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第156回 大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ(3)
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第156回 大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ(3)

2017-11-02 21:15

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~
    第156回 大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ(3)


    ◆もくじ◆

    ・大人だけど枯れるには早い人たちのウラガワ(3)

    ・最近の志麻子さん 
     12/16(土)「オメ★コボシ40」開催
     太田出版よりイヤミス『嘘と人形』発売中

     角川ホラー文庫より『現代百物語 不実』発売中
     TV「有吉反省会」にヒョウ姿でひきつづき出演中
     「岩井志麻子のおんな欲」連載中
     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    いい歳になっても枯れきることは出来ない、そんな気持ちをかき立ててくれた人達のエピソードをお届け。

    岩井さんとほぼ同い年で、熟女風俗に勤めている留美子は、一回り近く年の離れた妹のことを思って、ため息をついた……。

    ※10月分の3号目の配信の予定が編集部の都合により遅れましたことをお詫びいたします。申し訳ございませんでした。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~15年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2016年1月「会えなかったけど気になる女たちのウラガワ
    2月「接点がないのに気になる人たちのウラガワ
    3月「嘘をつかずにいられない人たちのウラガワ
    4月「春のおかしなお便りの数々のウラガワ
    5月「距離感のおかしい人たちのウラガワ
    6月「台湾から連れてこられたある女性のウラガワ
    7月「大人の夏の観察日記のウラガワ
    8月「大人だからわかる怖い話のウラガワ
    9月「『志麻子のヤバモンGO』なウラガワ
    10月「取り返せない夏の思い出のウラガワ
    11月「常夏の国で生きる女の秋のウラガワ
    12月「冬を生きながら春を待つ女達のウラガワ
    2017年1月「自分を重ねてしまう若者たちのウラガワ
    2月「冬に聞いた奇妙な怪談のウラガワ
    3月「春のさなかに聞いた怖い話のウラガワ
    4月「木の芽時な人達のウラガワ
    5月「五月だけどさわやかになれない人たちのウラガワ
    6月「面識なしでも喜怒哀楽を喚起する人々のウラガワ
    7月「ほんのり怖い人達のウラガワ
    8月「真夏なのに秋の予感な有名人たちのウラガワ
    9月「私が見たテレビの中の人のウラガワ



    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     十月は、上旬と下旬では雰囲気がかなり違う。初旬の頃はまだ、暑かった熱かった夏の記憶が生々しい。下旬に入ると、冬の予感がひたひたと迫ってくる。

     まさに私の年頃みたいだ。ギラギラは失せたけど、脂気は抜けきってない。エロな方面ばかりでなく、あらゆる場面で若い頃みたいな無茶やバカはできなくなったが、何もかもあきらめきって許せる境地にまではたどり着けない。

    「いい歳になったんだから寛容になりたいけど、まだ無理かも」「考えてみれば大人になりきるって、枯れることでもあるんだよなぁ」みたいな話を書いてきた今月のラストには、何人ものそういう気持ちをかき立ててくれた人達にご登場願う。

     もちろんすべての人が仮名で、個人を特定されないよういろんな背景をさりげなく変えて創作を混ぜてある。

                        ※

    「あの子も最近、ちょっとだけ大人になってくれた……といっていいのかなぁ」
     私とほぼ同い年の留美子は、ため息をつく。彼女には一回り近く年の離れた妹がいるが、高校を出るくらいから引きこもりとなった。

     高校を卒業だけはしたが就職は一度もせず、バイトも一日ともたず、そんなのではもちろん結婚もできるはずがなく、ずっと実家の二階にこもっていた。

     そういう留美子も独身のまま、熟女風俗に勤めているのだが。四半世紀も風俗をやっているのでなじみ客もちらほらいて、ほそぼそと都内で一人暮らしができている。

     実家の親は健在だが、もう八十だ。娘のどちらにも頼れないどころか、いまだに下の娘を養っている。どうにか年金などで暮らしているが、自分らが死んだら下の娘はどうなるかと……実はもう、老親もあまり深く悩まないようにしているらしい。

    「ちょっと前まで、妹はヒステリックに暴れ狂言の自殺未遂を繰り返し、親はへとへとになってたの。それが最近、落ち着いてきて」

     なんでも妹はしばらく前から、ツイッターを始めたそうだ。しかし始めたばかりの頃は、姉が見ても暗澹とするような内容だった。

    「高校生の頃の写真を、最近の私だと出してんのね。本人の中では時間が止まってて心が高校生のまんまだし、引きこもってたから本当に高校生のときの写真が最新のなんだわ。だから本人は、嘘ついてるつもりはないの。

     
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