによって能力が衰える人のことでもない。40歳で賞味期限が切れてしまう人のことだ。それ以降、能力が青息吐息になる人のことである。ところで、サッ...
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劣化する人:その2(1,875字)
コメ0 ハックルベリーに会いに行く 11ヶ月前
今回は、劣化する人=「教育効果が高い人」について見ていきたい。そもそも、「教育効果が高い人」とはどのような存在か?それは、子供の頃の教育によって、グンと成長する人のことである。子供の頃から、すぐに頭角を現す人だ。しかも、それが20歳以降も継続する人のことである(ただし40歳以降に劣化する)。そういう...
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劣化する人:その1(1,662字)
コメ2 ハックルベリーに会いに行く 11ヶ月前
「劣化する人」というのがいる。若い頃は輝いていたのに、40歳を境に急に朽ちてきてしまう人のことだ。そういう人はたくさんいる。ぼくの近くにもいた。皆、判で押したように40歳が転機となって坂を転げ落ちる。40歳は、昔は「不惑」といわれたが、彼らはちょうどそこを境に老いの世界へと移行する。若々しさがなくなっ...