梅雨明けと同時に連日の猛暑だ。去年までと同じようで、違う夏だ。雲の白さも海の青さも去年までと同じはずなのに違って見えるのはそれを見つめているぼく自身の心が去年までとは違ってしまったからなのだろう。普段はその変化から目を背けるように生きているのだろう。家族三人で顔を付き合わせて食卓を囲んでいるときなんかは特に。そこには以前と変わらない日常があると信じていたかったのかもしれない。無意識のうちに。テレビではなく、ラジオばかり聴いているのと同じように。