去年の夏、僕の菜園で大輪の花を咲かせ、種採りしたひまわりの種を今年、渋谷区に植えて頂けることになった。

  最初のひと粒は14年前、2002年に『福山エンヂニヤリング』というテレビ番組で作付けしたひまわり畑で花を咲かせた。その花々を追熟させて採った種は「未来は自分たちの手で作り出していく」という願いを込めて『未来の種』と名づけられ、1000人にプレゼントされた。最初の1000人が植えた『未来の種』は次の夏に花を咲かせ、次世代の種を生んだ。その種がまた別の誰かの手に渡り、別の土地で花を咲かせた。その繰り返しで繋がれて来た命は、今年15年目の夏を迎える。これまで何千人という方が全国でこの種を蒔き、夏空の下で大輪の花を見上げて来たことに想いを馳せると、手にしたひと粒が如何に尊い命であるかを改めて感じさせられる。

 その一方で、種を採り、命を繋ぐ行為が危機に晒されている。ひとつは高度経済成長期に