桜井章一さんは、麻雀のツモや打牌を「型」として教えている。その中で「狭い箱の中で体を動かすような感覚だ」と説いている。自分の肩幅以上には体を動かさないよう、きつく戒めているのだ。
なぜそうするかといえば、枠組みを作ることによって、逆に狭い中での自在性を獲得できるようになるからだ。その中で動けるようになると、むしろ体の使い方の幅は広がるのである。体の多様な使い方を覚えられるのだ。

昔、テレビで見た書道の大家が、書道というのは「墨で字を書くのではない」といっていた。「余白の白で空間を描くのだ」といった。だから、字の墨の部分から半紙の端のところまでの距離感とバランスがだいじなのだそうである。
書道は半紙という枠組みの中で、はじめて完成する。

ドラッカーは、「自由」のことを「責任ある選択」と表現した。責任という枠組みの中で自由に選択できることこそ、本当の自由なのだと。
何でもかんでも許されることを