3日別大マラソンに釘付けになった。
 28キロから川内選手と中本選手の一騎打ちを見ていた。
 私は勿論、川内選手を声援していた。 しかし、二人のマッチレースをみていると、どうしても川内選手が勝つと見えない。
 川内選手の走法は決してきれいでない。何よりも苦しみながら走っている。
 他方、中本選手はみるからに、天分にめぐまれた走りをしている。スムースな走り。
更にまったく走ることに苦痛は関係ないという余裕の表情である。
 多分、誰もが中本選手の勝利を確信していただろう。
 それにも拘わらず、苦しいはずの川内選手がスパートを何回もかける。しかし中本選手は苦も無くついていく。
 結局、川内選手が振り切った。
 川内選手のランは、箱根駅伝の選手がマラソンを走っている雰囲気である。苦しみながら、苦しみながら、自分の限界を超えて走り続ける。
 私は30歳頃からジョギングをしている。
 29歳で初めて喘息になった。その時、