結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2020年7月7日 Vol.432
目次
- 算数が得意な中学生に本をプレゼントしたい
- Twitterで誤情報を流す人
- MacBookに外部ディスプレイを接続 - 仕事の心がけ
- 高三、計画通りに行かないとき - 学ぶときの心がけ
はじめに
結城浩です。
いつもご愛読ありがとうございます。
九州地方は記録的な豪雨で大災害となっています。被害に遭っておられるみなさんに心からお見舞い申し上げます。
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新刊の話。
今週『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』が発売になります!
今回は「数学ガールの秘密ノート」シリーズ第13巻にあたりますが、本シリーズはどの巻からでも読むことができます。もちろん、今回の本から読み始めても問題ありません。
恒例になりましたが、一部の書店さんでは《サイン本》や《メッセージカード》を取り扱っています。
《サイン本》は、本の奥付のページに結城がサインをした本です。《メッセージカード》は、結城の手書きメッセージを印刷したカードで、本に同梱されて販売されます(書店によって同梱の形式は異なります)。
《サイン本》と《メッセージカード》は、どちらも数に限りがありますのでご了承ください。取り扱っている書店さんの一覧や注意事項は、以下のページをご覧下さい。
◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』 《サイン本》と《メッセージカード》取り扱い店舗一覧
https://mm.hyuki.net/n/ncc239be62bcc
新刊の発売は著者にとって深い喜びがあります。今回は特に社会情勢の影響で刊行日が大幅に遅れてしまったのでなおさらです。読者さんをたいへんお待たせしましたが、いよいよ刊行です。
ぜひ、応援よろしくお願いいたします。
以下のページでは目次から第1章まるごと《Web立ち読み》できますので、チェックしてくださいね!
◆『数学ガールの秘密ノート/複素数の広がり』
https://note13.hyuki.net/
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ドメイン変更とリダイレクトの話。
結城は、技術的なメモを書く「結城浩のブログ」を運営しています。これまでは snap.textfile.org というドメインで公開していたのですが、先日 snap.hyuki.net に引っ越ししました。
textfile.org も hyuki.net も結城が持っているドメインです。今回の引っ越しは、サービスやサイトやアプリを hyuki.net のサブドメインにする方針に合わせたことによるものです。
ドメイン変更(引っ越し)で大事なのは「古いURL」にアクセスした読者を「新しいURL」にリダイレクトすることです。自動的にブラウザを新しいサイトにジャンプさせるのです。
snap.textfile.org の配下で公開したページへのリンクは、すでに大量に世の中にあります。結城がツイートしたものはもちろん、結城浩ニュースレターからリンクしたものや、読者さんがブックマークしているものもあるでしょう。
サイトを引っ越すのは自分の都合でできますが、すべての読者さんのブックマークを書き換えることは不可能ですよね。ですからリダイレクトが大事になるのです。
また、適切にリダイレクトしないとGoogleなどの検索エンジンからもらっていた評価がゼロからのやり直しになってしまいます。
リダイレクトで特に大事なのは「個々のページ単位でリダイレクトされているか」です。たとえば、
- https://snap.textfile.org/20200516205051/
という古いアドレスにアクセスすると、
- https://snap.hyuki.net/20200516205051/
のように、新しいアドレスの同じページにぴったりリダイレクトされるかどうか。
多くのWebサイトでは「リニューアル」を行うとき、このようなページ単位のリダイレクトがなされません。新しいサイトに対応するページが存在しているにも関わらず、すべてが新しいサイトのトップページにリダイレクトされることもよくあります。それは読者にとっては困る話ですね。
結城浩のブログは古いドメインのものも新しいドメインのものも、Netlifyというホスティングサービスを利用しています。
Netlifyでは、設定ファイルを一つ書き換えるだけで簡単にリダイレクトができます。公式ドキュメントとブログ記事はこちらにあります。
◆Redirects and rewrites
https://docs.netlify.com/routing/redirects/
◆Redirect Rules for All; How to configure redirects for your static site
https://www.netlify.com/blog/2019/01/16/redirect-rules-for-all-how-to-configure-redirects-for-your-static-site/
今回はNetlifyを使いましたが、Netlifyに限らず多くのホスティングサービスではリダイレクトの設定方法があります。Webサイトを運用してみると「ディレクトリ構成は、こうしておけばよかったな」と思うことがありますので、変更方法を知っているのは大事ですね。
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クラスレスCSS(Classless CSS)の話。
CSSはWebサイトのデザインを整える仕組みです。モダンなCSSフレームワークのBootstrapなどでは「クラス」を利用してデザインを制御します。class=“btn” でボタンと見なし、class=“btn btn-primary” で主要なボタンと見なす……という具合です。
クラスを利用するため、CSSフレームワークに対応するためにはHTMLの各要素に適切にクラスを記述しなくてはなりません。言い換えると、CSS対応になっていない古いWebサイトをモダンにするためには非常に手間が掛かることになります。
先日「クラスレスCSS」という概念を知りました。クラスを使って制御するのではなく、要素を直接制御して見映えを整えるCSSのことです。
クラスを使った制御に比べて大まかな制御になってしまいますが、クラスレスCSSをWebページの最初に記述するというわずかな手間で、古いWebサイトがモダンなデザインに生まれ変わることになります。
また、いちいち見映えに時間を使いたくないプロトタイプを作る場合も、クラスレスCSSを使うだけでモダンなWebサイトになりますね。
以下、いくつかのクラスレスCSSへリンクします。
◆Air
https://markdowncss.github.io/air/
◆LatexCSS(LaTeX風に表示するクラスレスCSS)
https://davidrzs.github.io/latexcss/
◆new.css
https://newcss.net/demo/
◆Sakura demo(画面上でオン・オフして違いを見ることができる)
https://oxal.org/projects/sakura/demo/
◆Tufte CSS
https://edwardtufte.github.io/tufte-css/
◆W3C Core Style Sampler
https://www.w3.org/StyleSheets/Core/preview
◆クラスレスCSSの一覧を集めたページ
https://github.com/dbohdan/classless-css
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それではそろそろ、今回の結城メルマガを始めましょう。
どうぞごゆっくりお読みください。
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