あなたが集中力を発揮したいと思うタイミングはどんなときですか?


今回は、キャリアに悩む方の相談をもとに、集中力を発揮するためのイメージトレーニングについて紹介させてもらいます。

集中力が続かない理由については、前回のこちらの記事で解説していますので参考にしてみてください。

一問一答「あなたが集中したくてもなかなか出来ない時はどんな時ですか?」【集中力タイプ診断】


Q. 異なる業界の営業職を希望して転職活動中です。3年勤めましたがキャリアプランが思いつかず苦労しています。良い方法はあるでしょうか?


キャリアプランについて考えることは、どうやら無意味だということが色々な研究で示されています。

キャリアプランというものは、未来が見えているからこそ作ることができるものです。

ところが、特に今の時代は未来がどうなるのか、これからの社会がどうなるのか、僕たちを取り巻く環境がどうなるのか誰もわかりません。


そうなってくると、プランを立てるよりも、仕事に対する柔軟な姿勢と、今目の前のことに対して突き詰めるためのこの瞬間の集中力、この2つの能力の方が重要になると言われています。


キャリアプランは作らなくていいと思います。

今やりたいことをやってもらい、その一瞬一瞬の目の前のやるべきことに集中してお金に変えることを考えてください。

それが最終的にスキルに変わります。

将来僕たちを取り巻く環境や世の中が変わった時に、そのスキルがお金に変わればいいだけの話です。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。




集中力を爆上げするイメトレ


アニメやマンガを見たら「妄想」を!?

いわゆる中二病のようにキャラクターになりきったりすることはあると思います。

アニメや漫画を見たら、実生活でそれを元にして妄想しまくりましょうという面白い研究が出ていました。


広島大学の研究で、白昼夢が幸福度を上げる条件について調べた研究があります。

日中のウトウトしているような時に感じる、何とも言えない気持ちいい妄想の事を白昼夢と言いますが、その白昼夢に関する研究です。


正確な定義としては、起きている時間の中で目の前のことに集中せず、別のことについて頭の中で考えている状況のことになります。

つまらない授業を聞いている時に、頭の中でまったく別のことを考えたりすることもあると思いますが、そのような状況のことを白昼夢と言います。

目の前のこととは違う別のことに気がそれている状態のことです。


普通はこの状態は心理学的にはあまり良い状態ではありません。

別のことに気がそれていたり、空想をめぐらしたりしているというのは、目の前のことに集中することができず、マインドフルな状態ではありませんので、それは人生の質を低下させたり幸福度を低下させることになると言われています。

妄想に生きている人は不幸になってしまうというような研究は結構出ています。


今回の研究では、オタクの人の日中の妄想については、幸せになれる可能性もあるのではないかということが示されたという面白いものです。

日本人の男女800人を対象に行われた調査で、いつもどれくらい白昼夢や妄想をしているかということや、日常生活から感じる幸福度がどれくらいなのか、目の前のことに集中する能力であるマインドフルネスのレベル、アニメやゲームにどれぐらいお金を費やしているのかなどをチェックしています。


つまり、アニメやゲームに普段どれぐらいお金を使っているのかということと、それをもとにどれぐらい妄想しているのかということをチェックして、その妄想によって幸福度やマインドフルネスのレベルに影響があるのかということを調べようとしたものです。


研究チームの研究動機としては、妄想によって幸せになる人たちはオタク傾向が強く、アニメやゲームを頻繁にしていて、かつ、目の前のことに集中する能力が高いのではないかということを検証しようとしたものです。


その分析の結果研究チームの読み通りに、実際に、マインドフルネスのレベルが高く、目の前のことに集中する能力が高い人は、目の前のことに集中できない時に起きる妄想が多いほどなぜか幸福になっていたということです。

マインドフルネス傾向の高い人の方が、妄想によって幸せになれるということです。


さらに、よりゲームやアニメや漫画などにお金や時間を使うオタク傾向の強い人ほど、白昼夢や妄想が多いと幸せになれるということもわかっています。


このような妄想によって幸せになる条件としては、マインドフルネスのレベルが高く、目の前のことに集中する能力が高い、または、オタク傾向が強いかのどちらかだということです。


「マインドフルネスレベルが高い」
「オタク傾向が強い」

普通は、目の前のことに集中する能力の高い人は、そんなに妄想などをしないわけです。

なぜそんなマインドフルネスレベルの高い人が、妄想をすることによって幸せになれるのでしょうか。


オタク傾向がない人は、目の前のことから気がそれて妄想するようになります。

面白くない授業やつまらない会議に出ている時に、なんとなくぼんやりと妄想をするわけです。


ところが、オタクな人たちは覚悟が違うわけです 笑。

全力で全身全霊を込めて妄想を行うわけです。

つまり、自分はこれから妄想すると考え、妄想の世界を楽しむということを覚悟して行います。


このような自分が今妄想を楽しんでいるという開き直った状態で、目の前のことから気が逸れているのではなく、積極的に妄想の世界に入っていくということをした場合、つまり、自分が妄想を楽しんでいるという自覚がある場合には、幸福度は高くなるというデータが出ています。


ですから、マインドフルネスレベルが高く集中力が高い人は、自分はこれから妄想すると決めてから妄想した場合には、それによって幸福度が高くなるということです。


ゲームやアニメや漫画などにたくさん時間を使うオタク傾向が強い人ほど、幸福度が高くなる理由については、科学的に確定情報が出ているわけではありませんが、もともとゲームやアニメや漫画などが好きな人は、おそらくは妄想を楽しむスキルに長けているということなのではないかと考えられます。

想像力が高いからアニメや漫画を楽しむことができるのではないかという指摘もあります。


アニメやゲームでの妄想というのは自分が決めて行うものです。

日常生活の中であるような気がそれた時になんとなくしてしまう妄想ではなく、自分がそのアニメのキャラクターだったらどうするのかということを考えたり、もし自分があのアニメのキャラクターの力を持っていたらと、積極的な妄想をするわけです。


このような自分が意図的に選択して行う妄想に関しては、同じようにマインドフルネス度が高くなるので幸せになるのではないかということも指摘されています。


つまり、オタクの人たちは妄想や想像の世界に思いを巡らせる能力が高く、そのようなことに慣れているので白昼夢や妄想を楽しめるのではないかという指摘がされているわけです。


オタクコンテンツのチカラ

研究チームは別の実験も行っていて、アニメキャラ風の少女のイラストを一瞬だけ参加者に見せて、白昼夢の頻度や妄想の頻度、幸福度について尋ねるということを行っています。


一瞬イラストを見せただけですから、本人の記憶にも残らないようなレベルで、脳に情報を送り込んだ状況で幸福度にどんな影響が出るのかということを調べたものです。


その結果、そんなオタク風のイラストを本人も気づかないぐらいのレベルで一瞬見せると、その被験者の白昼夢の頻度と幸福度に正の相関がみられたということです。


つまり、オタクコンテンツやオタク的なものというのは、妄想の能力に長けている人、あるいは、自分で決めて妄想をしているという人にとっては、とても幸せになるためのスイッチになるのではないかということです。

本人が気づかないレベルの一瞬見ただけでも、そんな効果を得ることができるのではないかということが指摘されているわけです。


アニメやゲームで幸せになる方法としては、目の前のことにはひとつの事に集中する能力が高いマインドフルネス傾向が高い人、オタク傾向の強い人であれば妄想で幸せになれるかもしれないということを示す研究でした。


そういう意味では、自分の想像力を鍛えるということと、目の前のことに集中するマインドフルな力を鍛えるということをすれば、アニメや漫画を見れば見るほど幸せになれるということです。


さらに、人間というものは成功するから幸せになるのではなく、ある程度幸せになって自分の人生を楽しめている人が成功するのではないかということを示す研究があるぐらいですから、アニメや漫画を使って自分の人生をより良いものにしたいと思うのであれば、アニメや漫画はただただ見るということではなく、マインドフルネスの力を鍛えて想像力も鍛えた上で、積極的に妄想を楽しむようにしてみてはいかがでしょうか。

それができればアニメや漫画を使って人生を変えることができるのかもしれないということが考察できる研究でした。


好きなキャラクターを演じると集中力アップ?!

バットマン効果と呼ばれているものがあります。

これは簡単に言うと、自分のお気に入りのゲームやキャラクターになりきるだけでどうやら集中力が上がるという少し変わった研究があります。


2016年のペンシルベニア大学の研究で、180人の子供を対象に実験を行っています。

全員の記憶力や共感能力、メンタルをコントロールする能力などをチェックし、とてもつまらないゲームをしてもらいました。

どれぐらい集中力が続くのかということを調べたものです。

その結果、自分はバットマンだと考えて、作業のようなつまらないゲームをしてもらった子供たちは、自分はちゃんと集中できているかとか先生に褒められる状態かということを考えていた子供たちよりも、メンタルコントロール能力や記憶力、共感能力の違いを差し引いても、集中して取り組むことができたということです。


つまり、僕たちは自分のメンタルコントロール能力が高くても低くても、記憶力が高くても低くても、共感能力が高くても低くても、それらとは関係なく、ただ自分がバットマンだと想像して作業に取り組むことで、集中力が上がるということです。


ちなみに、この実験によるとバットマン以外の他のキャラクターでも効果は確認されたそうです。

要するに、自分が気に入っているキャラクターであれば何でもいいわけです。

中には、ラプンツェルになりきったところをイメージした女の子もいたそうですが、その場合も集中力の改善効果が確認されたということです。


もしこれを皆さんが応用するとしたら、自分の中で好きな映画のキャラクターやアニメや漫画のキャラクターでも何でも結構ですので、自分がモデリングするキャラクターをひとつ決めておいてください。

その上で、集中したい時になんとなく集中力が落ちてきたと感じたら、自分がそのキャラクターになったところを想像してください。

それだけでも集中力が改善するということです。

自分のお気に入りのキャラクターに自分がなりきったところを想像してもらい、自分が今するべきことをそのキャラクターだったらどのようにするかということを考えると集中力が上がりやすくなると思います。



ここから先は、さらに長期的な視点に立って集中力を発揮する方法を解説していきます。

具体的なワークとして、特にDラボを見てDaiGo師匠に少なからず感銘を受けて人生が変わり始めている方には参考になる内容だと思います。

ぜひ続きもチェックしてみてください。