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【ブログ】支援メンバー募集要項 / 死刑に直面する人たちとの交流プロジェクトについて
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【ブログ】支援メンバー募集要項 / 死刑に直面する人たちとの交流プロジェクトについて

2014-09-20 13:00
    「支援メンバー募集要項」  2014年5月20日

     ブログを始めてから、サポートスタッフになりたいという申し出が増えました。

     私はまだ、そういう人を支援チームに加えたことがありません。

     4月の不正アクセスによる書き込み被害を受けて、選考基準を明確にすべきだと思うようになりました。私の直感で選んだ人から広がっていったチームなので、改めて言葉にするのは案外難しいものです。

     私はメンバーと個別に手紙や面会で交流を深め、その人の得意分野を活かし、他の人に弱みを補ってもらうよう複数の人たちでサポート体制を組み立てている。
     それぞれの得手不得手を分析し、仕事や私生活の予定を聞き、スケジュールを立てるのも私の役目。面会スケジュールの打ち合わせは、主に電報でやりとりしてます。

     現在私の支援チームは30代から60代の男性のみで構成されています。彼らは多様な価値観を持っており、利害調整は結構大変です。彼らは私への関心と理解と共感を持ち、私を支えるという1点の理念でつながっています。
     チームのパフォーマンスを上げるために、女性メンバーもほしいのですが今のところ残念ながら適格者が見当たりません。

     有名事件の被告人や確定者には支援会があり、一人でも多くの方に入ってほしいと求めているようですが、私は自分が直接交流できる範囲の人たちで構成することにこだわっています。
     ですから必然的に、拘置所での面会が可能な平日の日中に小菅まで来訪できることが条件になります。 少数精鋭なので一人にかかる負担は、他の支援会に比べると大きいでしょう。

     約束を守れる人、責任感のある人、私の表現活動に賛同し力添えしてくださる人であれば、年齢や性別は問いません。 誰でも歓迎するわけではありませんが、条件を満たし、私と相性が良ければ、いつでも受け入れます。

     私は、裁判員裁判と死刑制度を含む日本の刑事司法の在り方と拘置所の処遇、そして理想的な支援について塀の中から世間の人たちに向けて発信したいと思っております。
     高飛車なようですが、チーム内の秘密保持と結束の堅さを第一に考えていますので、支援者を選抜することについてはご了承ください。Eメールでの申し出には応じません。

     正式なメンバーと認められるまでには、いくつかの関門があります。

     必要なのは、想像力と熱意とコミュニケーション能力です。

     現メンバーがそれらをすべて兼ね備えているかって?

     そうじゃないから私は困っているんですッ!

     けれど「運は一瞬、ご縁は一生」って聞きますからね。コミュ障気味の彼らとのんびりやってます。

     こうして私が愚痴を書いても、誰ひとり、俺のことじゃないと思っているのだろうとわかってしまうのが悲しいところですが、読者の皆様とも、ご縁を大切にさせて頂けますと喜びます。(島根風) 


    「死刑に直面する人たちとの交流プロジェクトについて」  2014年5月23日

     死刑廃止国際条約の批准を求める「FORUM90」の会報誌VOL.135が12日に拘置所に届き、閲覧に支障があると認められた部分について抹消又は削除することの同意を求められ、了承したものが23日に交付された。

     何の記事が抹消されたのか気になってページを繰ると、それはこのところ黒塗り続きの画像と同じものらしいとわかった。

     その画像が初めて抹消されたのは、1年前から講談社のサラリーマン向け週刊誌の「死ぬまでセックス」に競うごとく「死ぬほどSEX」と特集合戦している小学館の雑誌の3月14日号に掲載された記事だった。

     セックス描写じゃありませんよ。

     人権団体の会報誌にも載っているんですから。

     それは、大阪弁護士会のプロジェクトチームが1月に製作した24分59秒のDVD。
     法律監修・永田憲史、法医学監修・ヴァルテル・ラブル。

     このDVDは大手マスコミの司法担当者や弁護士を対象に1度上映されたのだが、一般市民が自由に閲覧できる状態にはなっていなかった。
     ところが、フォーラム90主催で5月24日、文京区民センターにて初公開されるという告知が載っていた。その内容が黒塗りされての交付となった。
     このDVD画像は、どの資料でも抹消されるので検閲の要注意リストに入っていると思われます。

     さて本題に入りましょう。

     「死刑に直面する人たちとの交流を考えている皆さんへ。
      面会・文通を希望されている方(未決囚)を紹介します」
     という記事が気になっている。

     3月に福島みずほ参議院議員が、死刑判決が確定していない人たち20数名(1、2審で死刑判決を受け上訴中の方、2審で無期に減刑となりながら、なお検察により死刑を求め上告されている人を含む)にアンケートを取ったという。

     あっ!私にも届いた記憶がある。

     この極めて少ない母数に自分が入っているとは感慨深いが、国会議員宛のアンケートも一般の発信枠に入るので私は送る余裕がなかった。
     このアンケートで「被収容者の皆さんとの面会や文通などのボランティア活動を志す方々との交流について希望しますか」という問いに「希望します」と答えた人が何人もいたという。

     そこで「こうした交流の活動に参加を希望される方はいませんか。未決囚の方をご紹介したいと思います」と、面会や文通相手の募集をしているわけです。

     「相手の方々は、まさに命のかかった裁判中なわけですから、事件についての立ち入った質問や、交流の内容をマスコミやブログなどに流すようなことは控えるなど、良識の範囲内で責任を負っていただかねばなりません」とあり、これは難しいよなぁと思った。

     死刑判決を下される裁判は、メディアで報道され、ネットでも話題になった事件ばかりである。その当事者の被告人との交流を内緒でするって結構な覚悟がいりますよ。

     家族や友人、支援者に恵まれている被告人はボランティアとの交流は希望しないだろうから、要するに孤独で暇な人が付き合ってくれる相手を求めているわけでしょう。

     私が懸念するのは、刺激のない寂しい日々を送っている被告人が、外部との交流によって傷つくことも増えるのではないかということ。勾留されている人間は、外部の人との接触や情報やモノに一喜一憂するものです。

     外部から入ってくるものが増えるほど、心を揺さぶられるのです。

     喜びや嬉しさにつながるものなら良いですが、困惑や不安、辛さや悲しみで心が乱されることもあります。

     そうした心理をわかった上で責任を持って関われる人がどれだけいるだろう。

     立ち入った質問ができない制約の中で交わす会話は虚しくないのだろうか。

     友情でも契約でもない関係で、どこまで深く長く付き合えるのだろう。

     その交流は楽しく実りあるものになるのだろうか。

     個人的に関心や好意のある人としか交流していない私でさえ、面倒なことがたびたび起こる。返信や面会の頻度だったり、些細な行き違いだったり……相手が好意を持ってくれている支援者だから私は甘えてしまうけれど、これがボランティア相手なら遠慮して言えないことも多いだろうなと思う。
     レンタルフレンドのような刹那的なものじゃなく、ぬくもりのある間柄になれたら、きっと被告人は生きる勇気が湧くでしょうし、ボランティアの人が被告人から学ぶこと、気付かされることも多いはず。死刑問題を考える契機にもなるでしょう。

     文通相手の方は、是非手紙に記念切手を同封してあげてほしい。美しい切手の効用は絶大です。東京拘置所に限って言えば、差入屋で扱っている便箋は自弁購入品より質が高いので封筒と一緒に差し入れてあげると喜ばれます。書き心地が全然違うから。ペンの滑りが良いので、手が疲れにくい。見た目も手触りも高級感があって気分が上がります。

     手紙に励まされることは事実ですが、可能であれば是非にも拘置所まで足を運んであげてほしい。
     面会より元気を与えられるものはありません。直接会わないとわからないことがきっとあるはず。拘置所の雰囲気、職員の活動、被告人の顔色、服装、話し方、佇まい。会わなければ決して感じることのできないものが得られます。
     被告人にとっても長文の手紙より、たった15分の面会で幸福な世界へさらってゆかれることがあるものです。手紙のフォローがあってのことですが、向かい合って話す時間はとても大切。

     拘置所まで来たなら、あなたが寄るべきは差入屋。相手が喜びそうなものを見繕ってあげましょう。2人の距離がぐっと縮まります。あなたのセンスや想いも伝わります。

     今日、季節限定の果物「甘夏みかん」の最終交付日だった。来週からはオレンジになるらしい。季節感のある差し入れは記憶に残ります。

     年下の彼に、「今の季節は甘夏なんだよ~」って伝えたら、郵便局のふるさと小包のパンフレットが1枚送られてきました。

     香川県産甘夏みかん、贈答用10 kg、7900円。

     意図がわかりません。

     そして彼は面会に来て、私から「まさかゆうパックのギフトで甘夏の差し入れができるなんて思ってないわよね?あのパンフレットはどういうつもりなの?」と詰問され、それに気が動転したのか売店で甘夏を買い忘れて帰った。そのことを私からこてんぱんにとっちめられ、お気の毒でした。

    「私が今年甘夏を手に入れるチャンスは23日が最後だったのよッ。外で自由にお買い物できる人にはこの切なさがわからないのねッ。甘夏の差し入れを忘れるなんてひどいわッ」

     と散々文句を言ったわけです。

     まぁ、このくらい気心の知れた関係になるのが理想では、と書いたところで、彼と全然気心が通じ合っていないことに気付いてしまいました。 これほど、塀の中と外にいる人とのコミュニケーションは難しいのです!
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