海沿いの国道を、からっぽのバスがゆく。
 ここに来るまで誰が乗っていたんだろう。ここから先に誰か乗るのだろうか。もしかすると誰も乗っていなかったのかもしれないし、誰も乗らないのかもしれない。ここ数ヶ月、目の前を通り過ぎるバスはいつもそのくらいからっぽだ。