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マクガイヤーチャンネル 第11号 2015/4/20
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(前回の続きになります)

小さい頃は自分の膝の上で眠っていた我が家の猫たちですが、だんだんと姿をみせなくなりました。

それまで眠そうな目をしていたくせに、自分が近づくと、カッと目を見開きます。撫でようとすると自分の掌が触れる部分だけ身体をへこませます。自分は、イルカウォッチングでイルカに触れようとしたら水流で圧を感じたイルカがその部分だけ身体をへこませたのを見たことがあるのですが、まさか猫も同じことができるとは思いもしませんでした。さすが哺乳類です。

更に、こたつに脚を入れると、塹壕に手榴弾を投げ入れられたドイツ兵のごとく、ダッシュで脱出します。遂には、それまで嫁や子供たちと楽しく遊んでいたくせに、自分が部屋に入っただけで蟻の子を散らすかのように逃げるようになったのです。

オスだから男の人間を避けるのかと思いきや、息子は大丈夫なのです。胸の上に猫を乗せ、毎日同衾している息子をみるにつけ、自分はイカ臭い息子よりも猫好感度が低いのかと更にショックでした。


よく、子は親の鏡などといいますが、ペットこそ飼い主の鏡だと思うわけですよ。責任感の無い飼い主の下で育った犬は無駄吠えし、噛み癖がつきます。だらしない飼い主の下で育った猫は肥満や腎臓病になり、早死にします。

一度、ゴールデン・レトリバーを室内飼いしている嫁の友達夫婦の家に遊びに行ったことがあります。そのレトリバーはいかにもストレスが溜まっている感じで、マンションの部屋内に設えられた大型ケージ内で無駄吠えしていたのですが、自分はその夫婦のことを「さぞかし散歩してないんだろうなあ」「やはりペットは飼い主の鏡だなあ」などと、心の中で見下しまくっていました。

しかし、なんのことはない。「ペットは飼い主の鏡」は自分にもあてはまるわけです。嫁や子供に嫌われ、避けられている自分が、飼い猫にも避けられるようになるのは自明の理だったのです。


こういう話をすると、「なにか酷いことしたんでしょう?」などと言われるのですが、まったく身に覚えがありません。料理や食事の最中につまみ食いしようとする猫たちを追い払ったことはあるのですが、嫁や子供たちも同じように追い払っていました。放送で披露した、猫の尻尾の根元を荒々しく揉みしだく秘技「猫性感帯マッサージ」も、やられている間は決して逃げなかったので、嫌がってなかったはずです。

多分、身体が比較的大きくて、男であるというのがマズいのでしょう。オス猫ではなくメス猫であったなら、また違ったのかもしれません。