A:各紙社説
1:日本経済新聞:[社説]あきれかえった忖度発言
政治家の発言には責任が伴う。しかも統一地方選挙の期間中であればなおさらだ。欧米などで公正さを疑わせる非常識な政治家の発言を聞く機会が増えているとはいえ、日本でも耳を疑うあきれかえった発言が飛び出した。
塚田一郎国土交通副大臣は1日に北九州市で開かれた集会で、同市と山口県下関市を結ぶ「下関北九州道路」の国直轄の調査について「安倍晋三首相や麻生太郎副総理が言えないので私が忖度した」と発言(以下有料)
2:毎日新聞社説「「安倍・麻生道路」に忖度 政権の緩みが止まらない」
・露骨な利益誘導と受け取られるようなことを選挙の応援演説で自慢げに語る無神経さにあきれる。福岡県知事選の集会で飛び出した塚田一郎副国土交通相の問題発言だ。
・塚田氏は今年度予算で「下関北九州道路」の建設計画に国直轄の調査費をつけた
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防衛省、企業、官庁などすべてが上位下達組織で、音声の命令もあるが、忖度して行動できる人たちは、特に目をかけられる。かけられればさらに忖度感度を磨き、競争相手の先を行こうと、すさまじい忖度競争の戦いが始まる。
今回は、忖度の現実的姿は、表面でなく、陰険な内側の問題であり暗闘が繰り返すのが普通であるが、忖度を自慢話として公の場で明らかにした「低レベル政治家」の現実的実態を明確化したに過ぎない。このような「低レベル政治家」は即首にするのが当たり前であるが、忖度政治家の頂点にいる安倍首相には、問題になっていること自体が分からない。
極端に言えば庶民とは別社会の行動原理の中におられるということでもある。自民党に浄化意識がなければ、野党に追い込む激しい行動力も感じられない。均一化同化社会における異なるもの排除する命令組織の単純化が社会をむしばんでいる。
安倍自民党だけの問題ではない。問題であれば、必ず支持率が落ちるのであるが、落ちない。落ちない原因を野党がだらしないだけでは済まない社会現象であることを認め、問題の根が深いと感じている人が少ないし、声を上げない。
米国は財政に余裕がないのでしたい戦争もしないで我慢し、仕方なく内政に目を向けメキシコとの壁だけは作り、合衆国労働市場の崩壊を避ける大義に掛けようとしている。この態度には一定のけなげさを認めることが出来る。
財政では米国より圧倒的に重傷状態にある日本で安倍政権は要らない橋を造るというのだ。この政権はオリンピックと戦争準備に忙しいと思っていたが、土建にも前のめりと言うから開いた口がふさがらない。
「ソンタク」という単語を使ったから、塚田と言う陣笠代議士が叩かれているが、これは事実に基づく発言であって何らかの不都合があるとは思えない。だって、安倍政権と言うのは元より「ソンタク」を求める政権です。こういえば、何だか、インカ帝国の「恩賞への誘い」戦略に酷似しているから不思議です。冗談はさておき、「ソンタク」が認められれば、いい人事、良い地位が与えられるという原理でスタートしている訳だから、マスコミやメデイアが「ソンタク」発言は駄目じゃないかと言う文脈で記事を作るのは如何なものかと私は考えますね。つまり、「黙ってりゃいいのに」と言いたいとしか響かないですよ。そこには言論界も含め日本全体が腐敗と言うドツボに嵌ったとしか言いようが無いですよね。
安倍政権はお家芸の土建に加え、戦争に大枚予算を配し、そしてこれから迫って来る米国からの本格的な回収(米国が戦後一貫して合衆国市場を日本にほぼ全面的に開放して過剰な恩恵を与えたことへの見返り(賠償と言ったほうが正しいかな)を要求する)がスタートする訳ですから、安倍さん、大丈夫ですか?