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【No.23】事故多発を理由に海洋放出を主張する規制委・田中委員長発言の奇妙さ
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【No.23】事故多発を理由に海洋放出を主張する規制委・田中委員長発言の奇妙さ

2015-01-23 10:34
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    木野龍逸の「ニッポン・リークス」
                       2015/01/23(No.023)
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    [目次]
    1.東電福島第一原発事故トピック
    事故多発を理由に海洋放出を推奨する規制委の田中委員長──事故原因の決めつけは再発防止にならない
    2.気になる原発事故ニュース
    3.編集後記
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    1.東電福島第一原発事故トピック

    事故多発を理由に海洋放出を推奨する規制委の田中委員長──事故原因の決めつけは再発防止にならない

    <死亡事故が続いた東電原発>
     東電福島第一原子力発電所で1月19日、元請け企業の作業員が雨水受けタンク上部のマンホールのフタを開けようとして約10mほど落下し、死亡する事故が発生した。2014年3月28日に廃棄物貯蔵建屋で土砂の下敷きになって協力企業作業員が亡くなったのに続いて、14年度で2度目の死亡事故だった。高所作業で必須の安全帯を使用していなかった可能性は高かった。
     死亡事故を受けて福島第一原発の小野明所長は、基本動作の徹底、作業手順の順守、作業員ひとりひとりが気を引き締める、という3点を指示した。
     ところが事故はまだ続いた。
     翌20日、福島第二原発で死亡事故が発生したほか、柏崎刈羽原発でも作業員が救急車で搬送される事故が起こったのだ。
     このため東電は20日午後3時に臨時会見を実施。東京本店、福島のJヴィレッジ、柏崎刈羽原発をテレビ会議で結んで状況説明をした。
     この中で姉川尚史・原子力立地本部長(常務)は、「我々の中に事故を防げない何かがあると認識している。大小のトラブルが起こるたびにいろんな改善策はしているが、まだ足りないとこがあると思い知らされた」と述べ、再発防止に万全の対策を取りたいとした。また小野明・福島第一原発所長は、翌21日から福島第一原発のすべての作業を中断して、安全の総点検をすることを発表した。
     さらに廣瀬直己社長は、同日夕方に経産省を訪れ、高木陽介経産副大臣に事故について説明をした。その後に囲み取材に応じた廣瀬社長は、記者から、現場には工程を守れというプレッシャーがある、それが事故につながっているのではないかという記者からの指摘に対して、「安全が確保されない状態での作業はありえない。工程か安全かといえば、安全優先に決まっている」と反論し、「予めスケジュールを組むということは今は避けたい」と述べた。しかし事故が続く原因については、「まずは原因を洗い出してしっかりやっていく」と述べるに留まった。

    東電・廣瀬社長「安全優先に決まっている」──経産省での会見録画 
    https://www.youtube.com/watch?v=YzTIWwAzV_0&spfreload=10

    <海洋放出しないから事故が起きた?>
     ところで、驚いたのは21日の原子力規制委員会での、田中俊一委員長の言葉だった。
     田中委員長は福島第一原発の事故について、規制委員会で次のような発言をした。
    「やっぱり排出の許容濃度以下になった水を捨てないから、どんどんタンクを増設する中で起こっているわけです」 
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