きつねそばが好物だ。手打ちでなくていい。むしろ立ち食いそば屋のきつねそばがいい。ねぎをたっぷり入れて(行きつけの某立ち食い店では黙っていてもそうしてくれる)、魔法瓶のそば湯で出汁を薄めて、食べる。太めの麺の富士そば。葱が入れ放題でゆず入りの七味が置いてある小諸そば。ざるが食べたいときは渋谷駅のしぶそば。若い頃はちくわ天かいか天だったけれど、四十代以降はすっかりきつね一択だ。東京で仕事をしているときのひとり飯はいつもきつねそばだった。リモートワークで三浦半島から出ていないここ数ヶ月で唯一残念なのが、立ち食いそばに行けないことだ。駅のない葉山と横須賀の西海岸周辺には立ち食いそば屋が一軒もない。なので自宅での昼食には乾麺を茹で、作り置きの甘く炊いた油揚げを載せ、立って食べている。
草の根広告社
「うさぎうどん」
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