台風の接近で海辺の駐車場が閉鎖された。波打ち際を走り回っていた子どもたちも家の中に消えた。厚い雲が早送りみたいに流れていく。刻々とうねりが大きくなっていく海は千載一遇の波を掴まえようとしているサーファーだけになっていった。

 週末、ぼくは潮位の上がっていく海を見ながらベランダで木工ドリルで杉材に穴を開けていた。