最近、山本直樹さんの「RED」という漫画を読んでいる。これは、登場人物の名前こそ違うものの、「山岳ベースリンチ殺人事件」や「あさま山荘事件」を起こした連合赤軍のメンバーたちの歴史物語だ。

ぼくは、以前から「あさま山荘事件」が日本という国の文化に与えた影響は計り知れないぐらい大きいと考えていた。あさま山荘事件を経験した子供たちが、その後「シラケ世代」になり、やがてバブル経済を経て、彼らの子供をゆとり世代としていくからだ。「あさま山荘事件」は、ゆとり教育が育まれる遠因ともなったのである。

ではなぜあさま山荘事件は起きたのか? そのことは、ぼくの積年の疑問だった。
というのも、ぼくの父親は60年安保で戦ったクチだった。国会までいって投石したと、自慢げに語っているのを何度も聞いた。報道写真を見せられて「おれはちょうどこの辺にいたんだ」というのも聞いた。ただし、逃げ足が速かったので機動隊には捕まらなかった