今気づいたのだが、「桂離宮」と「千利休」は、字や意味は全く違うけれども、ともに同じ「りきゅう」である。「りきゅう」という語感は、庭と深い縁があるのかもしれない。

「離宮」は「皇居の別に設けられた宮殿」という意味だ。つまり桂離宮は天皇の別邸だった。ただし「離宮」と呼ばれるようになったのは明治になってからで、できた当時は「別業」と呼ばれていた。別業とは別荘という意味である。桂にある天皇の別荘なので、「桂別業」というわけだ。

桂離宮が建てられたのは17世紀の初頭、1615年頃、つまり江戸時代に入ってすぐの頃である。場所は、京都の西に流れる桂川の、やや上流の西岸沿いである。
昔は、鴨川と桂川のあいだがいわゆる「都」で、川を渡るとそこは「郊外」とされた。桂離宮は、その桂川を渡った外側にあるので郊外である。

桂離宮のある場所(京都市西京区桂)は、それ以前から貴族の別荘地として有名だった。郊外から京都の