[質問]
ハックルさんがときどき言及される「自分はいない」という感覚について、もう少し詳しく説明してください。

[回答]
「自分はいない」というのは、「精神的な自分」「内面の自分」「魂」というものは存在しない――ということです。それは架空の物語です。お金のようなものです。

お金は、それ自体に価値はありません。しかし社会のルールの中で、食べ物や道具など、価値のあるものと交換できるという仕組みになっています。そういう架空の物語を構築しているのです。これを「共同幻想」といいます。

「自分」も同じで、脳の中で自分がいるということにしているだけなのです。そういう幻想です。
なぜそういう幻想を持つかというと、都合がいいからです。どう都合がいいかというと、記憶するのに都合がいいのです。

例えば自分が相手に肉をあげるということをしたとき、自分や相手の境界があいまいだと、その行動は非常に覚えにくい。しかし自