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第107回 台湾から連れてこられたある女性のウラガワ(2)
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第107回 台湾から連れてこられたある女性のウラガワ(2)

2016-06-15 22:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第107回 台湾から連れてこられたある女性のウラガワ(2)


    ◆もくじ◆

    ・台湾から連れてこられたある女性のウラガワ(2)

    ・最近の志麻子さん
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中/密着動画公開中!
     ドラマ「侵略!ガルパンダZ」に出演中
     新刊『現代百物語 因果』6/18(土)発売
     「韓流アフタヌーン~岩井志麻子のイイオトコ図鑑」次回は6/17(金)
     6/19(日)「やついフェス」にDJ岩井志麻子出演!
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    公私ともに仲の良い徳光正行さんから持ちかけられた、彼の母親についての物語を書くこと。
    取材をするうちに、深く関わっていた家政婦の「ハルさん」のことが気になり始めた岩井さん。
    ハルさんは昔、日本統治下にあった台湾から連れてこられたのだった……。


    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
    12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
    2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
    2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
    3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
    4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
    5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

    6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
    7月「異国の夏休みのウラガワ
    8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
    9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
    10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
    11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
    12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
    2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
    2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
    3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
    4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
    5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ

    ※上記以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ====

     公私ともに(?)韓国好き、もっと正確には韓国男好きとして知られる私だが。なぜかこのところ、台湾が急接近してきている。しかも、こちらも公私にわたって。

     去年も女友達と台北に旅行したが、本格的に「台湾が来てるーっ」と感じたのは、これまた公私ともに親しい人気タレント徳光正行くんが発端となっている。

     ご存じ、彼のお父さんは名司会者の和夫さんだが、息子によると有名人のパパより一般人のママの家系の方がドラマチックなんだとか。

     それを書いてほしいと頼まれて調べていくうちに、一人の女性に激しく引きつけられた。正確にはママの血縁者ではないが、深く関わっていた家政婦のハルさん。彼女だけで小説が充分に一冊書けそうだ。

     ハルさんは昔、日本統治下にあった台湾から連れてこられたのだった……。

                        ※

     衝撃的だった。時代が違うとはいえ、当時はさほど珍しいことではない。どころか、けっこう当たり前に行われていたことだとはいえ、人身売買ですらないのだ。

     子守りに雇ってくれたらお金は要らないと、親によって日本人一家に引き渡された通称ハルさん。台湾の山岳民族の娘で、当時まだ十歳くらい。 

     当時の日本はほとんどのアジアを統治下に置いていたから、ハルさんみたいな子も大勢いただろうし、もっと大人になっていて、自分の意志で日本に渡ってきたアジア諸国の人も相当な数がいるだろう。

     その人達の子孫は、自分のルーツが日本以外にあると知らない場合もかなり多いのだ。

     ハルさんの息子は薄々知っていたらしいが、その息子の妻や子ども達は姑、お祖母ちゃんが台湾出身なのを知らなかったらしい。

     頑なにハルさんが秘密にしていたのではないだろうが、十歳くらいから日本にいれば故郷の記憶も薄れ、台湾にいる親も親戚もまったく消息はわからなくなっていて、ハルさんはほぼ日本人になっていただろうし。

     考えてみれば私も、父方と母方と合わせて四人の祖父母についてははっきり記憶もあるし、どのような人だったかはわかっている。しかしその上の、八人いるはずの曽祖父母となればかなり曖昧になってくる。

     同居していた父方の祖父母には親の話は聞いているし写真も残っているので、父方の曽祖父母については知っているけれど。母方の曽祖父母となれば、名前も顔も知らない。さらにその上となると父方も母方も、もはやどこの誰だかさっぱりわからない。

     つまり私だって、先祖の誰かが異国の人である可能性はあるのだ。私だけでなく、詳しい家系図があるような名家の人を除けば、たいていの人がそんなふうじゃないか。

     日本は歴史的な問題から中国、韓国、北朝鮮と関係が複雑であり、やみくもにその国の人達を嫌って偏見と差別の目を向ける残念な人達もいるが、その人達にだってそちらの血が入っている可能性はきわめて高いのだ。

     
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