あなたが克服したい苦手なことは何ですか?

そして、それを克服したらどんな未来があるでしょうか?


誰にでも苦手なことはあると思います。

ですが、それが苦手だとわかっているのであれば、それは他人に任せてあえて自分ではやらないという判断をするか、もしくは克服する方がいいはずです。

DaiGo師匠の質疑応答でも自分の苦手な事を克服する方法についての相談はいつも多くありますが、今回は、喋るのが苦手だという方の相談をもとに、そんな皆さんの苦手を克服するための心理学についてまとめてみたいと思います。


Q. 「喋るのが苦手でとてもゆっくりです。交渉でもいつも相手のペースに飲まれてしまいます。何か良い方法はあるのでしょうか?」


基本的に、交渉が上手い人と下手な人の違いというものがあります。

自分は喋るのが苦手でしゃべるのも遅くて主導権が握れないと考えている人がいると思いますが、こんな人の方が交渉は上手くなります。

交渉が上手い人と下手な人の一番の違いは質問の量です。

交渉が上手い人は、下手な人に比べて質問の量が2倍もあります。

相手にたくさんの質問をして情報をたくさん集めることができますし、相手から見ると、これだけたくさん自分のことを答えたのだから、自分を分かってくれているはずと思わせることもできます。

ですから、質問する能力を高めることがいいのではないでしょうか。


以上がDaiGo師匠のアドバイスでした。




「人と話すのが苦手」という感覚は錯覚



まず今回の相談者のように人と話すのが苦手だという人は結構多いと思います。


よくお酒を飲むと相手と喋ることができるという人もいると思いますが、人間の思い込みや相手を変に気遣う能力などの理性を司っている前頭葉の活動をお酒が抑えるからです。

多少お酒が入ると喋ることができるというのは、それにより変に気遣うことがなくなるからなので、お酒も適量であれば使うことはできます。

ですが、苦手を克服するためにお酒に頼っていては意味がありません。


実は、いわゆる対人不安や社会不安というものがあっても、それはコミュニケーション能力を下げるものではないという研究があります。


平均年齢25歳の大学生93人を対象に行われた研究ですが、ここでは社会不安尺度のレベルの高い人を集めています。

社会不安尺度のレベルが高いと言っても、治療が必要になるほどのレベルではなく、人と話すのが苦手だとか会話をするのが苦手だと感じているレベルの人たちを集めています。

全員に3分間のスピーチを3人の人たちを前にして行うということと、3分間で初対面の異性の事を出来るだけ知るために会話をしてもらうという2つのタスクを行いました。

人と話すのが苦手な人たちにとっては、どちらも結構ハードルの高いことだと思います。


その結果分かったこととして、社会不安尺度のレベルが高く社会不安を感じやすい人ほど、そわそわしたり震えたり緊張を表すような行動は増えていましたので、それだけを見ると、やはり社会不安を感じやすい人は緊張や不安によってコミュ力が下がるのではないかと考えそうになりますが、社会不安尺度のレベルが高くて緊張や不安を表す行動が増えていたとしても、言語表現や言葉の流暢さなどの社会的なパフォーマンス評価には影響がなかったということも確認されています。


つまり、社会不安や対人不安の問題点というものは、話すのが苦手だと自分が思い込んでいるだけで、実際にはちゃんと言葉も使うことができているということです。

コミュニケーション能力やプレゼンスキルはそれによって落ちてはいませんし、社会不安を感じやすいからといって低いということはありません。


ただ、見た目の部分でそわそわしたり落ち着きがなくなったりするので、同じように喋って会話をしているのに、それが必死すぎるように見えてしまったり、他に気になることがあるのだろうかと相手が感じてしまうということがあります。

同じことを喋っていても、その見た目により説得力がないように勘ぐられてしまったりするわけです。


ですから、大事なのは緊張や不安に対するトレーニングを行って、社会不安の特徴であるそわそわしたり震える行動をちゃんとコントロールできるようにメンタルの安定性を作ることです。

それさえできれば、基本的にはコミュニケーション能力自体には全く問題がないので、自信を持ってコミュニケーションを取ればいいのではないかということが考えられます。


緊張の対策についてはこちらの一問一答でまとめていますので、そちらも参考にしてみてください。


科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

一問一答「頭が真っ白になり、なにも考えられなくなる時があります。どうすれば、落ち着けますか?」【緊張対策】



「苦手な人」を克服する方法



普段の人間関係で苦手な人がいるという人も結構多いと思います。

職場でどうも話しづらい上司や気が合わない同僚、話しづらくてつい避けてしまうママ友、そんな人間関係をそのままにしている人も多いのではないでしょうか。


もちろん、マウンティングしてきたりするヤバい相手の場合には速やかに距離を取り無理をして付き合う必要はありませんが、少し苦手な人やあまり得意ではない人だけれど、もし仲良くなることができたら自分の仕事にも得がありそうだとか、この人は苦手だけれどもしその人と仲良くなることができたらもっと仕事が楽になるだろうというような人をランチに誘ってみてください。

師匠は、昔30歳になる前に、30代になるまでに苦手なものを全てなくしたら無敵になるだろうと考えたことがあります。

それで27の頃にそれまで苦手だった運動を始めたりということもしました。

それと同時に行なったのが苦手な人とあえてランチを一緒にするということでした。


誘ったら断られそうな気がするかもしれませんが意外と断られることがありません。

しかも、最初は気まずいですが、食べ始めるとお互いに血糖値が上がってくるのでいい気分になり、その結果、話が弾みそれ以降敵ではなくなるということが結構あります。

食事を一緒にすると勘違いされて好きになられても困るという人もいるかもしれませんが、それこそ勘違いです。

これはなんとなく苦手だと感じている自分の思い込みを突破するために使えるというだけです。

まずはそんな偏った思い込みをなくすためにも重要だということです。


ちなみに、自分の適応力を上げたり挑戦する力を鍛えたいと言うのであれば、さらにエクスポージャーの考え方を導入して、あえて違う人と毎日ランチを食べてみるというのもいいと思います。

人間というものは、人間関係が固定されるとそこから入ってくるチャンスや考え方も固定されてしまうものです。

ですから、自分のためにランチは毎日違う人と食べるというのも練習としてはとても良いと思います。

そんなチャレンジをしているということを堂々と言った上で誘えば少し誘いやすくなるというのもあるとは思います。

これは自分の人生の可能性を広げるという意味でも役に立つと思います。


はっきり言って、人間関係の苦手を克服するというのは人生が激変するぐらいの変化になります。

ぜひ皆さんも試してみてください。

漫然とした毎日を過ごさないためにも、自分の生産性を高めるためにも使っていただけたらと思います。




「コミュニケーションが苦手」でも良い人間関係をつくる方法



内向的で新しい人間関係を作ったり、みんなと仲良くするということが苦手だという人もいると思います。

そのような場合は、みんなと仲良くすることが得意な人と仲良くなればいいです。


スーパーコネクターといって科学的に異常に人間関係が広い人や、人と仲良くなることがとても上手な人たちがいます。

そんなスーパーコネクターを見つけて、その数人のスーパーコネクターと仲良くなっておくと、いざという時に彼らが自分の人脈を使って助けてくれます。

そうすればたくさんの人と付き合わなくても良い人間関係を作ることができるわけです。


そんなスーパーコネクターは他人を食事や会合に誘うのが好きです。ですから、探すことはそれほど難しくはありません。

要するに、人を誘っている人を探せばいいわけです。人を誘っている人を辿っていけばスーパーコネクターにたどり着きます

ですから、イベントや飲み会などの場に参加したら、誰の紹介できたのかをみんなに尋ねて、その紹介者を自分にも紹介してもらうようにお願いしてください。これを続けていくと、色々な人を誘うのが得意なスーパーコネクターを探すことができます。

目の前で知り合った人に、その会場で他に知っている人や誰の紹介できているのかということを質問して、辿っていくと誘った張本人にたどり着きます。その人がスーパーコネクターです。


イベントや飲み会に参加した時には、出会った人に挨拶したら世間話を軽くして共通点を探し、その場に誰と来たのか? 誰の紹介できたのか? ということを質問して、その人を紹介してもらうようにお願いしてください。

ただ友達を作りたいだけだとお願いすればいいだけです。友達を作りたいと言って断る人は相当性格の悪い人ですからそんなにはいないはずです。

紹介した方はいい気分になりますし、スーパーコネクターを探すためのゲームだと考えて気軽に楽しんでみてください。

ダメなのは、真面目に考え過ぎてしまい、嫌われてしまうのではないかとか繋がっても何もできないのではないかと考えてしまうことです。


これは恋愛の場合も全く同じで、人間関係のゲームだと考えるととても楽になります。

最も良くないのはゲームなのに何も行動しない人です。ゲーム感覚になれないから楽しむことができず嫌われてしまうだけです。

男性も女性も、難しく考えることなくゲームだと思い楽しんでいる方が良いパフォーマンスを発揮することができるものです。失敗してもセーブポイントに戻ればいいだけです。


そんなスーパーコネクターについて詳しく学ぶためにはこちらを参考にしてみてください。

科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

少ない人間関係で最大の成果を出すための「スーパーコネクター」の見つけ方

ちなみに、チームDaiGoの外交官であるスーパーコネクターの"つばさ"が登場したブロマガはこちら。

科学的根拠に基づいた知識の実験、実践コミュニティ!〜メントレラボ〜

外交担当スーパーコネクターの"つばさ"登場!



「続けるのが苦手」は小さな習慣で克服



それまで一切運動をしたことがなかった師匠でも習慣の力を使うことで腹筋を割ることもできました。

ダイエットでも語学や資格を取るための勉強であっても、何かを続けることによって達成することができるものであればあらゆることに使うことができるのが習慣化のテクニックです。


小さな習慣のテクニックが一番役立つのは、自分の苦手なことをする時です。

習慣化することができれば良くも悪くも感情を感じなくなります。ですから、嫌なことはあまり嫌ではなくなりますし、しんどいと感じにくくなります。逆に、楽しいことを習慣化してしまうと楽しさを失ってしまいます。

まずは小さなことから習慣化していき、嫌だと感じる感覚を麻痺させていきます。そして、麻痺させてから徐々に工夫や変化をさせることで変化の楽しみをそこに上乗せしていきます。

最初から色々変化させたり色々なことをしようとすると脳がパンクしてしまいます。変化に対する楽しみよりも変化に適応できない苦しみの方が増してしまいます。

小さな習慣から始めていく
まずは嫌だと感じる感覚を麻痺させる
飽きてしまい終わらないように、小さな変化を取り入れる

小さな習慣で抵抗を減らし小さな変化で飽きを無くすことが大事です。

小さな習慣で、まずは一番苦手なことを克服してしまうというのが大きく人生を変えるためのチャンスだといえます。これは誰でもできます。

多くの人は小さい習慣から始めないから失敗しているだけで、小さい習慣は技術としてあるものです。


小さな変化を積み重ねていくことができればどんなに苦手なことであっても変えていくことは必ずできます。


小さな習慣の3つの条件

1. ばかばかしいぐらいに小さくする

ばかばかしいぐらいに簡単で誰でもできるような小さなことから始めてください。

2. 意志の力が必要ないことから始める

どんなに疲れていても何も考えなくても必ずできることから始めるようにしてください。

3. 良い習慣を身につけるためだけに使う

基本的に悪い習慣を止めるためには使えないテクニックです。


この3つの条件で考えてください。

ばかばかしいぐらい小さいことということですから、腕立て1回とかスクワット1回ということでも結構です。

できるだけ小さく始めた方がその後の継続に対する喜びはモチベーションが広がります。そして、小さくしておくと取り掛かるまでのスピードも抵抗が少ないので自然と取り掛かるのも速くなります。

ちなみに、これは1つだけにしてください。

あれこれと同時に始めるよりも1つずつの方が絶対うまくいきます。

その1つがうまくいけば自分の人生が良い方向に変わると思えるものがいいと思います。1つ身につけてうまくいくことができれば、その自信により他のことにも自信を持って取り組めるようになります。



「目を合わせて話す」のが苦手でもいい!



目を合わせることが苦手だという人もいるかと思います。目を合わせることが苦手な人は、相手の眉間に注目しましょうとか、鼻に注目しましょうという話もよく聞きます。


人は相手がどれだけ自分のことを見てくれているのかということに気づいていないという研究があります。

つまり、アイコンタクトしなくてもそんなに問題はないのではないかということです。興味を持って相手の話を聞くことが大事なのであって、アイコンタクトの時間というのはそれほど気にしなくていいのではないかということです。

この研究では、初対面の学生たちを対象に、総時間の77%アイコンタクトを取った場合と総時間の25%アイコンタクトを取った場合でどれぐらい相手から見た印象が変わるのかということを比べています。


結論としては、主観のレベルでは、 アイコンタクトの時間にかかわらず同じぐらい目を合わせてきたと感じているし、同じぐらい会話も楽しんでいました。

実際の会話の中では、アイコンタクトや視線よりも会話の内容に注目するので、目を見ても見なくても関係がないし、そもそも気づかないということです。


全く目を合わせないのは問題外ですが、一生懸命緊張を押し殺してアイコンタクトを取ったとしても、そんなに意味はないし気づいてももらえないとなります。

それよりも、目を合わせないと信用してもらえないのではないかとか、印象が悪くなるのではないかという不安によって、会話がうまくいかなくなってしまうという事の方が問題です。

結局のところ、目を合わせて話さなければいけないと気にする必要はなくて、大事なのは、目を合わせることよりも、対人不安や人と話す時の抵抗感を減らすことです。



ここから先は、自分の苦手なことやコンプレックスを強みに変える方法から、苦手意識を払拭するための戦略と実際に苦手を克服するための方法について解説していきます。

DaiGo師匠が30代のうちに一番苦手だった運動を得意になろうと決意して、それにより実際に人生が大きく変わったように、何かに挑戦して人生を変えたいという方は続きをチェックしてみてください。