ヨーロッパ経済の終末、停滞、競争力の低下、トランプ。大陸は「存亡の危機」に直面。
(Europe’s economic apocalypse、Stagnation, flagging competitiveness, Donald Trump. The continent is facing "an existential challenge." Politico)
トランプ氏が数週間以内にホワイトハウスを奪還する構えで、アフリカ大陸経済の混乱が深刻化するなか、この地域の繁栄を支える基盤は亀裂を生むだけでなく、崩壊する危険。
欧州経済は、欧州圏の東方への拡大とアジアと米国からの欧州製品に対する強い需要を背景に、ここ数十年で驚くほど回復力。しかし、このサラダの時代は明らかに終わった。
来年、トランプ大統領が欧州に照準を定める中、大陸中に吹き荒れる経済の横風が完璧な嵐を引き起こす恐れがある。新たな
孫崎享のつぶやき
欧州経済の終末、停滞、競争力の低下、トランプの難題。大陸は「存亡の危機」に直面。 EUがイノベーションの砂漠になっている。欧州の首都はすでに、税収が減少する中、急増する赤字の抑制に苦戦している。その結果として、極右と左派が体制を攻撃する機会を捉えて政治を急進化させている
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コメント
コメントを書く「EUがイノベーションの砂漠になっている」という表現がある種の政治的隠蔽というか、一種のイデオロギー操作、或いは問題のすり替えに思える。もう何十年も前から、この種のイノベーションとか、改革とか、変革というワードは人々を叱咤し、競争に駆り立て、成果がでなければ、でないほど、「イノベーションが足りないからだ!改革が必要だ!変革をおそれるな!」みたいな、お決まりの文句が“外部“から天の声よろしく、宣われる。
“外部“というのは、成功者気取りの正に外国人だったり、海外出羽守だったり、いろいろだ。何度も見てきた、グローバル資本主義や新自由主義イデオロギーによるイノベーション強要。
結果は、株主資本主義の横行、リストラの猛威、不平等社会による人心の荒廃だけではなかったか?
EUが「イノベーションの砂漠」なら、EUをもはや解体したらどうか?EUは実質的にロシアと戦争しているではないか?戦争も防げず、つまり平和をもたらさず、「イノベーションの砂漠」でしかないEUなら、止めてしまうべきではないか?
EUの経済的苦境、特にEU経済を牽引したドイツの苦境の背景には、ノルドストリーム爆破(アメリカ帝国が犯人と言われている)による安価なロシア産ガスが入らなくなったことが大きな要因だろう。ロシアとの戦争が長引き、対立が深まれば深まるほど、ドイツは経済的苦境に陥る。それは、間違いなくドイツの一般庶民の苦境になるだろう。
にもかかわらず、EUはロシアと戦争を続け、庶民は経済的苦境に喘ぐ。これは、EUという国家横断的グローバリズム機構と、国民(国家)の利益の不一致だ。EUは自由民主主義とか人権とか、キレイゴトを弄するだけで、戦争を続け、煽り、移民による社会的不和を無視しながら、エリートEU官僚による寡頭政治を庶民に押し付けている。
「極右と左派のポピュリストが体制を攻撃する機会を捉えて政治を急進化」とあるが、こういうことは、先ずは、戦争を止めてから言うべきだ。この論評はPoliticoということだから、アメリカ帝国の視点で問題をすり替えているのだろうが、こういうグローバリズム目線の御託宣は、私にはもはや何も事実現実を捉える言葉の力を失っているように思える。
「政治を急進化」?違うのだ。そうではない。
庶民にとって、移民政策も戦争も、EUもメリットがないことが露になっただけだろう。その意味では、「国民国家」への揺り戻しが起こっているだけだ。問題は、EUや西洋的自由民主主義が行き詰まっていることだ。それを直視せずに、問題をすり替え、過去の国民国家や国家主権という当たり前の価値観を再認識し、その尊さに立ち返ることを、「急進主義」と危険視し、右派だのポピュリズムだのレッテル貼りすること、そのものが、グローバリズムイデオロギーの全体主義的本質を示している。