結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年6月4日 Vol.375
目次
- どんな本を読んでいますか
- 大学生、論理的思考を身につけるには - 学ぶときの心がけ
- 機械学習の本に出てくる複雑な数式はどうすれば理解できるか - 学ぶときの心がけ
- 卒業後、高校の範囲を越えた数学を学ぶ指針 - 学ぶときの心がけ
- 彼女が自分以外の男子と話していると嫉妬してしまう
はじめに
結城浩です。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
新刊の話。
『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』は出版に向けて少しずつ作業が進んでいます。現在は初校ゲラを読み返しているところ。今週は編集部にて初校の読み合わせがあります。新しい本が生まれていくのはいつも楽しみですね!
◆『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』
https://bit.ly/hyuki-note11
それと並行して、次の本についてもポツポツと考えています。記念すべき12冊目の「数学ガールの秘密ノート」は、昨年末にWeb連載をした「ノナちゃん」を書籍化する予定です。これはいつもの本とはかなりトーンが変わることになり、考えるべき要素がたくさんあります。
刊行は2019年末ですけれど、脱稿の目標は2019年8月ごろに設定しています。この本のレビューの進め方についても考えなくちゃいけないなと思っています。新しいキャラを出すというのはチャレンジでしたが、それを書籍化するのはさらに大きなチャレンジとなります。早くもわくわくしています!
ところで、しょうもない話を一つ。
『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』には頻繁に「ビット反転」という用語が出てきます。「ビット反転」というのは0を1に、1を0に変える操作のことですね。ところが、あるときから「ビット反転」という単語を入力するたびに架空の中華料理店「ビット飯店」のイメージが浮かんでくるようになりました。困った(特に困ってはいない)。
『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』には中華料理店は出てこないのですが『数学ガールの秘密ノート/場合の数』にはなぜか中華料理店が出てきますね。
◆『数学ガールの秘密ノート/場合の数』
http://note7.hyuki.net
「ビット飯店」ではどんなメニューが出てくるんでしょう。麻婆論理和豆腐や、青椒補数肉絲でしょうか(謎)。
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数学セミナーの話。
日本評論社の月刊誌『数学セミナー』2019年6月号の巻頭コラムCOFFEE BREAKを書かせていただきました。
タイトルは「《自分の理解に関心を持つ》(前編)」として、いつも結城が考えている学びについて書きました。もしも機会がありましたらお読みください。「後編」は2019年12月号に掲載される予定です。
◆数学セミナー 2019年 06 月号 - Amazon
https://amzn.to/2QCz0GM
ちなみにこのコーナーは6人の執筆者が2回ずつ担当して1年続ける形式(テーマは執筆者ごとに自由)で、結城への執筆オファーは2018年の秋頃にありました。時間の余裕があると仕事が進めやすくてありがたいですね(当たり前ですけれど)。
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質問と回答の話。
○○大学の受験を考えている方から「○○大学の環境について教えてください」という主旨の質問をDMでいただきました。そこで「そういう内容は○○大学に問い合わせるか、大学の公式Webページを見たり、オープンキャンパスの日程を調べたりしてはどうでしょうか」という主旨の返信をしました。
その後、質問主からさらに返信があり、その方は、大学の公式Webページをすでにお調べになっており、もっと大学の具体的なことをお知りになりたかったようです。「私は◯◯大学の関係者ではないので、私にはわかりません。というか、私にご質問した理由がそもそもわかりません」とお返事したら、なぜかブロックされてしまいました。
質問に答えたらブロックされるというのにはいささか驚きましたが、「わからない」という私の返信が気に障ったのでしょうか。受験生はナーバスですから、しかたがないのかもしれません。コミュニケーションは難しいです。質問主は来年受験なさる方とのこと。どこかで◯◯大学の必要な情報が得られ、よい選択ができますように。
一般に、大学の受験情報や大学入学後のキャンパスライフの様子について知りたい方は、大学の公式Webページを一次情報として参照してください。オープンキャンパスや学園祭の日程を前もって調べ、その大学に足を運ぶのはとてもいいことだと思います。百聞は一見に如かず。現役の学生が学内の雰囲気について教えてくれたり、受験勉強の相談に乗ってくれるコーナーが設置されている場合もありますね。
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それでは今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。