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マクガイヤーチャンネル 第333号 2021/8/18
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おはようございます。マクガイヤーです。

皆さま、夏休みはきっちりとれましたでしょうか?

自分はというと、今年はどこにも旅行に行けないので、飛び石のように有休申請して家でビール飲みながら映画観たりしております。



マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



〇8月22日(日)19時~「『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』とジェームズ・ガンとトロマ魂」

8月13日より映画『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』が公開されます。DCEUの第10作目ですが、2016年『スーサイド・スクワッド』の続編では無いそうです。しかし、出演する俳優は一部共通しています。このコンティニュイティの適当さが、いかにもアメコミ、いかにもスーサイド・スクワッドという感じです。


監督を務めるのは映画『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』で名を挙げたジェームズ・ガンですが、彼が本作の監督を務めることになった経緯については皆さんご存じのことと思います。色々あったわけですが、結果的にジョス・ウェドンに続いてMCUとDCEU両方で重要な作品を監督することになりました。

ジェームズ・ガンがここまで活躍する理由として、映画人としての修業時代を過ごしたトロマ・エンターテイメントのスピリッツが大きいのではないかと自分は考えます。

そこで、スーサイド・スクワッドとジェームズ・ガンについて解説するニコ生をお行います。


ゲストとしてお友達のナオトさん(https://twitter.com/Triumph_march)をお迎えしてお送り致します。



9月6日(月)19時~「最近のマクガイヤー 2021年9月号」

内容未定

いつも通り、最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



〇9月20日(月)19時~「『不滅のあなたへ』と天才漫画家 大今良時」

4/12より放送されていたアニメ版『不滅のあなたへ』が最終回を迎えます。原作を丁寧にアニメ化しており、おそらく第二期もありそうな感じです。


原作漫画である『不滅のあなたへ』は2016年から連載が始まり、現在も連載中です。単行本はもうすぐ16巻を数えます。フシと呼ばれる不死身の肉体と物体の性質を写し取る能力を持つ主人公を中心として、様々な時代や舞台を描きつつ、現在は第二部として「現世編」と呼ばれる、我々の現在に近い世界を舞台としています。もしかすると第三部として「未来編」が用意され、『火の鳥』にアンサーを捧げるような壮大な作品になるのかもしれません。

『聲の形』で名を揚げた大今良時が「本当にやりたかったファンタジー作品」が本作なのだとしたら、やはり大今良時は漫画家として天才なのだと思います。

そこで、『不滅のあなたへ』を解説しつつ、漫画家 大今良時の魅力を解説するような放送を行います。


ゲストとして声優の那瀬ひとみさん(https://twitter.com/nase1204)をお迎えしてお送り致します。



〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

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また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

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合わせてお楽しみ下さい。





さて、本日のブロマガですが、前回の続きとして、キャプテン・ジャパンの妄想話について書かせて下さい。




●シークレット・エンパイア その2

日本を支配する<影の権力>――まるで陰謀論者が口にする言葉です。

しかし、秘密結社「ジャパン会議」を隠れ蓑とする「ヒドロゾア」も、その「ヒドロゾア」が作り上げた偽キャプテン・ジャパン――彼らはむしろコウイチの方を偽物と考えている――も目の前に存在し、いまこの瞬間、自分に暴力を向けてきているのです。<影の権力>が存在していてもおかしくありません。

<影の権力>、それはいったいどんなものなのでしょうか。


「フフフフフ、なに、特に隠しているわけでもないことだよ。

いまの首相を含む内閣の半分がジャパン会議のメンバーだ。それだけではない。経団連にも、電通にも、財務省や外務省にも、ボクらが送り込んだエージェントが重要なポストを占めている。人事権を握ったり、中抜き仕事に依存させることで、彼らをコントロールしているんだよ」


首相が「ジャパン会議」と懇意にしているのは、時に1000や2000の票が当選と落選の分かれ目になる比例選挙で勝ち残るためだとコウイチは考えていたのですが、まさかそんな理由があったとは。


「大事なのは、雰囲気としての政治とメディア不信、そして「祭り」なんだよ。

会見では真剣に答えず、新しい政策は敢えて行わない。メディアに突っ込んだ質問を行わせず、政権への批判や反抗――国民の政治参加を無駄なこととする雰囲気を醸成させる。これにより、低い投票率を維持すれば、我々のような政治結社が影響力を維持できるのだよ」


「キミのような真の意味での近代的自我の持ち主にとっては、馬鹿げた手法に思えるかもしれないが、「祭り」による日本の呪術的支配が、これを可能としたんだよ。

数年に一回、天災からの復興や、隣国や「抵抗勢力」との対立構造、そしてオリンピックや博覧会……そのような歴史的・国際的な「祭り」を開催することで、国民の意識を政治以外の事柄に集中させる。観客に徹する「サーカス」ではなく、自らも踊り狂わざるを得ない雰囲気を持った「祭り」であることが重要だ。国際的な「祭り」であれば、メディアも自ずからこれに参加してくれる。多くの国民は自らの財産や命が毀損されていることに最後の最後まで気づかない。同時に、意思決定のプロセスをあいまいにして、誰も責任を取らないシステムを構築する。

雰囲気として日本を支配する――呪術的支配の完成だ。<影の権力>による<影の帝国>の完成だ。日本人は民族的記憶として、このような呪術的支配に抗えないのだよ」


「なぜこんな話をするのか――という顔をしているね。

偽物のキャプテン・ジャパンとはいえ、キミは古代日本人の血を、やんごとなき血をひいている。血統として、明治天皇の玄孫である自分と近しい存在だ。

我々の呪術的支配を手伝う義務が、正義の戦争に参加する責任があると思わないかな?」


危険だ。コウイチは本能的にそう思いました。

この21世紀に、血族とか血統とか、正義の戦争とか言い出す人間に、碌な奴はいない。少なくとも、コウイチが学んだ歴史の図書館では、そのような口車に乗ってひどい目に遭った人間のリストでいっぱいでした。

この元皇室青年をここで始末できない以上、潜入・調査ミッションはここで終了とせざるをえません。コウイチは窓ガラスを破り、建物から飛び降り、逃亡するのでした。


「コウイチ、もはやキミに逃げ延びられる場所なんてないんだよ」



●マン・ウィズアウト・ア・カントリー その1

千代田と新宿の間、市ヶ谷駐屯地の近くの雑居ビルの地下に、ブラックリザードが待つ「盾の会」の本部がありました。

本部に戻る道すがら、コウイチはキャプテン・ジャパンになった日のことを思い出していました。