彼岸花が咲き誇っている。

 畦に。小径に。そして、海辺に、薄緑色の茎の先に凄味ある真紅を放射状に咲き散らしている。

 今となっては夏の終わりと秋の始まりを告げる季節の花だが、もともと日本に自生していたものじゃない。遙か遠いユーラシア大陸から持ち込まれ、土に穴を掘るモグラやネズミなどの小動物を避ける為に植えられたと言われている。