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「テレプシコーラ」は、山岸凉子のバレエマンガである。
「もしドラ」が世に出る前の2000年代、ぼくはもうほとんどマンガを読まなくなっていたのだけれど、「テレプシコーラ」と「へうげもの」だけは例外に読んでいた。いや、そういう時期でも夢中になってのめり込んだ作品だった。単行本だけでは飽き足らず、連載が掲載されていた「ダ・ヴィンチ」誌さえ待ち遠しくしていたくらいだ。
なぜそれほど「テレプシコーラ」に夢中になったかといえば、そこに「現代」が描かれていたからだ。それを読めば現代(2000年代)が分かった。そのことを知りたくて、むさぼり読んだのである。このマンガは、現代というものを何よりもリアルに、ぼくに教えてくれていたのだ。
ところで、なぜぼくがそれほど「現代」を知りたかったかといえば、おそらくその当時、どこか浮き世離れした生活を送っていたからだろう。小説家に転身することを目指して、朝から晩まで小説を書い
「もしドラ」が世に出る前の2000年代、ぼくはもうほとんどマンガを読まなくなっていたのだけれど、「テレプシコーラ」と「へうげもの」だけは例外に読んでいた。いや、そういう時期でも夢中になってのめり込んだ作品だった。単行本だけでは飽き足らず、連載が掲載されていた「ダ・ヴィンチ」誌さえ待ち遠しくしていたくらいだ。
なぜそれほど「テレプシコーラ」に夢中になったかといえば、そこに「現代」が描かれていたからだ。それを読めば現代(2000年代)が分かった。そのことを知りたくて、むさぼり読んだのである。このマンガは、現代というものを何よりもリアルに、ぼくに教えてくれていたのだ。
ところで、なぜぼくがそれほど「現代」を知りたかったかといえば、おそらくその当時、どこか浮き世離れした生活を送っていたからだろう。小説家に転身することを目指して、朝から晩まで小説を書い
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