「子供たちは公園の砂場で社会性を身につけるんです」

 たまたま聴いていたラジオに出演していた保育士の方が、そんな話をされていた。限られたスペースを譲り合ったり、協力して砂山を作ったりする中で、社会の中で誰かとともに生きることを学んでいくんだそうだ。そういえば何年か前に『人生で必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ』というタイトルのエッセイが売れてもいた。分け合うこと、ずるをしないこと、人のものに手を出さないこと、誰かを傷つけたらごめんなさいということ等々、人が人として社会で生きる上で当たり前の、そして大切なことを人は幼稚園の砂場で学んでいくというような話だったと記憶している。 

 おそらく物心つく前のことなので記憶こそないけれど、団地の公園にもあったし、幼稚園にもあっただろうから、僕自身もそうやって砂場で遊びながら大事なことを学んだのかもしれないな、と独り言ちながら窓の外を見て、あることに