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要旨は、債券の連結貸借対照表は実質的なデュレーションリスクが存在する。同様の問題はユーロ圏、英国、日本にもあてはまる。
「現在は米国債に対する海外需要は大きく堅固に推移しているが、米国金融当局は政府の過剰な支出を可能にすることを止めるべきだ。」
現状認識としては、税収の増加と支出の削減に関する超党派の合意が存在しないことは基礎的財政黒字が近いうちになくなることを示唆している。
既存の負債に対する利払いは比較的少額。しかし、今後は金利が高止まりする時代が到来するかもしれない。
主張したいことは
現在の民主党と共和党の争いは米国の国家利益につながらないということなのでしょう。当たり前のことを当たり前に言っているといえる。
私がこのアメリカ帝国国債格付けの格下げに関して、問題だというか、違和感を禁じ得ないことは、日本の主流権威筋メディアのトンチンカンな書きぶりである。
トンチンカンというのは、①ドルの基軸通貨性の動揺や、②中露他非米側によるドル崩壊に向けた、意図的な取り組みを一切報じないこと、である。
これは、2008年のリーマンショック時には見られなかった世界の歴史を画する潮流だと考えているが、そのこととの関連で、アメリカ帝国国債の格下げを分析しないメディアは、役割放棄又は存在意義無しという他ない。
日本の主流権威筋メディアは、歴史の大きな流れ、新たな潮流を読み取る能力を欠き、永遠のパックスアメリカーナのファンタジーの中で、ユメを見続けているのではないか?
しかし、永遠に続く「体制」はない。江戸幕府しかり、大日本帝国しかり、近代の西欧覇権しかり、ソ連邦崩壊しかり。
全て歴史の事実現実ではないか。
にも関わらず、以下、アメリカ帝国の議会が債務上限期限延長を決定した後の毎日社説(6月6日)である。「米国債のデフォルト回避 信頼損ねた内向きの政治」として、「世界の安定は超大国の責務だ。国内問題に足を取られていては役割を果たせない。立場を自覚し、混乱を繰り返してはならない。」
強いリーダーシップあるアメリカへの期待で締め括られている。
https://mainichi.jp/articles/20230606/ddm/005/070/086000c
だが、事実現実を見るなら、そもそもウクライナでの代理戦争において約7兆円もの巨額の戦費を支援しながら、敗北が確定している。しかも、砲弾等武器支援も枯渇している。ウクライナ支援の一貫としてのロシアへの経済制裁は、西側経済にインフレと不況という副作用をもたらしただけ。
ロシアに対する過激な経済制裁を見て、非米側は安定した貿易決済手段としてドルへの信認を低下させている。
中露は中東での影響力を高め、中東の盟主サウジアラビアは原油増産に関してアメリカ帝国の言う事を聞かずに、原油取引でのドル決済は人民元決済の増加により、一層低下するだろう。
世界の趨勢としては、アメリカ帝国の覇権低下を横目に、BRICS、SCOといった新興大国による新たな政治経済的枠組みが、世界の多極化を加速させている。
その動きの中心は、ドル覇権崩壊に照準を絞った新たな基軸通貨や決済システムの創造である。
少なくとも、この間の事実現実はアメリカ帝国の覇権低下に繋がるものである。勿論、ヒトにより事実現実の評価は異なろう。過大評価や過小評価もありうる。
だが、事実現実を無視するのは論外だ。
事実現実の確固たる文脈の中に、アメリカ帝国国債の格下げを位置づけて分析することは、最低限の作法である。
アメリカ帝国の国債格下げは、単なるアメリカ帝国の内向き志向のみで生起した現象ではない。
総じて、アメリカ帝国の覇権低下という文脈の中で、起こるべくして起こった現象であると、私は考えている。
>中国は密かに準備金を金に移しつつある。ロシア型の制裁により資産が遮断されるのではないかとの警戒感が強まり、他の企業もドルエクスポージャーを再検討するようになった。
>より一般的には、外交政策当局による経済・金融制裁への過度の依存と進行中の地経学的断片化が、ドル中心の世界通貨秩序の存続可能性を実際に脅かしている。
本文、A-2の筆者が言う分析は当然であろう。何故なら、事実現実なのだから。
しかし、上記のような分析を日本の主流権威筋メディアは全く語らない。それどころか、「米国には、世界経済を安定させる責務がある。国際社会全体の利益を考慮して、政策を実行していかなければならない。」(毎日社説、8月8日)等と言っている。
https://mainichi.jp/articles/20230808/ddm/005/070/065000c
度し難いアメリカ帝国崇拝ではないか。
アメリカ帝国が世界経済を安定化させるには、すぐにウクライナでの代理戦争を止めるべきだ。また、財政赤字、財政破綻の原因であるドルの基軸通貨性をよいことにした無尽蔵なドル印刷と放漫財政政策を止めるべきだ。
アメリカ帝国のドル支配即ち基軸通貨性は、他国にアメリカ帝国の財政破綻のツケを廻すモラルハザード経済ではないか。
問われるべきはそこである。それを言わない日本の主流権威筋メディアは、事実を隠蔽し読者を騙す腐敗堕落した存在でしかない。
RT 1 Jun, 2023
米英、景気後退に陥る可能性-ムーディーズ
https://www.rt.com/business/577223-us-uk-germany-recession-moodys/
中央銀行がインフレとの戦いを続ける中、見通しは下振れ-
ムーディーズ・インベスター・サービスが火曜日に発表したところによると、インフレと借入コストの上昇を背景に、今年の世界経済は減速するだろう。
この格付け会社によると、G20の実質GDP成長率は2022年の2.7%から、2023年には2.1%、2024年には2.2%に減速する。
報告書には「米国、英国、ドイツでは緩やかな景気後退、フランスとイタリアでは経済活動の停滞など、特に主要先進国での成長は非常に弱いと予想される」と書かれている。
インフレや金融伝染のリスクは高いとされているが、一方で米国の政策立案者たちはデフォルトを回避するために債務上限について暫定的な合意に達した。総需要を十分に弱めることができなければ、一部の中央銀行はさらなる引き締めを余儀なくされる可能性がある、と同社は警告している。
「米国の2023年と2024年の経済成長率は1%前後と予想される。これらの予測は、2023年後半に失業率が5.0%程度まで上昇するような、数四半期にわたる連続的な景気後退を織り込んでいる」とムーディーズは書いている。
「我々の成長見通しには、高金利による信用需要全体の大幅な後退を既に織り込んでいるため、米国の地方銀行における最近のストレスを理由に、予測を大幅に変更したわけではない」とムーディーズは付け加えた。
ドイツの場合、製造業の低迷、労働力不足、高金利、インフレ率の高止まりが経済見通しを悪化させているとムーディーズは指摘した。
ユーロ圏最大の経済大国であるドイツの鉱工業生産は、1月に3.7%、2月に2.1%増加した後、3月には3.4%減少した。「落ち込みに最も貢献したのは自動車産業であったが、その悪化は広範囲に及んでおり、新規受注の落ち込みと一致している。4月の製造業PMI調査では、受注の継続的な縮小が明らかになった」とムーディーズは述べた。
この格付け会社は、ドイツの年間成長率見通しを2023年に0%、2024年年に1.2%と据え置いた。
一方、英国の経済活動は、インフレ圧力が高いことから、引き続き緩やかであるとムーディーズは指摘し、英国経済が今年0.1%縮小するとの見通しを付け加えた。
同レポートは、2023年においても、物価上昇と資金調達条件の厳格化の影響が引き続き経済を阻害していると指摘した。「上記で強調したように、BOE(イングランド銀行)の政策金利は4.75%でピークを迎え、金融政策は今後数年間引き締まった状態が続くと予想され、これが消費と投資の重荷となるだろう」と同レポートは述べている。
国際通貨基金(IMF)は先週、英国が今年不況に陥るとはもはや予想していないと発表した。
しかし、リシ・スナック首相は、頑強な高インフレが金利を5%以上に押し上げ、英国経済は来年リセッションに陥る可能性があると警告している。
RT 11 Jun, 2023
ロシア制裁が世界的なドル反乱を引き起こした理由
https://www.rt.com/business/577524-us-russia-sanctions-dollar-hegemony/
貿易決済で米ドルを敬遠する国が増えている-
ワシントンの積極的な外交政策を背景に、世界的なドル離れが進んでいる。RTは、米国の制裁政策の裏側と、それがドルの覇権を脅かすかどうかを探る。
1. なぜ米国はドルを武器化するのか?
ワシントンは、自国の世界的な経済的・地政学的優位性を維持するために、その道具としてドルの優位性を利用する。その一方で、米国の国益を侵害していると見做した国々に対して多くの金融規制を課している。
2. こうした行動の背景には何があるのだろうか?
米国は世界の経済生産高の20%程度を占めているが、世界の通貨準備高の半分以上はドルであり、国境を越えた取引の大部分はドルを使用して行われている。このため、ドルは世界の基軸通貨の中でトップの地位を維持している。
3. ドルの優位性は脅かされているのか?
ジャネット・イエレン米財務長官をはじめとするエコノミストたちは、ワシントンが世界各国に一方的な制裁を科せば、遅かれ早かれドルの覇権が損なわれると警告してきた。国際通貨基金(IMF)のクリスタリナ・ゲオルギエワ専務理事も、ドルは徐々にトップの地位を失いつつあると述べている。この警告は、世界の中央銀行の外貨準備高に占めるドルの割合が数十年にわたり徐々に低下していることを受けたものだ。国際格付け会社ムーディーズは最近、地政学的緊張の深まりがドルの優位性を脅かしかねない問題の一つであると述べた。しかし同社は、この難題にも拘わらず、ドルの役割は何十年も続くだろうと付け加えた。
4. 実行可能な代替案はあるのか?
殆どのエコノミストは、ドルが直ぐに取って代わられることはあり得ないと考えている。しかし、中国人民元は、中国経済の拡大とともに国際貿易決済に占める割合が高まっているため、ドルの主要なライバルとしてしばしば言及される。同時にエコノミストは、中国の金融システムの透明性の欠如と、人民元が完全には兌換可能でないという事実を指摘している。インド・ルピーも候補に挙がっている。ユーロと日本円については、EUと日本の経済問題から、専門家は長期的な将来性と安定性に疑問を呈している。
5. 対ロシア制裁がドルに逆効果?
米国主導の前例のない制裁措置は、モスクワの外貨準備の半分の使用を凍結し、ロシアの銀行がSWIFTメッセージングシステムを通じて取引を行う能力を制限することで、ブーメラン効果をもたらす可能性があると一部のアナリストは言う。彼らによると、多くの国々、特に米国の制限的な措置の矢面に立たされている国々は、将来的にそれらの措置が自国に対して使用される可能性があり、自国の経済機能に影響を与えかねないという懸念を表明している。
6. BRICSは米国通貨に挑戦できるか?
ゴールドマン・サックスのジム・オニール元会長をはじめとする一部の専門家によれば、米ドルの世界的な支配者としての地位は、新興国からなるBRICSグループによって、時と場合によっては脅かされる可能性があるという。ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカで構成されるこの経済圏は、既に経済成長率でG7を上回っている。各国通貨での貿易を推進し、西側の金融システム、特にドルへの依存を減らすために共同決済ネットワークを構築しようとする動きが活発化している。
7. ドルが基軸通貨としての地位を失ったらどうなるのか?
現在のドルの地位のおかげで、米国は国際貿易でも政府支出でも、大きな赤字を出すことが許されている。この地位を失うと、ドル需要が減少し、ドルの価値が下落する可能性があり、ワシントンによる大幅な金融引き締めが必要となるだろう。それは、このシナリオでは、資本へのアクセスの減少、借入コストの上昇、株式市場価値の下落などが米国経済を脅かす副作用となる可能性がある。
米の持続不能の財政は抜本改革を避けることは出来ません。
バイデンは実はその抜本改革を実施するという約束の下でDSに雇われた大統領なんです。彼はその証拠に就任一年後密かに「ドルを廃止しFEDCOINを法定通貨にする」ことを明記した大統領令に署名しているのです。
その実施が遅れております。理由は私の推測ですが、そのことがパックスアメリカーナの終焉を意味することから、DS内部の調整に時間がかかっているのでしょう。
米と敵対する中露としてはドル市場に破壊工作すれば、勝負は早くつくのですが、両国はじっと動かないのです。田中宇氏流に言えば、米国のサドンデスは世界を大きな津波となって襲う恐れがあるので、動かないということになります。
以下は余談ですが、ビルゲイツのワクチンはビルゲイツたちにマルクス流に言えば根源的な蓄積をもたらしたと言えましょう。この根源的蓄積はイーロンマスクのプロジェクトオメガにつぎ込まれ米州だけを席捲し、ユートピアを創るということのようです。勿論、主役はAIです。私にはデイストピアにしか見えませんが、米国の大衆はそのことを全く知りません。彼らはメデイアが教えないから無知蒙昧なのです。民主党の大統領候補に出ているロバートケネデイージュニアはそのことについても警告してます。
>>1
そうですか。それだけですか。
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