基本的に、誰かを「なめる」ことは悪いとされている。そこには、慢心したり、問題の本質から目をそらしたり、根本的な解決に至らなかったりというデメリットがある。
子供をなめることにも、同種にデメリットがないわけではない。しかしながら、それ以上に大きなメリットがあるため、これをむしろ励行した方が、大きな教育効果が得られるのだ。
そこで今回は、子供をなめることによって得られる教育効果について考えてみたい。


まず、子供をなめるという行為には、必ず責任感が伴われる。例えば、子供があまりも非力で「この子は自分がいなければ生きてはいけない」という押しつけがましい愛情を抱いたとき、その親の胸には「自分がしっかりしなければ」という思いが去来するはずだ。
これは、一見当たり前のことのようにも思えるが、しかし生きていく上では大きなモチベーションになる。勤労意欲や学習意欲の源泉となる。生きていくための活力になるのだ。