あなたはどんなときに、ワクワクしますか?
少しずつですが世の中も落ち着いて旅行に出かけている方も多いと思います。
今回は、コロナ感染者がまだまだ拡大していた頃によく頂いた相談ではありますが、結婚式を予定通り行うべきかどうかという相談をもとに、旅行をもっと楽しんで幸せになるための心理学をまとめさせてもらいます。
Q. 3週間後に娘の結婚式を控えています。
場所は大阪市内ですが、コロナ感染者が増えている中予定通り行うか延期するかで悩んでいます。どう思いますか?
きりがないので開催すればいいと思います。
ビル・ゲイツさんも、オミクロン株もいずれはインフルエンザのようなレベルになると言われていました。
デルタ株とよく比べられますが、はっきり言ってしまうとデルタ株とオミクロンは全く違うウイルスです。
同じ対策として考えない方が良いのではないかということを言われている学者さんや有識者もいるくらいです。
そうなると、どこからは大丈夫ということはありません。
そう考えると僕個人としてはすればいいような気がします。
ただ、延期してもコストが発生したり値段が変わらないのであれば、どういう人が来るかわからないということもあるので延期することも考えてもいいと思います。
この状況の中で行くわけにはいかないと言われる人もいるでしょうから、その辺りのやり取りも含めて考えると延期するというのもありかと思います。
どちらにしても、結婚式は夫婦2人のためのものです。
思い切って結婚式を取りやめて、そのお金を使って国内で贅沢な旅行をするという方が娘さんも喜ぶのではないかとも思います。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
時間に余裕がある人といつも焦っている人
いくらコロナの状況が落ち着いたとしても旅行に行く時間なんてないという人も結構いると思います。
人によっては、毎日30時間とか40時間ぶんぐらい色々なことをしているだろうと感じるような人もいれば、大して忙しいわけでもないのに1日があっという間に過ぎてしまうという人もいると思います。
「もう6月が来たということは1年間の半分が終わったのか」と焦りを感じている人もいると思います。
皆さんも南の島や温泉に旅行に行ったりすると時間がゆっくり進んでいるような感覚を感じたこともあると思います。
このような感覚を感じることができるのは、リゾート地や温泉では僕たちに焦りをもたらすような行動が少ないからです。
旅行に行くことで時間に余裕がある人たちが普段しているような行動に近い行動を自然と行なっているということです。
そのため、旅行に行くと時間がゆっくり進んでいるような感覚を感じて、都会にいたり仕事に追われているとあっという間に時間が過ぎて焦る感覚を感じるわけです。
空いている時間に対してどんな行動をするのか、その選択の仕方が違ってくるだけです。
旅行に行ってホテルや旅館で過ごすと、普段日常でやらなくてはいけないことも必要がなくなります。
そうすると、いつも以上に集中力を発揮することができたりもします。
やらないことを決める方がやるべき事を決めるよりも時間を上手に使えるようになります。
「忙しくない」と感じる時間を増やすことは、時間に対する無駄な焦りを減らして、結果的に時間を上手に使うために必要です。
「自分は何もやらなくていい」と感じられるような忙しくない時間を意図的に作るようにしてください。
そのために役に立つのが旅行です。
「時間がない」という感覚は脳のパフォーマンスを落としてしまいます。
時には勇気をもってやめてみるという決断も時間を上手に使うためには必要になります。
幸せな人の旅行とそうでない人の旅行
幸せな人とそうでない人の違いについて調べた研究を見てみると、旅行ひとつとってみても考え方がかなり違うようです。
幸せな人ほど旅行を計画する際には面白い文化とか美味しいご飯、歴史的な遺産というものを重視しますが、不幸な人は天気の良し悪しや移動距離の短さ、ホテルの綺麗さというネガティブなものがないかということをチェックする傾向が高かったそうです。
この違いは「新しいことを知りたい」という好奇心の違いによるものです。
幸せな人の3/4が新奇探索傾向が高い
リスクを冒してでも新しい物事に挑戦しようとする性質のことを「新奇探索傾向」といいます。
研究によると、自分がとても幸せだと考えている人の3/4がいつも新しい体験を探しているそうです。
一方で、自分を不幸だと考えている人の40%がいつもと同じことをしていた方がいいと考えていました。
幸せな人の75%が新しいものを探しているのに対して、不幸な人の40%は新しいことはせず、いつもと変わらない事をしたいと考えています。
新しいものに興味を持ち挑戦できるかどうかということが幸せに生きるためには重要だということです。
それが旅行に対しての考え方についても現れるわけです。
心理学的にはコンフォートゾーン(自分が安心していられるゾーン)という考え方があり、このコンフォートゾーンを出ることができるかということがポイントになります。
新しい体験やしたことがないことをするということは、このコンフォートゾーンを出ないといけません。
幸福な人の61%はこのコンフォートゾーンから積極的に出るということもわかっています。
逆に不幸な人は25%の人しかこのコンフォートゾーンから出ることはありません。
知的好奇心の高さや何かを知りたいとか体験したいという欲求というものは幸せにつながるということです。
ちなみに、スタンフォード大学の社会学者マーク・グラノヴェッターさんが発表した「弱い紐帯理論」では、例えば、仕事でいつも顔を合わせる人よりも、偶然出会った人や、たまたま旅行先で連絡先を交換した人のような全くジャンルは違う薄いつながりからの方が、仕事でも人生でもそれを大きく変えるようなチャンスを手に入れる可能性が高いということもわかっています。
人脈は多ければいいということではありませんが、人脈のバリエーションが多いことは人生にとって大きなメリットになります。
そんな出会いのチャンスもあるのが旅行です。
旅行を計画するのであれば、自分の知的好奇心を満たすことをテーマに考えてみるのも良いのではないでしょうか。
人は未来を予測することで喜びを感じる
人間は未来を予測することで喜びを感じるという特性があります。これはレジュイールと言われる考え方で未来を予測する喜びという意味です。
人間は手に入ったものよりもこれから手に入る予定の方に喜びを感じます。
実際にオランダで1,000人以上を対象に行われた研究があります。
旅行客は旅行の前の数週間の方が旅行中や旅行後の数週間よりも幸福度が高いということがわかっています。
つまり、楽しみに待つ時間が人間の幸福度をつくってくれるわけです。
ですから、楽しみに待つ時間を大切にするべきということです。
更に、これはコストに関しても同じで、何かをやらなくてはいけない時のコストもやる前の方が大きく感じます。未来のことを考えると喜びもコストも大きく感じるわけです。
例えば、日曜日の方が金曜日よりも幸福度が下がります。
金曜日は週末の休みを考えて楽しみになっていますが、日曜日の夕方になると明日からの仕事のことなどを考えて少し憂鬱になったりすると思います。
更には、がん治療などで化学療法を受ける患者でも同様のことが確認されていて、抗癌剤治療を受ける24時間前に吐き気に襲われることがあるということがわかっています。抗がん剤を打たれたあとの方が苦しいはずですが、その24時間前に既に気分が悪くなっているということです。
これは時間の障害といわれ、将来の感情が重くなってしまいコストや負担を大きく感じてしまうということが起きるわけです。
人間は現在に怯えたりすればするほどバラ色の未来を想像します。これにより一時的に良くなったメンタルを使って行動に移すようにしないと現実逃避に終わってしまいます。
バラ色の未来を想像しただけで行動も努力もしなかったら何も変わらず失敗しか待っていません。
毎晩数分、明日起こるかもしれない楽しい出来事を想像してみてください。
幸福度について調べた研究によると、それだけで2週間後の幸福度が顕著に上昇していました。
ただ毎晩明日起こるかもしれない楽しいことや未来の楽しい出来事を想像するだけで幸福度が上がっていたということです。
ただし、この上がった幸福度でがんばろうと意欲につなげて行動に移した場合は実際の未来もバラ色になっていきます。
旅行もどこに行こうかと色々と考えたり話し合っている時が一番楽しい時です。
その幸福度が一番上がっているタイミングを十分に楽しんで、かつ、その喜びを行動する意欲につなげて具体的な成長に結びつけてください。
つまらない日常を共有する時間が増えていませんか?
夫婦が日常生活を共に過ごす時間が長くなればなるほど、関係性が悪くなってしまうという研究もあります。
一緒に旅行に行ったり趣味やアクティビティを楽しんだりする時間が増えるのはいいですが、特にコミュニケーションをとるわけでもなく一緒に何かをするわけでもない、何もない日常をただただ一緒に過ごす時間が増えると関係が悪くなりやすいということです。
カップルを対象にした研究でも、2人で旅行に行ったり新しいことに取り組む習慣がある場合は、そうでない場合に比べて破局率が半分になるという研究もあります。
楽しい経験を一緒にたくさんしたという感覚が、万が一のトラブルがあった時にも、それを乗り越えて関係を保つことにつながります。
もちろん、コロナの感染対策はしっかり徹底する必要はありますが、たまには一緒に言葉の通じない土地に旅行に行ったり、バンジージャンプやパラグライダーのような刺激を求められるスポーツなどをしてみるのも良いのではないでしょうか。
お互いの生活の中に刺激をどのようにして含めるのかということを考えてみてください。
視野を広げて新しい可能性を!
人はどうしても年齢を重ねれば重ねるほど慣れ親しんだものを好むようになるものです。
子供の頃には、それまでしたこともないことや新しいことに次々と挑戦していたという人であっても、歳をとればとるほどよく知っているものを選ぶようになります。
行くお店も買うものもよく知っているものを選ぶようになりますし、出かけるところや旅行先もよく知っているところを選びがちになります。
若い頃はリスクを取って次々と挑戦していたのに、歳を取ると安定の方を選ぶようになるものです。
ですから、気をつけておかないとそれと同時に視野も狭くなってしまいます。
慣れ親しんだものを選ぶこと自体は問題ありませんが、一定数は新しいことにも取り組むようにしたり、チャンスがある時にはそれに気づいて動くことができるように、自分が知っている世界だけではなく外の世界にも目を向ける癖をつけておかないと、歳をとればとるほどどんどん可能性が狭まっていくということになってしまいます。
視野を広げればもっと楽しく楽に生きることができるのに、今ある限られた視野の中でずっと考えて悩んでしまいます。
これは当然のことで、外に答えがあるかもしれないのに目の前のことだけを見て悩んでいても答えは見つかるはずがありません。
これは旅行先を考える時にも意識してください。
どうせ旅行に行くのであれば、それによってモチベーションや幸福度が上がるだけでなく、自分の視野が広がり可能性やチャンスも大きくなる旅行先やアクティビティを選んでみてください。
視野を広げるためのおすすめ本
今回のおすすめの本としては、皆さんの視野を広げるための3冊を紹介しておきます。
人は自分の気づかないうちに勝手に視野が狭まっていくということがあります。
例えば、出された選択肢であったり事前に伝えられた情報によって視野はかなり狭まります。
それによって人は気づかないうちに多くのチャンスを逃しているということもありますので、こちらの本で人間の思考の罠について理解していただけたらと思います。
ファスト&スロー あなたの意思はどのように決まるか? 文庫 (上)(下)セット
ネガティブな感情を感じやすいという人もいると思います。
ネガティブな感情は使い道がありその使い道を知っているかどうかということが重要です。
分析能力を高めたり自分を客観的に見るという時にはネガティブな感情も必要なわけです。
そんなネガティブな感情を使って成功するための方法を教えてくれるのがこの本です。
内向的であまりポジティブになれないという人もいると思います。
実は、そんな内向的な人にしかない能力というものが幾つもあります。そんな内向型の人の能力を発揮するための方法を教えてくれるのがこの本です。
内向型人間が無理せず幸せになる唯一の方法 (講談社+α新書)
ここから先はさらに旅行を楽しんで人生を充実させるための心理学について紹介していきます。
ぜひ続きもチェックしてみてください。
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