結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2019年6月11日 Vol.376
目次
- 人と楽しく話す方法 - コミュニケーションのヒント
- 数学的な図版をどう作るか - 本を書く心がけ
- イメージを言語化するのが苦手
- 線型代数を学ぶ意味 - 学ぶときの心がけ
- プログラミングを初学者に教えるには - 教えるときの心がけ
- 魅力とは何だろうか
はじめに
結城浩です。
いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。
新刊の話。
『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』は出版に向けて少しずつ作業が進んでいます。
先週は編集部で初校ゲラの読み合わせがありました。編集者と椅子を並べて座り、初校ゲラ用紙を机に置き、一ページずつめくっていくのです。今回は私が事前にファイル整理を済ませていたので、思ったよりも短時間で終了しました。
「読み合わせ」についてはずいぶん以前(Vol.028)になりますが、この「結城メルマガ」でも簡単にご紹介したことがありますね。この記事から7年近く経過しました(!)けれど、現在でも同じような方法で進めています。
◆書籍の品質を向上させる「読み合わせ」の進め方(本を書く心がけ)
https://mm.hyuki.net/n/n24cc7c12d4f5
今後の予定としては、来週に再校ゲラ到着、再来週に再校読み合わせ、そして7月の3週目ごろに刊行になります。いよいよです!
◆『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』
https://bit.ly/hyuki-note11
それから恒例となりました《サイン本無料プレゼント》の企画も開始しました! あなたもぜひご応募ください。
◆『数学ガールの秘密ノート/ビットとバイナリー』《サイン本無料プレゼント》
https://snap.textfile.org/20190610093524/
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古本購入の話。
先日、伝統のある出版社から刊行されている古典的な数学書を買おうと思いました。仕事の都合上、すぐに調べたい本なので電子書籍があるといいなと思ったものの、あまり電子書籍に力をいれてなさそうな出版社なので、もしかしたらないかもしれないなあと思って検索。
ところが、その古典的な数学書は、電子書籍になっているどころか「版元品切れ」になっていました。たいへんがっかりです。しかたがないのでアマゾンのマーケットプレイスで買いました。定価の倍の値段がしましたが、仕事で必要なものなのでしょうがないですね。
とにかくすぐに入手したいというのは私の希望であり、その希望には市場原理が働くので、値段が高くなるのは避けがたいでしょう。数日かけて探せば、どこかの古本屋でもっと安い本が見つかるかもしれません。でも高くてもすぐに買える方を選ぶことが多いです。それは「自分の時間を買っている」のだと考えているからです。
私は本を書いて生活していますし、古本屋やマーケットプレイスで買っても著者にお金が1円もいかないことを知っています。ですから、私の心がけとしては、たとえ古本が安くても新品が買えるなら新品を買います。それは著者に利益還元するためです。しかしながら、存在しないものは買えません。
ですから「出版社さん、どうか古典的な本を品切れにしないでほしい。せめて電子書籍で置いてほしい」というのが私の正直な気持ちになります。出版社には出版社で言い分があるのでしょうけれど。
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数学に興味を持ったきっかけの話。
「結城先生が数学に興味を持たれたのはいつ頃なのでしょうか。きっかけなどはありますか」という質問をいただきました。
数学というか、理系っぽいことには昔から興味はありました。理科教師の父の影響が大きいと思います。父からは多くのことを学びましたね。以前の「結城メルマガ」で詳しく書きました。
◆父から学んだ「教える」ということ[Part 1](教えるときの心がけ)
https://mm.hyuki.net/n/n478ee16c8dc7
◆父から学んだ「教える」ということ[Part 2](教えるときの心がけ)
https://mm.hyuki.net/n/n10830453d0c8
◆父の思い出 - TK-80 -
http://www.hyuki.com/dream/tk80.html
自分の父という存在は一人しかいません。だから、実際のところ父の影響がどれだけ大きいのかを推し量るのは難しいです。「別の父だとしたら」と想像するしかないためです。しかしながら、年経るごとに父の影響は大きいなあとしみじみ思います。
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それでは今回の結城メルマガも、どうぞごゆっくりお読みください。
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