英国はEU離脱を巡り混迷を続けている。最新のニュースは次のものである。「英国のメイ首相は2日、欧州連合(EU)との合意がないままEUを離脱する事態を避けるため、12日の離脱日の延期をEUに求める考えを示した。離脱条件を定めたEUとの協定案を英議会で可決しようと、与党内の強硬派を見限って最大野党・労働党の協力を仰ぐことも決断。今後の交渉の行方を野党の出方に委ねる形だが、局面の打開につながる保証はない。」
こうした状況下、米国ニューヨーク・タイムズ紙は「英国は気が狂った(The United Kingdom Has Gone Mad)」と題するトーマス・フリードマン(Thomas L. Friedman)の論評を掲げた。フリードマンは3度目のピューリッツァー賞(コメンタリー部門)を受賞した米国の代表的論客である。
・今、英国ではEU離脱を巡り、いたるところで茶番劇がある。面白くな
この記事は過去記事の為、今入会しても読めません。ニコニコポイントでご購入下さい。
この論評はウオール街の為の、ウオール街による、ウオール街の世界政治の構築を夢見る利益集団の機関紙たるニューヨークタイムスが書かせたとしか思えない単純な視方と私はお見受けしました。
トランプの観方である「EUが一体より、分離したほうがEUを支配出来る」は私にはとても面白い。米国植民地主義の観点に立てばヨーロッパは米国にとって被支配の地です。諸国に団結されたらたまったものでない。トランプは直感的にそう思っているのでしょうね。
ここでは立ち入らないが、「ユーロあってのEU」という側面も無視できない。ドイツ経済の強さもあって、ユーロという通貨の崩壊は時間の問題だと言われている。ギリシャはEUから離脱すれば良かったのにネオコンに恫喝されてEUに残った。今、ギリシャは塗炭の苦しみに喘いでいる。
イギリスの深刻な問題は移民流入もあるが、イギリス人はユーロ崩壊からもたらされるEU解体をも予見して、その結果、招来する大混乱に巻き込まれるのは困るという危機感が下層のイギリス人の深層にあるのではないかと私は観ています。
英国の与党(野党も入れてよい)はシテイーの利益を代表しているから、与党のみならず議員諸君には英国の人民の意思には従わないのがその本能としてあると私は思いますね。ですから、EU離脱は宙ぶらりんにならざるを得ません。
>>1
追加:従って、国民投票の結果はEUが崩壊するまで待機させられるということです。
今回のEU離脱問題は、経済的問題というより、根本は英国の領土問題であり、解決策に道筋がつかない。
英領北アイルランドとアイルランドの国境問題であり、関税の有り無しが、英領北アイルランドがアイルランドに併合されることにつながる。英領に残そうとすれば、関税検査を今までどうり実施しないことになり、EUからの離脱は空文化する。
EU離脱しようとすれば、北アイルランドがアイルランドに併合されることを覚悟しなければならないのでしょう。
EUを離脱しなければ、英領北アイルランド帰属問題は起きない。
一端問題を提起してしまったが、解決策がない。英国自身が自縄自縛している。問題は経済がどんどん疲弊していき、英国民の生活に深刻な打撃が襲い掛かるのでしょう。だれが恩恵を受けるかと考えたら、おのずから道が開けるのですが。
Brexitについて、よい参考になるとおもわれる記事が4月3日の朝日新聞に出ています。
https://www.asahi.com/articles/DA3S13962253.html
Brexitに興味はあるがこの記事を読んでないかたがたは、どっかでタダで読めるなら、読んでおいて損はないとおもいます。
ごく簡単にまとめるなら、オックスフォードの政治学者エバンズへのインタビュー記事であり、彼はBrexit問題を、移民受け入れについて批判的な人々と寛容的な人々との価値観をめぐる対立と定立したうえで、英国社会のなかの政治意識や選挙制度の問題等を分析し、トランプ現象との類似を指摘しつつ、「ブレクジットとは、取り残された人々による民主的な階級闘争だったのです」と結論づけます。
わたしも大筋でこの考え方に賛成なのですが、「取り残された人々」という見方は、現に移民排斥がさかんなドイツや、将来的にさかんになるであろう日本では、あたらないのではないかとおもいます。
ところで孫崎さんは、「東アジア共同体構想」とやらの真っただ中にいるわけですが、それゆえ、こういう記事にシンパシーを感じて引用するのでしょうか。ご自分の立場をもっと明確にされたらとおもいます。