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【平直行「東方武術見聞録」】その17 武術の型とは。(前半)
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【平直行「東方武術見聞録」】その17 武術の型とは。(前半)

2014-10-07 13:50


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    その
    17 武術の型とは。(前半)
     

    グレイシー柔術を型だと考えると……素晴らしい○○? うーん、一体何だ? 何が書きたいのだ? 妄想で暴走もほどほどにしないと……(笑)。


    武術の型とは実は使えないように出来ているのだ。そこを知らないと“?”になる。武術に興味がある人なら聞いたことがありませんか? 武術とは見て盗まれないような工夫を施してある、と。武術を本当に使用した時代には、武術は国の大切な武器だった。


    もっと時代を遡れば、武術は一族の大切な武器。自分たちを外敵から守る大切な武器だったのだ。武器の詳細は知られていないほうが都合良い。こういうふうに攻めてくると考えている相手の裏をかいた攻めが出来れば、相手に勝つ確率が高くなる。


    昔、武術は試合ではなく死合いで使った。戦は殺し合いなのだ。負ければ死んでしまう。そんな状況で正々堂々とスポーツのようにやるはずがない。いかに生き残るか? そこに武術の知恵がある。その知恵には騙し討ちの技術がたくさんあるのだ。


    柳生心眼流の極意の一つに“石火の間”というものがある。石化の間とは騙し討ちの真髄。騙す真髄とは相手が騙されたとさえ感じさせないこと。石火の間の原点は石火の氣。石火の氣とは忍びの持つ術。現代では映画の中とか漫画でしか見ることのない忍び(忍者)が昔は本当にいたのだ。


    忍びは武術家ではないし、当然格闘家でもない。忍びとは暗殺者なのだ。国のために殺人をするのが忍び。影の軍隊みたいな存在が忍びなのだ。忍びは戦いをしない。そんな甘いことは任務に入ってないのだ。ただ目的を遂げる。その目的とは殺人なのだ。だから、忍びは基本暗殺する。暗殺とは闇夜に紛れ行うのだ。太陽の下でやるよりも闇夜に紛れたほうが、相手から気付かれる可能性が低い。だから暗殺は闇夜に紛れて行う。暗殺とは闇夜で行うから“暗殺”という言葉なのだ。


    闇夜に紛れて相手を襲う、それでも気付かれる時もある。そうなると勝負はしないのだ。相手から逃げる。忍びの目的は戦うことではなく暗殺なのだ。ただ逃げたとしても追いかけられて後ろから斬られる可能性がある。そこで使うのが石火の氣なのだ。闇夜で刀を使うと、刃同士が激しく当たることで、お互いの刃から火花が散る。闇夜の火花は一瞬、ホンの一瞬相手の目を奪う。その一瞬の隙を逃さずに忍びは逃げる。相手を斬るのではなく相手から逃げるのだ。相手から逃げて安全な場所に身を置き、再び暗殺の時期を狙い実行して目的を遂げる。


    忍びとは実にやっかいな相手だった。武士の相手は武士だけではない、忍びも戦うべき相手だった。武士は忍びにだいぶ痛い目にあったのだろう。忍びの術を研究し、それを白昼に使えるように応用したものが石火の間なのだ。火打石を叩けば火花が散る。その一瞬に事を成し遂げるその工夫が石火の間。ただ刀を合わせ、刃から火花を散らしても相手から逃げることは難しい。


    火花を散らす前に勝負は始まっている。絶妙な間と身体使いで事を成し遂げる。火花に目が奪われるのはホンの一瞬でしかない。その一瞬が過ぎてから事を成そうと思っても届かないのだ。一瞬の前後に最大の工夫を凝らす。ここに石火の間の秘伝がある。


     
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    最終更新日:2015-06-24 12:10
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