始発のバスで海辺の町を出る。午前5時48分。まだ夜が明け切っていない。火を入れたばかりの車内では多くの人が眠り始めている。年に数日こういう朝がある。昨日も帰りは遅かった。家族の顔を見て、短い睡眠を取っただけだ。10年前なら事務所で仮眠して翌朝を迎えていたと思うが、さすがに50歳を越えるとそうはいかない。待っている人たちがいる。帰る場所がある。そのことを強く実感する。

「10年前も、10年先も」
この記事の続きを読む
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。