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第332回 身近な少し怖い話をまだまだなウラガワ(2)
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第332回 身近な少し怖い話をまだまだなウラガワ(2)

2022-09-30 15:00

    オンナのウラガワ ~名器大作戦~

    ◆もくじ◆

    ・身近な少し怖い話をまだまだなウラガワ(2)

    ・最近の志麻子さん 
     『岡山女』新装版、単行本『煉獄蝶々』発売中
     『5分で読める! ぞぞぞっとする怖いはなし』に寄稿
     『週刊大衆』で「熟成肉女 召し上がれ」連載中
     「カクヨム」で田原総一朗・二次創作小説を発表
     『でえれえ、やっちもねえ』角川ホラー文庫より発売中

     カドカワ・ミニッツブック版「オンナのウラガワ」配信中
     MXTV「5時に夢中!」レギュラー出演中

    ・著者プロフィール

    ===

    怪談の季節が終わる寂しさもあるが、四季を問わないホラー専門作家として、秋でもまだまだ怖い話を書いていく。

    仕事仲間の紹介で出会った、なかなか人気のユーチューバーの山野くん。
    彼の番組に出演しているカンナという女性についての話が心に残った。
    カンナの動画をアップした後、山野くんは何人もの「カンナの知り合い」と名乗る人たちから連絡をもらうことになり……。


    ※担当者の不調により更新が長く滞り大変申し訳ございませんでした。
    順次記事公開いたします。

    バックナンバーはこちらから↓
    http://ch.nicovideo.jp/iwaishimako/blomaga

    2014年11月~20年12月のバックナンバーは、「月別アーカイブ」の欄からご覧ください。
    2021年1月「ゆるく共存していくことを考えさせられるウラガワ
    2月「いつの間にか入り込む怖いもののウラガワ
    3月「もはや共存するしかないあれこれのウラガワ
    4月「変わらぬもの、変わりゆくもののウラガワ
    5月「子どもっぽい大人、大人になっても子どもな人のウラガワ
    6月「ドライになり切れないウェットな物事のウラガワ
    7月「ホラーの夏なので怖い怪談実話なウラガワ
    8月「夏といえばの怖い話・奇妙な話のウラガワ
    9月「歳を取れば大人になれるわけではないウラガワ
    10月「この歳になって初めて知ることもあるウラガワ
    11月「「どこで逸れたんだろう」と考えてしまうウラガワ
    12月「人生そのものがお楽しみ会のウラガワ
    2022年1月「まだ楽観視できない未来を思うウラガワ
    2月「記憶が混乱するアレコレのウラガワ
    3月「どうしても心残りなウラガワ
    4月「心残りな事件の男たちのウラガワ
    5月「好きと心地よいは違う、温度差を感じるウラガワ
    6月「ドライなのかウェットなのかわからないウラガワ
    7月「「もう」と「まだ」の間のあれこれのウラガワ
    8月「志麻子周辺のホラー特集なウラガワ

    ※2014年10月以前のバックナンバーをご購入希望の方は、本メルマガ下部記載の担当者までお知らせください。リストは下記です。

    2013年7月~12月 名器手術のウラガワ/エロ界の“あきらめの悪さ”のウラガワ/エロとホラーと風俗嬢のウラガワ/風俗店のパーティーで聞いたウラガワ/エロ話のつもりが怖い話なウラガワ/風俗店の決起集会のウラガワ
    2014年1月~10月 ベトナムはホーチミンでのウラガワ/ベトナムの愛人のウラガワ/永遠のつかの間のウラガワ ~韓国の夫、ベトナムの愛人~/浮気夫を追いかけて行ったソウルでのウラガワ/韓国の絶倫男とのウラガワ​/ソウルの新愛人のウラガワ​/風俗嬢の順位競争のウラガワ​/夏本番! 怪談エピソードの数々のウラガワ​/「大人の夏休みの日記」なウラガワ​/その道のプロな男たちのウラガワ​

    ===
     
     今はネットで、個人的にいつでも好きなホラーコンテンツを楽しめる時代になったとはいえ、子どもの頃に刷り込まれた「七月と八月は怪談の季節」から逃れられない。九月になると、「好きなシーズンが終わる」と寂しくなるのだ。

     そんな私はまさに四季を問わない、ホラーを専門とする作家になった。だから九月にも、身近な少し怖い話を書いてしまう。

                        ※

     うちの息子くらいの年齢の山野くんは、なかなか人気のユーチューバーだ。今どきのスリムなちょいイケメンで、あちこちドライブしてふらっと立ち寄った先で、おもしろいと思える人達にインタビューしている。

     山野くんとは仕事仲間の紹介で会い、彼のYouTubeも見るようになった。どの人も「いろんな人がいるなぁ」とおもしろがれたが、特に一人の女性は心に残った。

     本名ではないと断ったうえで、カンナと名乗っていた。カンナさん、ぱっと見は普通の四十路OLふう。ものすごくおしゃれでも、身の周りにかまわないふうでもなく、良くも悪くも人目を引かない。しゃべり方は、おっとり優しい。

     しかしカンナさんには、壮絶な過去があった。父は反社の人で、カンナさんにもカンナさんのお母さんにも激しい暴力を振るった。今は行方不明。お母さんは心を病みながらも極貧の中で育ててくれたが、今は施設で平穏に暮らしている。

     カンナさんもいっときグレて家出して夜の街をさ迷い、いろんな男にひどい目に遭わされ、薬漬けにされ刑務所にも行った。どん底に堕ちたが、今の夫と知り合ってすべて受け入れてもらえ、初めての子を授かって結婚、ようやく普通の幸せをつかめた……。

     とのことで、良かった良かった、お幸せにね、というしかなかったのだが。カンナさんの動画をアップした後、山野くんは何人もの「カンナの知り合い」と名乗る人達に、「カンナには内緒にしてください」というダイレクトメッセージをもらった。

    「その人達はカンナさんの本名を知っていたから、本当に知り合いなんですよ」

     
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