オンナのウラガワ ~名器大作戦~
◆もくじ◆
・好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ(3)
・最近の志麻子さん
『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中
カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中
・著者プロフィール
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一番好きな季節は真夏、でも五月が最もさわやかで心地よい月というのに異論はない。
好きと心地よいは、違っているというだけ。
常夏の国に行くようになり、五月が酷暑の国々があるのも知った。
そんな「それこそ温度差よ」みたいなお話。
あるとき知り合った、四十過ぎになる陽子という女性。
返答に困ったのは、アイドル達の名を挙げて、婚約しただの真顔で言うことだった。
そのなかで、一人だけタイプの違う個性派の男とのエピソードがあって……。
ネットニュースになった、あのウクライナ舞台の漫画についても……!
※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
順次記事公開いたします。
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2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ」
2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ」
3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ」
4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ」
5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ」
6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ」
7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ」
8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ」
9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ」
10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ」
11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ」
12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ」
2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ」
2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ」
3月「どうしても心残りなウラガワ」
4月「心残りな事件の男たちのウラガワ」
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2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ/ソウルの新愛人のウラガワ/風俗嬢の順位競争のウラガワ/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ/「大人の夏休みの日記」なウラガワ/その道のプロな男たちのウラガワ
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海外に行ったことがなかった子どもの頃から、常夏の国に憧れていた。だから今もって一番好きな季節は、真夏だ。でも、五月が最もさわやかで心地よい月だというのに異論はない。好きと心地よいは、違っているというだけ。
常夏の国に行けるようになって、五月が最も酷暑の国々があるのも知った。今月はそんな、「体感って違うよね」「それこそ温度差よ」みたいな話を書いてみた。
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もう七、八年前になるか。ある人の紹介で、陽子という当時すでに四十を過ぎていた女性と知り合った。ぽっちゃり気味で、愛嬌ある顔立ちだった。本人によると、薬のせいで体重どころか人相も変わったそうだ。
高校生の頃に精神のバランスを崩し、入院まではないがずっと通院しているという。だから就職もしたことはなく、調子がいいときに短期のバイトをするくらいだとか。男性も高校生のとき付き合った一人だけで、結婚なんか怖いといった。
父は早くに亡くなり、母の年金と兄の給料で倹しく暮らしているという。気も遣ってくれて、優しい心根の女性だった。だた、純粋さと幼稚さが、なかなか区別しにくかった。
返答に困ったのは、息子のような年頃の人気アイドル達を何人か挙げ、ストーカーされているだの、婚約しただの真顔でいうことだった。
「いろんな週刊誌やテレビ局にも連絡したんですが、芸能界の大物だけでなく、総理大臣とアメリカの大統領まで使って揉み消されたんです」
本人は嘘をついている自覚はないどころか、本当のことだと信じ切っているのだ。適当にうなずきながらも、陽子さんの好みって一貫しているなぁと苦笑もしてしまった。韓国アイドルふうというのか、妄想相手が細身の中性的美青年ばかりなのだ。
しかし一人だけハズシというのか、夢見る男の中に異色の相手がいた。私と同じくらいの年齢で、ずんぐりむっくり体型に厳つい顔つき。当然ながら王子様キャラではなく、強面の個性派文化人だった。仮に、樫木法太としておく。
「高校生のとき付き合った彼氏の地元の先輩で、カラオケやるから来いって誘われたんです。酔わされてその人の家に、連れていかれました。