オンナのウラガワ ~名器大作戦~
第133回 春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ(1)


◆もくじ◆

・春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ(1)

・最近の志麻子さん
 AKB48「シュートサイン」MV出演
 3/20(月)志麻子の怪談「手鞠歌」@ロフトプラスワン 開催
 TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
 「岩井志麻子のおんな欲」連載中
 「岩井志麻子の千夜玩具物語」連載中
 カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
 MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

・著者プロフィール

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あっという間に3月! 「もう春だなぁ」という季節になっても、岩井さんのもとには怪談が続々と寄せられるようで……。
今月は、春のさなかに聞いた怖い話をお届け。

常夏の国に駐在する日本人の春田くん(仮名)は、「怖かった笑顔」について語ってくれたのだが……。

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http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

2014年11月「「そんなプロもありか」な人達のウラガワ​
12月「「殺人者」たちから聞いたウラガワ
2015年1月「「大人の冬休みの日記」なウラガワ
2月「「大人の冬休みの日記のつづき」なウラガワ
3月「ベトナム愛人との旧正月のウラガワ
4月「春の喜怒哀楽のウラガワ
5月「韓国人夫の失踪届けを出したら……のウラガワ

6月「ホラー作家まわりの怪異のウラガワ
7月「異国の夏休みのウラガワ
8月「そろそろ怖い目に遭う予感のウラガワ
9月「秋風に謎めく過去のウラガワ
10月「人生の秋を生きる女達のウラガワ
11月「「結婚」に振り回される女達のウラガワ
12月「出版業界の仕打ちのウラガワ」ほか
2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ
11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ
12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ
2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ

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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

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 出会いと別れは季節を問わないものだけれど、三月というのは特に別れが多い季節ではある。卒業式に人事異動、退職、それらに伴なう引っ越し。

 そして怪談、怖い話も夏の風物詩みたいになっているけれど、これまた季節は問わない。先月は、「まだ冬だよね」という季節に聞いた怪談をお届けした。今月は、「もう春だなぁ」という季節に聞いた怖い話をお届けする。

                    ※ 

 春のない常夏の国に赴任して暮らす、日本人駐在員の春田くん(ここだけの仮名)が語ってくれた怖い話を思い出し、そのときに自分が何を感じたかも記してみる。


「笑顔。それは普通、好意的な態度、幸せな状態、うれしさや喜び、ときには媚びや愛想といったものを表すものですよね。

 しかし笑顔が怖かった、という話も少なくありません。過度な作り笑いや冷笑、といったものを除いてもです。

 自分が殺した被害者の口の端を裂いて笑顔に見えるようにした、という殺人者は、外国にも日本にもいます。笑顔を作ろうとしなくても、見せしめのために顔の皮を剥いてしまったら、一様に笑っているように見えてしまうのも気味悪い。

 麻薬のやりすぎで顔の神経が麻痺してしまい、どんなときも笑っているような表情で固定されてしまった、という人の写真も見たことがあります。笑顔でいることは更生につながるかどうか、ぼくには何ともいえませんね。

 美容整形でも、口角を上げる手術があるそうです。口の端を持ち上げると、まずは若返るといいますが、どんなときも笑っているように見えるようになるのです。

 女は愛嬌といいますが、悲しむべきときに笑っていたり、怒らなければならないときや、嫌悪しているのがはっきり伝わらなければ困る、といったときも笑っているように見えるのは、女としていいことばかりではないでしょう」


 少し前、私とちょっと揉め事を起こした男がいた。きっぱり拒絶し、もう近づくなと間に人を立てて話し合いもし、本当に二年ほど男は私に近づかなかった。しかしあるとき久しぶりにメールが来て、つい返事をしてしまった。社交辞令的なものだったが。