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【第357号】ピクサー私小説映画とredemption:『バズ・ライトイヤー』
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【第357号】ピクサー私小説映画とredemption:『バズ・ライトイヤー』

2022-07-06 07:00
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    マクガイヤーチャンネル 第357号 2022/7/6
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    おはようございます。マクガイヤーです。

    ちょっと涼しくなって過ごしやすくなりました。

    9月までずっとこんな感じであって欲しいですね。



    マクガイヤーチャンネルの今後の放送予定は以下のようになっております。



    〇7月11日(月)19時~「元祖中二病コンテンツとしての『BASTARD!! 暗黒の破壊神』」

    6月30日よりアニメ『BASTARD!! 暗黒の破壊神』がNetflixにて全世界配信されます。1988年より週刊少年ジャンプにて連載された同名漫画の、初のシリーズアニメ化です。2クール、全24話を予定しているそうです(https://bastard-anime.com/onair/)。まさか21世紀にあんなにエロくてあんなにいきあたりばったりな『BASTARD!!』がアニメ化されるなんて……90年代の自分に伝えたら絶対に信じてくれないのではないでしょうか。


    そこで、『BASTARD!!』について解説しつつ魅力を紹介するような放送を行います。


    ゲストとして自分よりも『BASTARD!!』に詳しい舞台女優の桜木ゆいさん(https://twitter.com/sakuramauyoru)をお迎えしてお送り致します。



    〇7月24日(日)19時~「最近のマクガイヤー 2022年7月号」

    詳細未定

    いつも通り最近面白かった映画や漫画について、まったりとひとり喋りでお送りします。



    〇藤子不二雄Ⓐ、藤子・F・不二雄の作品評論・解説本の通販をしています

    当ブロマガの連載をまとめた藤子不二雄Ⓐ作品評論・解説本『本当はFより面白い藤子不二雄Ⓐの話~~童貞と変身と文学青年~~』の通販をしております。

    https://macgyer.base.shop/items/19751109


    また、売り切れになっていた『大長編ドラえもん』解説本『大長編ドラえもん徹底解説〜科学と冒険小説と創世記からよむ藤子・F・不二雄〜』ですが、この度電子書籍としてpdfファイルを販売することになりました。

    https://macgyer.base.shop/items/25929849


    合わせてお楽しみ下さい。





    さて、本日のブロマガですが、この前観た『バズ・ライトイヤー』について書かせて下さい。



    ●ハリウッド映画と”redemption”

    映画『バズ・ライトイヤー』を観たのですが、かなり面白かったのですよ。

    『トイ・ストーリー』シリーズのスピンオフ作品……というか、『トイ・ストーリー』のアンディがバズのアクションフィギュアを買うきっかけになったという体の映画――という話だけ聞くと、なんだかいかにも企画モノの映画に思えてまったく期待していなかったので、本当に意外でした。


    冒頭、007映画のようなつかみのアクションがあるのですが、そこで主人公であるバズはある「失敗」をやらかしてしまいます。ジェームズ・ボンドのように華麗な着地や脱出をきめられず、バズを含む仲間たち数百人は、故郷から遠く離れた異星に閉じ込められてしまうのです。


    ハリウッド映画には、伝統的に”redemption”をテーマにした作品が数多くあります。ユダヤ教やキリスト教では宗教的な「罪」からの救済を指す宗教用語としての「贖い」があり、イスラエルの民を奴隷状態から解放したり、イエス・キリストの死によって人間の罪が赦されたりすることを指します。このテーマを映画的に表現するために、過去に罪を犯した主人公がそれを「贖う」ために自らの財産や家族を犠牲にしたり、街の住民のために保安官が命を犠牲にしたり、自分の「失敗」で家族を失ったガンマンが死地に赴く映画が数多く作られました。、特に西部劇に顕著で、これを反映した結果、ゲーム『レッド・デッド・リデンプション』のタイトルに”redemption”が冠されたりもしました。


    映画『バズ・ライトイヤー』も、そういう話かと思ったのですよ。

    「失敗」をやらかしたバズが、その贖罪を果たすために、何かを成し遂げたり犠牲にする映画なのだなあ、と。特に、異星から脱出できないバズ達一行が、その星を「開拓」し、「町」をつくり、つかみのアクションではバズの相棒であったイジーが保安官のようなリーダーになって「町」を納めるようになるに至っては、宇宙船や異星が出てくるSFであるにもかかわらずハリウッド映画の伝統的テーマを内包しているのだな、と思いました。また、これはアメリカが挑んできた過去と現在の「フロンティア」の象徴としてカウボーイと宇宙飛行士(の玩具)がバディとして活躍する『トイ・ストーリー』のテーマを引き継いだものでもあります。

    しかし、そういう映画ではなかったのですよ。



    以下、ネタバレを含みますので、なんの情報も入れずに映画を観たいという方はご注意下さい、

     
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