あなたは、どうすれば余計な議論をしなくて済むと思いますか?
今回は、その場で反論できず後で悶々としてしまうことが多いという方の相談をもとに、理論をスルーしつつも議論に勝つ回避型論破について解説させてもらいます。
Q. その場で反論できず後で悶々としてしまうことが多いです。どうすればいいでしょうか?
これは、対人不安克服法を学んでいただけたらと思います。
人に敵意を向けられると、やはり、ドキッとしますし、モヤっとするものです。
相手をとことん打ちのめしたいというのであれば、論破のテクニックを使ってもらっても構いませんが、緊張するせいで、言い返すことができないということですから、瞑想と運動がいいと思います。
すぐにできる方法としては、リアプレイザルがおすすめです。
何かを言われて感情的になったりパニックになった時には、一旦自分に言い聞かせるようにしてください。
今自分は、自分の大事なプライドや仕事、大事な価値観を攻撃されたので、自分の体は自分のその大事なものを守るために、体中にエネルギーを送ってくれていると考えてください。
その体中に巡ったエネルギーで、相手と向き合い戦うことができると考えてください。
それを考えるだけで言い返しやすくなります。
以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。
話を聞かない相手の態度を変える「認識論的質問」
論破や議論に勝つための方法については過去にも色々と紹介したことがあると思います。
相手の考え方を変える方法については、これまでにもいろいろと解説してきました。
▼相手に気づかれず自然と考えを変える方法
一問一答「あなたが信頼関係を一番築きたい相手は誰ですか?」【やわらかい交渉術】
▼論理の穴を見抜いて冷静に対処するための方法
一問一答「あなたが最近つい惑わされてしまった情報とはどんなものですか?」【欠陥理論の見抜き方】
結構強力な方法も紹介したことはありますが、これは誰かを打ち負かしたいという人ではなくても、その方法を理解しておくことでもし論破されそうになった時にそれを打ち返すということも出来るようになるものではあります。
そもそもそんな論破をしたり激論を交わしたりしたくないという人もいると思います。
さらに、論破をしなくてはいけないような頭の悪い相手に何を言っても無駄だということもあります。
論破して勝ったところで実は手に入れることができるものは少ないものです。
テレビやドラマで論破しているシーンを見ると気分が良くなったりエンターテイメントとしての要素はありますが、誰かを論破したところで相手は態度を変えることはないでしょうし、言い負かしたところでそれによるメリットは大してありません。
論理的誤謬というものですが、論破する際の論の中には矛盾があります。
論破で使われる理論というものは、何かを極端にしたり強調したり、そもそもの前提を変えたり、議論を誘導したり様々なテクニックがあり、これはいわゆる説得のテクニックとは全く違うものです。
論理的ではないにも関わらず、相手や周りになんとなく論が通っているように感じさせるテクニックが論破です。
ですから、論破は論が強い人が勝つのではなく論破の方法を知っている人が勝ちます。
皆さんがコミュニケーションの中で論破されて不快な気分にならないために論破のテクニックを知っておくというのはとても重要なことだと思います。
11の回避型論破法
1.「ポリアンナ」話法
これはどんなこともポジティブに解釈して議論を無効化するというテクニックです。
人間がもっとも否定しにくい側面を使って相手を論破すれば、それにより皆さんが批判の対象になる可能性は非常に少なくなります。
それができるのがこのポリアンナ話法というテクニックになります。
このポリアンナ話法を普段の会話の中で使うととてもポジティブで良い人のように見えます。
何か大変な状況があった人に対して、前半部分で「それは大変でしたね」と相手に対する共感を示した上で、「それでも、〇〇にならなくてまだマシだし良かったね」と続けると励ましになるのでとてもいい人だと思われます。
例えば、「このプロジェクトには絶対に問題があるし、あの上司の考えにはどうしても納得いかない!あなたはどう思う?」と言われたとしたら、「確かにその気持ちはわかります。でも、僕たち会社だけはブラックでなくて良かったですね」と返します。
その上司はブラックだけれど会社はホワイトだから良かったと返すわけです。
特にこれは周りに人がいる時にとても使えます。
これは親戚との間の問題や噂が広がりやすいママ友とのやり取りで使えると思います。
このようなコミュニティの中で人の悪口や文句に対して変に同調してしまうと、面倒に巻き込まれてしまう可能性があるのですべてをポジティブに返します。
人はネガティブな言葉を使うとその言葉が他人に向けられたものであっても自分にイメージが乗っかります。
その場にいない人の批判をしている人がいたとしたら、そのネガティブなイメージはそれを発言している人に乗っかるということです。
だからこそ、そのような批判に対してはポジティブに返した方がいいということもあります。
これは癖にしておくと仲間からは印象よく思われますし、敵がいたとしてもやりにくい相手と思われて余計に絡まれることがなくなります。
論破することもできないし突っかかってくることもないし相手にされていないわけでもないという状況になるので、面倒な人に絡まれたり巻き込まれることがなくなると思います。
2.「無知の装い」話法
これは「判断する立場にない」と返す方法です。
例えば、相手が明らかに正しいことを言っているけれど、それを押し通すために全力で論破しにかかってきているとします。
そのような時に、「確かにあなたの意見は正しいかもしれないけれど、私はそれを判断する立場にない」と答えます。
他には、「興味がない」「それを考える時間が惜しい」という返しもできます。
「それを考えるぐらいであれば、自分にはもっとするべきことがある」と返すのは結構強力です。
相手にとっては悲しいかもしれませんが、それ以上絡まれなくなります。
相手を論理的に叩き潰すのではなく、論理的に戦わない方法です。
相手の主張に対して意見すれば議論になってしまいます。
相手の意見に Yes と言っても No と言っても議論になるだけです。
そもそも Yes とも No とも答えないための方法です。
3.「メタすり替え」話法
相手に言い負かされそうになったら、相手の問題よりも大きな視点で返す方法です。
相手が議論している視点よりもさらに大きな視点での問題を出して、相手に議論させないようにします。
例えば、ママ友が他の誰かの間違いを指摘して悪口を言っていたとします。
それに同調を求められたとしたら、「それはともかく、人間というものはそもそも間違える生き物ですよね」と返したりします。
「間違える生き物である人間が、どうすれば間違わないようになるのか話し合いませんか?」と言われると、そもそも相手の議論自体できなくなります。
哲学的な話になると面倒な人に思われて、それ以上話は進まなくなります。
面倒な人にネットワークビジネスに誘われて、一緒にお金を稼ごうと絡まれていたとしたら、お金を稼ぐことよりも、そもそもお金と幸せについて話し合わないかと返すこともできます。
一緒にお金を稼ぐかどうかよりも、その遥か先のお金と幸せについて話をしようとすると、さすがに相手は黙ってしまいます。
これは相手からするとかなり厄介ですが、なかなか否定することはできません。
ほとんどの議論はチャンクを一気に上げると、誰も否定することができなくなってしまいます。
普遍的な話で返す方法です。
4.「質問返し」話法
相手の議論に対して答えたくない時に質問で返す方法です。
例えば、相手から「要求を認めるべき理由をひとつでもいいから言ってみろ」と言われたとします。
それに対して、「逆に、その要求を認められない理由は何ですか?」と質問で返します。
質問に質問で返すと、「質問に質問で返すな」と反論してくる人もいます。
それに対しては、「ちょっと待ってください、自分は質問に答える気はないのに質問してきているということですか?」と返してください。
質問されたからといって全てに答える必要はありません。
律儀に質問に全て答えなくてはいけないと思っている人もいますが、そもそも答えなくてもいい場合があるということを覚えておいてください。
他には、質問の意図について質問し返すという方法もあります。
どんな意図や狙いがあってその質問をしているのかと質問で返すこともできます。
あるいは、「その質問をして私がどう答えることを期待しているのですか?」と質問で返すこともできます。
これは特に複数人で議論している時に効果的です。
論破について学ぶためのおすすめ本
今回のおすすめの本としては、そんな論破について学ぶために役に立つであろう2冊を紹介しておきます。
こちらもとても参考になりますし、特に言い負かされたくないという人は読んでおくといい本だと思います。
何か言われた時に言い返すことができないという人は、反論の技術を学んでおくことで対応できるようになります。
そのためにはこちらの本が役に立つと思います。
回避型論破では、自分が何かを主張する必要は一切ありません。
面倒な相手や厄介な議論をスルーするテクニックです。
議論したり論破しようとしてくる人は、自分に矛先を向けられるととても脆いものです。
今回の回避型論破のテクニックを使うと、ほとんどの相手は対処法を用意することができていないので、簡単に黙らせることができます。
面倒な相手をやり過ごすために、ぜひ続きもチェックしてみてください。