クリストファー・ヒル(1952年 - )はアメリカ合衆国の外交官。1983年から1985年の間、経済担当官として韓国勤務。2004年から2005年まで駐大韓民国大使、2005年2月14日、ヒルは北朝鮮の核開発問題をめぐる六者会合におけるアメリカ代表派遣団の団長、2007年6月21日、アメリカの高級官僚としては5年ぶりに北朝鮮を訪問。
この彼が「project syndicate」に一月三十一日「文在寅のオリンピック現実政策(
Moon Jae-in’s Olympic Realpolitik)を発表。その主要点。
・過去一年、多くの国で、平昌オリンピックに代表団を送っても大丈夫だろうかと問われてきた中で、文在寅大統領は韓国の国益に合致する行動をとってきた。彼はオリンピックを北朝鮮が妨害する危険を除去するとともに、米国大統領も自分の側に引き付けている。
・文在寅大統領は
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米国にも韓国にも北朝鮮にも軸足を置かず、冷静に、北朝鮮情勢を見つめているヒル氏の話に共感を覚えます。
米国大統領も韓国大統領も、現実主義で、商売の「give-and-take」を、政治面でも実行しているに過ぎないのでしょう。韓国と北朝鮮のオリンピック祭典を利用した融和策は、お互いの立ち位置の確認にすぎず、そこから何かが生まれるなどという淡い幻想は一切持っていないのでしょう。祭典が終われば、米韓の合同演習は再開されるとみなすべきでしょう。
希望的観測に過ぎないが、北は、核を保有しており、米国に届くかどうかは技術レベルの問題でしかない。北にとって膨大なお金を使って軍事レベルを上げる事と国民の生活を向上させることとどちらが優先するか、冷静な判断が北朝鮮内部に出てきてもおかしくない状況であり、北の政策変更は時間の問題ではなかろうか。
双方の会話は無意味でなく、オリンピック融和がその序章になってほしいのです。北の死活は軍事でなく経済であることは間違いないのですから、知恵を出してそこに活路を見出してほしい。
> 文在寅はトランプ大統領はエゴで動いていることを知っている。
元々軍産複合体ら米・支配層はエゴで動く傀儡指導者を世界の彼方此方に置いてきたが、米国自身も例外でなくなった。その米国相手に韓国国民の民意を受けた文在寅大統領の外交が先ずは機能しているとの評価だ。
もしヒル氏にアベ外交を問うても「評価対象外」と返されるだけだろう。
外務省も「安倍政権6年間で完全に崩壊してしまった」(天木直人氏メルマガ)
> 合同演習のない同盟は楽器のない楽団のようなものだ。
あくまで首根っこを押さえ付けておきたい米国から激しい圧力が掛かる。だから今こそ東アジア諸国が連帯しなければいけない時、惨状の日本。
>合同演習のない同盟は楽器のない楽団のようなものだ。
ヒルは特定的で具体的なものを、意識的にか意識せずにか
一般化するという過ちを犯している。
圧倒的な軍事的優位を持つ側が特定国を脅迫し、逼迫した
戦争の恐怖を感じさせる行為をそんな風に穏やかな一般化を
してもねえ。
そもそも、米韓合同軍事演習が普通に一般化できるような
同盟の紐帯をとり結ぶことかねえ。
NATO諸国とはロシア連邦に対してやっているかね。
日本とは中国に対してやっているかね。
小賢しいウソをついてはいけない、ヒルさんよ。
米韓合同演習をけしかけた時点であんたの正体は見えた。
まあいずれにしても「北朝鮮」がICBMを配備した時点で
米韓合同演習は徐々に規模を小さくして、やがて行われなくなる。
「合同演習の無い同盟は楽器の無い楽団のようなもの」とは傲慢。
相手に楽器を見せてあきらめさせようとしているのですかね。しかし、それは無理というもの。北の想定内だからです。
中国もロシアもなんだかんだ言いながら北のライフラインだけは守るのではないでしょうか。隣人の助け合いということもありますしね。又、両国とも米国には今まで嫌な目に沢山これまで遭いましたしね。
これからのことを言うのはなんですが、イランが抑止力として核を持てば、イスラエルも大人しくなるだろうし、米国の傘の下にあってぬくぬくとしている日本とかの諸国と相対してロシア、中国、北朝鮮、イランが独立核保有諸国群として成立し、そして対立した暁になって初めて米国のテロを基盤にする横暴は大きく抑制され、きな臭さも排除され、地球は地球に向かい、最後には核廃絶の合意が成立し、国連が名実ともに盤石となり、米国の軍産複合体、ネオコン、CIAは地球からパージされるでしょう。
>>4
訂正:地球は地球に向かい は 地球は平和に向かい が正。
自民党系(元外交官ヒル氏も含まれる)が作るストーリの欠点は軍産複合体、ネオコン、CIAの暴力第一主義の存在を無視し、それが米国の国際政策の原動力になっている事実をも封印するところにありますね。だから何を言っても気が抜けたビールになるんです。彼らが重用する言葉がREALPOLITICS。私はこの言葉を「強欲主義」と翻訳することにしています。
この project syndicate インタビューは文在寅政権に気持ち悪いほど好意的で、なにか違和感を感じるが、ヒルはかつて李明博政権もこの調子で支持していた。いつもこういうふうに朝鮮半島に接しているのだと思う。
ヒルといえば、かつて米国国務次官補として六者協議を牽引できる立場にいながら、北朝鮮に融和的に接し、最終的にはテロ支援国家指定の解除までおこなって北朝鮮にあやまったメッセージを送ったボンクラだ。このときに現在の半分程度でも強く北朝鮮に接していれば、今とは違った現在があっただろう。
ネットで調べてみたら、日本語で昨年のインタビューが拾えた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO19203690V20C17A7I00000/
インタビュアーはやはりテロ支援国家指定解除の話をふっているが、ヒルは言い訳したあげくに「これははっきりさせておきたいが、テロ指定の話は私のレベルで決まるような話ではない」と答えている。まさにボンクラというべき受け答えぶりだ。
しかしこの日経インタビューでヒルは正しいことも言っている。
ひとつは
「北朝鮮の究極の目的は、その核兵器を用いて米国と北東アジアの同盟国を引き離し、日韓両国への支援を米国にやめさせることだ。北朝鮮が体制存続のために核兵器を持ちたがっているなどという人は、それを分かっていない」
ということで、ごく簡単かつ大雑把にいえば、核をもった北朝鮮はかならず韓国を侵略するということだ。
もうひとつは
「中朝関係は悪化し、友好的な説得が今の北朝鮮に通用するかは分からない。だからこんな疑問が浮上している。中国は非友好的な説得を試みようとしているのではないかと」
という認識の点だ。
このふたつは、しかし、情勢の変化とともに、少し意味合いをかえているとわたしにはおもわれる。すなわち、韓国侵略の点については、韓国にもはや防衛の意思があまり感じられない以上、米国はむしろ積極的に半島から手を引いて韓国を侵略させるという選択に結びつく。そして中国の非友好的な説得がもし半島を非核化するなら、それは日米にとってはむしろ望ましいのではないかという考えが出てきているとおもわれる。
最終的に、「中国がしきる非核化された統一朝鮮(金正男の息子が「国王」)」という線で、日米中がまとまるのは、現実的にありうる中では、なかなか良い選択かもしれないとわたしには感じられる。パラリンピックが終わる頃、金正恩が暗殺されると同時に人民解放軍が北への侵攻をはじめても驚きは感じないだろう。