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第320回 好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ(2)
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第320回 好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ(2)

2022-05-31 15:00

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~

    ◆もくじ◆

    ・好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ(2)

    ・最近の志麻子さん 
     『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
     『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
     『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
     「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
     『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    日本では最もさわやかな月と言われる五月だけれど、東南アジア諸国ではだいたい最も暑い月。五月は在り方も感じ方も違う。
    心地よいと好きも、ぴったり同じではない。
    そんな「温度差」を主題にしたエピソード。

    ある週刊誌の男性記者に、昭和のスター松野の最後の愛人だったという、香苗なる自称女優からネタの売り込みがあった。
    記者は、知り合いの文化人・桃子が興味があるというので取材に同席させることにしたのだが……。


    ※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
    順次記事公開いたします。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
    2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
    3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
    4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
    5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
    6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
    7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
    8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
    9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
    10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
    11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
    12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
    2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ
    2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ
    3月「どうしても心残りなウラガワ
    4月「心残りな事件の男たちのウラガワ


    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===

     日本では、最もさわやかな月といわれる五月。しかし常夏の東南アジア諸国では、だいたい最も暑い月なのだ。国によって、五月は在り方も感じ方も違う。

     そして、心地よいと好きは、ぴったり同じではない。私も五月って心地よいとは感じるが、一番好きなのは真夏の七月だから。

     といった、これぞまさに温度差、というものを主題にしている今月。

                        ※

     ある週刊誌の男性記者が、そんな世間を震撼させる大事件でも、ワイドショーを賑わせそうな大スキャンダルでもないけれど、ネットではそこそこ話題になるかな、という話を売り込まれた。

     昭和ではスター、平成に入る頃にはほとんど忘れられていた男性有名人の松野鶴男(彼も含め、以下みなさん仮名)が亡くなったのだが、彼の最後の愛人だったという有間香苗なる女性が名乗り出てきたのだ。

     若作りしているが、還暦は過ぎていそうな香苗は自称女優だ。しかし女優としての実績は、無いに等しい。事務所にも、所属していない。
     いわゆるプロ彼女というのか、ずっと芸能人男性とばかり付き合いながら、芸能界で自分が売れることはなくても、周辺を漂い続けてきた女だった。

     記者は最初そんな香苗からのたれ込み、売り込みに興味もなかったが、彼が知り合いの文化人である吉備桃子にその話をしたところ、妙に食いついてきたのだ。

    「あたし子どもの頃は松野鶴男さんのファンだったし、何より年季の入ったプロ彼女ってのを、いっぺん見てみたい」

     桃子はタレント的な活動もしていて、ときどきテレビも出ている。香苗などより、はるかに世間に顔は知られていた。記者も、そんな桃子ファンだった。

     記者は香苗に取材することにし、その場に桃子を同席させた。香苗に話を聞くより、桃子の接待の方が主だった。

     ちなみに取材場所のやや高級な居酒屋は、香苗のマネージャーを名乗る男が指定してきた。五十前の彼は、うさん臭さはあるが愛想のいい男だった。

     マネジャーが指定してきた店は、そんな行きつけでもないれど、店長は顔見知りだという。ともあれ記者、桃子、香苗とそのマネージャーは奥の個室に通された。

     かなりどうでもいい香苗の自慢話をだらだら聞かされているところに、突然どやとやと見知らぬ男女が五人ほど入ってきた。

     
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