Vol.126 結城浩/父のこと(3)/サイン本無料プレゼント/編集者の指摘/

結城浩の「コミュニケーションの心がけ」2014年8月26日 Vol.126

はじめに

おはようございます。 いつも結城メルマガをご愛読ありがとうございます。

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今年(2014年)10月の出版に向けて、 『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』の作業を進めています。 アマゾンでの予約開始が早くなりそうなので、 恒例になった《サイン本無料プレゼント》の企画はすでに始まりました。

ご希望の方は以下からぜひご応募くださいね。〆切は2014年8月28日です。

 ◆書籍『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』刊行記念《サイン本無料プレゼント》
 http://d.hatena.ne.jp/hyuki/20140814/note4

『数学ガールの秘密ノート/数列の広場』は、 いつも通りSBクリエイティブさんからの刊行になります。

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また、先日脱稿した『数学文章作法 推敲編』の方も作業が進み、 無事に今年(2014年)のうちには出版の運びとなりそうです。

結城は、編集部からの質問・指摘事項に答え、 その内容を原稿ファイルに反映させたものをまとめて送りました。 あとは編集部の方での作業がしばらく続きます。

こちらも、刊行時期が近づきましたら《サイン本無料プレゼント》を行おうと思っています。 どうぞお楽しみに!

『数学文章作法 推敲編』は、筑摩書房さんからの刊行になります。

「どうぞお楽しみに!」と書きましたが、 実はいちばん楽しみにしているのは私自身です。

これまで何冊も本を出版してきましたが、 いつでも、新しい本が出るというのはわくわくするものです。 って話は、この結城メルマガでも何度も書いていますよね。

私は本を作るのがとっても好きなのです!

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先日、「数学のノーベル賞」と言われるフィールズ賞(2014年)の受賞者が発表されました。

 ◆Fields Medals 2014 - IMU
 http://www.mathunion.org/general/prizes/2014/

四名の受賞者の中に、初の女性が含まれていました。 英文字表記でMaryam Mirzakhaniさんという方です。

お名前を正確に何と読むのか結城は知りませんが日本語での表記は、 「マリアム・ミルザハニ」あるいは「マルヤム・ミールザーハーニー」とされているようです。

『数学ガール』に登場するミルカさんとちょっぴり似ているお名前なので、 個人的にとてもうれしいです(Mirzakhaniは姓ですけど……)。

 ◆Maryam Mirzakhani - Wikipedia
 http://en.wikipedia.org/w/index.php?title=Maryam_Mirzakhani

ちなみにフィールズ賞の開催は四年に一回、 受賞者は四十歳未満で四名以下という規則があります。 なぜ四が多いんでしょうね。

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ファイル整理とバックアップの話。

先日、家内から、

 iPhoneで撮った写真でストレージがいっぱいになっていて少し削除したいから、
 バックアップ取ってほしい

という依頼が来ました。

写真のバックアップは頭が痛いです。

 ・ぱらぱら見ていると明らかに不要な写真がある。
 ・何千枚もあるので、ぜんぶチェックするのは面倒。
 ・でも意外に容量を食うので、なんとか減らしたい。

という思いがぐるぐるまわって、 結局は「まあ、ほんとうに困るころには新しい機種に変わっていて、 ストレージも大きくなっているから、もういいや!」とあきらめています。

どうしても削除したいときには、画像をちまちま消すのではなく、 ビデオをいくつか選んで消すようにしています。 というのは、画像(jpg)のファイルサイズは数百キロバイト〜数メガバイトなのに、 動画(mov)のファイルサイズは百数十メガバイトにも及ぶからです。 動画を一、二個消す手間で、画像を数百個消したのと同じ効果があるということです。

とはいえ、根本的な解決ではありません。 写真の整理を簡単にする方法はないんでしょうかねえ……

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編集部に原稿ファイルを送る話。

たとえばLaTeXで書いた書籍の原稿ファイルの場合、 章ごとに一つのテキストファイルになっています。10章の本なら10個ですが、 その他にもこまごまとあるので15〜20個くらいのテキストファイルになります。

テキストファイルの他に図版ファイルもあります。 図版ファイルの数は本によってまったく違います。 数個から百個のオーダーですね。

これらのファイルを編集部に送る場合、 以前はzipで圧縮したものをメールに添付して送っていました。 ただ、図版が極端に大きかったりすると、メールでは扱いにくかったり、 あるいは会社によっては添付ファイルのサイズの制限にひっかかったりします。

最近は、いわゆる「クラウドストレージ」を使って送っています。 具体的には、Dropboxの「共有リンク」という機能を使います。

まず、zipで圧縮したファイルをDropboxでクラウド側と同期します (これはDropboxが管理しているフォルダにファイルを放り込むだけのこと)。 次に、共有リンクを作ります(これも数クリックで終了)。 そして、その共有リンクのURLを編集部にメールで送ります。

編集部では、その共有リンクのURLからzipファイルをダウンロードします。 共有リンクからダウンロードするのに、Dropboxユーザである必要はありません。

最後に、編集部から「ファイルをダウンロードしました」という返事をもらい、 結城はzipファイルの共有リンクを解除します。 これで誰も、そのファイルをダウンロードできなくなります (共有リンクは、URLさえ知っていれば誰でもダウンロードできる)。

SugarSyncを使っていたときもありますが、 ときどき同期に失敗することがあるので、 最近はDropboxをメインで使うようになりました。

zipファイルとクラウド側との同期は、 メールの文面を書いているうちに完了するし、 メールでURLを送るだけなのでメール送信自体もとても手軽。 クラウドを使って原稿ファイルを送るのはたいへん楽になりました。 ああ、ほんとに便利な時代です!

 ◆他の人とファイルまたはフォルダを共有するには - Dropbox
 https://www.dropbox.com/ja/help/274

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講演の話。

先日、ある教育関係の方から講演の依頼を受け取りました。 いくつかの調整を行って話がまとまり、実現する運びとなりました。 ほっとしました。

時期は秋、高校で数学を教えている先生向けの講演です (一般の方が参加できる講演ではありません)。

内容はこれから考えていきますが、 実際に高校の生徒さんに教えている先生とのやりとりが楽しみです。

講演を実施した後には、 またこの結城メルマガでその内容などを詳しくお伝えしたいと思いますので、 どうぞご期待ください。

講演といえば、昨年(2013年)の秋に「数学ガールの特別授業」と銘打って、 高校生向けの講演(授業)を行いました。 これもこの結城メルマガで何回かに分けて情報をシェアしましたね。

一昨年(2012年)に行った二回の講演が、 『数学ガールの誕生』という書籍にまとまったように、 今回もうまく構成して書籍にできたらいいなあと思っています。

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それでは、そろそろ結城メルマガを始めましょう。

今回は、夏になると思い出す「父のこと」をお送りします。

また、「本を書く心がけ」のコーナーでは、 編集者からの指摘で気付いたちょっとしたことをお話しします。

「Q&A」のコーナーでは、 将来における「コンピュータと数学の関係」という、 すごく大きな質問に答えました(答えようとしました)。

それでは、お楽しみください!

目次

  • はじめに
  • 本を書く心がけ - 編集者の指摘で気付いたこと
  • 教えるときの心がけ - 父のこと(3)
  • Q&A - コンピュータと数学の関係の将来は?
  • おわりに