文藝春秋3月号:安倍政権大論争4安全保障・国防軍は中国に勝てるか 森本敏×孫崎享中、私の発言一部を下記に紹介します。
国防軍創設の試みには二つの大きな疑念を感じざるをえない。安倍首相の狙いは、国防軍に格上げすることで、北朝鮮からの弾道ミサイルを防衛し、尖閣諸島をはじめとする中国の軍事的脅威に対抗できるという幻想を国民に抱かせることにあるのでないかと思うのです。でも現実はそんなに甘くない。全ての弾道ミサイルから日本の全領土を守ることはできませんし、軍事力を増強し続ける中国に日本が対抗し続けることは難しいと考えます。
 第二次大戦後、日本が独自の安全保障体制を構築しようとしたことはほとんどありません。米国が東アジアの情勢を分析し、基本的なプランを考え、その計画に沿った方針が日本の安全保障政策の中心になるという流れが定着しています。安倍政権が唱える政策についても、日本の安全保障に対する寄与は副