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北朝鮮の核・ミサイル体制にどう対応するか。制裁で開発阻止は機能しない。先制攻撃はますます多大の犠牲を韓国・日本に。米・北朝鮮対話を軸に発射阻止の軍事管理を行わざるをえない時期に入った。
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北朝鮮の核・ミサイル体制にどう対応するか。制裁で開発阻止は機能しない。先制攻撃はますます多大の犠牲を韓国・日本に。米・北朝鮮対話を軸に発射阻止の軍事管理を行わざるをえない時期に入った。

2017-11-30 09:03
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・北朝鮮は29日午前3時ミサイルを発射した。最高高度4500キロ、飛行距離960キロ、角度を上げて飛行距離を縮めるロフテッド軌道を取った。これらで、米国本土全域を射程に収める能力を持つことが示された。

・これらのことは何を示すか。

 国際社会の制裁によって開発を止める手段が機能しないことを示している。

・北朝鮮がミサイル開発、核開発を飛躍的に増大した背景には、歴史的に検証されるべき事実であるが旧ソ連の軍事技師の貢献があるとみている。

 ソ連が崩壊し、ロシアが米国と覇を争わなくなった時期、旧ソ連のミサイル、核兵器の技術者は大量に失業に追い込まれた。

 私は、1999年から2002年駐イラン大使であった時、旧ソ連のウクライナから大量に軍事技術者が送られている事実を知っている。ここからして、イランより核兵器、ミサイル開発に熱心な北朝鮮が旧ソ連軍事技術者から、技術導入を計っ

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北朝鮮だけでなく、トランプ大統領は、8日、対ロ制裁強化法に署名した。制裁対象をロシアの石油、天然ガス輸出パイプライン(NSZ)建設を目的とする投資や技術を支える外国人、企業に広げた。

中国には、制裁強化を強く求めており、中国は米国の意向に沿うような行動をとり始めている。米国の制裁方針は、対象国の経済をかなり圧迫するものであり、制裁処置の意味は大きい。対話と並行して進めるべきものであるが、対話が進まないことが大きな問題である。対話が進まない場合、北朝鮮の核開発も進むわけであるが、韓国、日本の軍事力強化も進み米国の軍需産業を潤すことになる。

北朝鮮国民の窮乏生活は、かなり極限状態にあり、核開発、軍需拡大費が膨大になり、反比例していく状況は尋常ではない。韓国、日本、中国にとって、暴発が一番怖い。核保持の問題であり、日本と韓国には解決の手段がなく、米国と中国の核管理協力関係が前向きに進むことを願うしかない。

No.1 84ヶ月前

> 韓国・日本への被害があまりに巨大になるのでこれは出来にくい。

これは結果的に米国への実害も大きいとの見積りでしょうか。そうでなければ日本への被害など何とも思っていない気がします。スノーデン氏がバラした通り日本の基幹インフラを破壊できるよう仕組んであるくらいです。
「発射阻止の軍事管理を行わざるをえない時期に入った」のも ご紹介の米国自前の管理原則を自ら反故にするかのような動きを見せるからでしょう。
従米無脳外交しかできない日本。一般国民は最悪「座して死を待つ」くらいしかできないのでないか。

No.3 84ヶ月前

>>3
その通りです。
日本への被害などなんとも思っていません。

この点、元外交官ともあろう孫崎さんはちょっとおめでたい。
韓国が大被害を受けることをどれだけの日本人が心配している
かちょっと考えればわかることです。

外交というものは自国にとって(どれだけ)得か損かだけです。

No.4 84ヶ月前

孫崎さんはたびたびキッシンジャーの理論を引き合いに出しますが、その全貌がどういうものなのか、孫崎さんの引用だけではよくわかりませんでした。それを知るには、原典やその訳などにあたればいいのでしょうが、その余裕もないので、なにかないかとネットをみていたところ、古いもののようですが、詳しく解説した論文があったので、ここに引用しておきます。pdf形式になっています。

https://www.jstage.jst.go.jp/article/kokusaiseiji1957/1958/5/1958_5_40/_pdf

54ページあたりに要約的な記述がありますが、それをみてわかるのは、

1、キッシンジャーの戦略は、全面戦争(*1)への拡大をふせぎつつ核兵器をもちいた限定戦争(*2)をおこなうにはどうしたらいいかを、当時のソ連を想定しつつ、考察しているのであり、核兵器の不使用の戦略ではなく、先制不使用の戦略ですらないこと。
2、孫崎さんの引用している「どんな紛争においても国家の生存という問題がそれに巻込まれないような枠を作ることが、アメリカ外交の仕事である。」につづいて、「しかし同様に、中間目的(*3)を達成しようとする決意、いかなるソ連の軍事的な動きに対してでも力で抵抗するという決意について、疑問を残
さないようにしなければならない。」とあること
がわかります。
そして、限定戦争が全面戦争にむかわないための補助線として、
3、アメリカが限定戦争政策の立場を堅持すれば、ソ連をして、全面戦争に訴えるか、限定戦争の段階に止るかの苦しいジレンマに直面させることができる。
を想定していることがわかります。

ただちに気づくことですが、これはすでに核兵器をもっているソ連という相手に対する戦略なのであり、今の北朝鮮のように、核開発放棄そのものを「国家の生存という問題」と定義している場合はキッシンジャー戦略の想定外であるということです。

キッシンジャー自身がこの論文が書かれて以後どう考えているのかは知らないし、キッシンジャー以外の理論家がキッシンジャーを改変しつつなにかの説を唱えているのかも知れませんが、私の想像では、今回のような事態は米国にとってもはじめての事態でキッシンジャー理論が通用しない事態であり、なにかもともと決まった戦略があるわけではないとおもいます。ですから孫崎さんも、キッシンジャー理論に自分の立場を応援してもらおうなどとは考えないほうがいいのではないでしょうか。

No.5 84ヶ月前

そして米国にとって、北朝鮮の核保持を許せば、現実的には、中東地域やテロリストへの核拡散がおきるだけでなく、半島内での戦争がおきて多数が難民として周辺国に拡散するばかりか、いずれは核を持った統一朝鮮が日本への恫喝を必ずはじめ、米国の東アジアでの地位の凋落が決定的になるでしょうし、象徴的には世界における米国の覇権が終わることを決定的に印象付けるでしょう。今後多数の小国が核兵器をもちはじめることになります。

クリスマス休暇で米国人が朝鮮半島から離れる時期がやってきました。

「なお北朝鮮の行動は常に米国の措置への反応の面があることに留意しておくべきだ。今回の発射は、北朝鮮をテロ国家への再認定をした時から。米国では北朝鮮が何らかの対抗措置をとるとみられていた。」と孫崎さんは書きますが、米国のテロ国家認定は、米中首脳会談後に北朝鮮に送られた習近平の特使を北朝鮮が事実上追い返したことへの反応の面があることを、たぶん孫崎さんはわざと書いてないのでしょう。




~~~りゃんによる注~~~
*1 兵器体系を全面的に使用する戦争、あるいは戦争目的が限定されていない戦争(相手に無条件降伏まで求める戦争)
*2 全面戦争に至らない戦争
*3 国家の生存という問題に至らない戦争目的

No.6 84ヶ月前
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