あなたは、自分に自信を持つために何が大切だと思いますか?


DaiGo師匠の質疑応答でも、自己肯定感や自尊心、劣等感などについての相談は増えています。

今回は、根拠がない自信からくる自惚れを治す方法についての相談をもとに、正しい自信や自尊心を身につける方法について解説していきます。


Q. 私は根拠がない自信が強くプライドが高いところがあります。自惚れを治すにはどうすればいいでしょうか?


プライドが高い人は失敗を許せない人です。

そういう意味では、完璧主義対策やナルシスト対策が効果的だと思います。


ただ、現代においては根拠がない自信は大切です。

特に変化の激しい時代においては、根拠のない自信を持っている人の方が成功することが多いです。

ですが、成功するためには、根拠のない自信で何かしらの結果や成果が出た時には、それを調整する冷静さも必要になります。


根拠がない自信を持って行動して、根拠とデータに基づいて自分の行動の結果を分析できる分析能力を身につけてみてはいかがでしょうか。

根拠がない自信があるのであれば、それに対して現実を見る分析能力を鍛えてください

両方を兼ね備えることができれば、現代における成功パターンに近づくことができるはずです。


つまり、根拠がない自信だけであればいいですが、プライドが邪魔になっているわけです。

根拠がない自信によって行動できるはずなのに、プライドが高いから自分の失敗や自分の成功のダメな部分に目を向けることができません

そうなると、せっかく行動できたとしても無駄になってしまいます。

そういう点では、ナルシスト対策を行うことでかなり良い方向に進むと思います。


以上がDaiGo師匠からのアドバイスでした。




安定型自信と防御型自信


ジョージア大学などが行った研究で、自信がないということよりも持っているとやばい自信があるということが確認されています。

この自信のことを心理学的には自尊心と言いますが、自尊心と言っても色々な自尊心があります。

中には自信がない人よりも脆弱で壊れやすいガラス細工のような自信もあり、ガラス細工が割れた時には、それにより手を切ってしまうような破片になります。


100人の男女を集めて全員の自尊心のレベルをチェックしています。

この自尊心のレベルのチェックにおいては、有名なローゼンバーグの自尊心尺度(Rosenberg Self-Esteem Scale)というものを用いています。


科学的にその人の自尊心のレベルをチェックした上で、心理学的に見たその人の人生に対する幸福感や、自分の生活や仕事に対する満足度などをチェックして、本当にいい自尊心と悪い自尊心の違いというものを明らかにしようとしたわけです。


その結果興味深いことがわかっていて、この研究では、自信を安定型と防御型の2つに分けています。

この防御型の自信が結構問題になります。

安定型の自信であれば問題ないのですが、防御型の自信を持っている人は、簡単に言うと極めてトラブルに弱くなります


安定型自信

安定型の自信を持っている人は、自分の欠点も含めて受け入れることができている人です。自分という存在全体に対する自信です。


例えば、DaiGo師匠の場合であれば、時間を守ることが苦手ですしできないこともたくさんあります。

協調性も全くありませんし爆弾発言もしてしまいます。 よくないところはたくさんあります。

そんな欠点もありますが、知識に対する貪欲さであったり一度決めたことは必ず成し遂げるという良いところもあります。

そんな自分の欠点も良いところも全て含めて自分に対して自信を持つのが、安定型と呼ばれる自信のタイプです。


防御型自信

非常に脆弱な防御型の自信を持つ人は、自分の欠点を受け入れることができていないタイプの自信を持っている人です。


普段は自信満々だけれど、自分の欠点があらわになってしまうようなトラブルが起きてしまうと急に弱くなってしまいます。

つまり、自分の良いところにだけ目を向けて悪いところを受け入れることができていない防御型の自信を持っている人は、いざ自分が自身を発揮するべき時に問題が起こります。


安定型自信と防御型自信の大きな違い

安定型の自信を持っている人は、自分にとって未知のことが起きた時に、自分にはそれはわからないし、自分がうまくできるかどうかもわからないけれど、自分のネガティブな部分も含めて今まで自分がしてきたことや経験を踏まえて、挑戦すればきっとできるはずだと考えます。

自分には苦手な部分もありそれも普段から隠さず言っているので、そんな自分の苦手な状況になった時には助けてくれないかということを周りにも正直に言って、それにより実際に乗り越えていくことができるのが安定型の自信を持っている人です。


一方で、防御型の自信を持っている人は、自分にとって未知の問題が起きた時にそれが自分の得意ジャンルであればいいですが、周りに自信満々な自分を見せているので、いざという時に誰も助けてくれません。

自分の弱いところを認めることができていないので、そこを指摘されるような問題が起きた場合には簡単に砕けてしまいます。


安定型の自信を持つ人は、何かしらのトラブルに遭遇しても周りを批判したり言い訳をしたりしません

防御型の自信を持っている人は、何かしらの挑戦を目の前にしたり批判に晒された時に、そこから逃げることや自分を守ることを優先してしまいます

その結果、周りの人を責めたり逃げたりするので、いざという時に役に立たないということになります。


あなたの自信は安定型ですか?防御型ですか?

もし自分が防御型だという時には、自分の弱いところも含めてちゃんと受け入れることが大切です。

いつも紹介しているセルフコンパッションやセルフアクセプタンスを使ってもらい、自分の弱点を受け入れていくというところから取り組んで頂けないと、その自信はいつか砕けてしまった時に心に破片が突き刺さって大変なことになりかねません。


適切な自信を持つためのおすすめ本

自信をつくるためには行動する必要がありますが、どんな行動から始めればいいのかがわからないという人も結構いると思います。

そのどこから何を始めればいいのかということを教えてくれるのがこちらの本です。

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自信がなくても行動すれば自信はあとからついてくる ――マインドフルネスと心理療法ACTで人生が変わる (単行本)




ローゼンバーグの自尊心尺度


先ほどの研究でも使われていたローゼンバーグの自尊心尺度を紹介しておきます。


1980年から2013年の間の日本人の自尊心をチェックしたメタ分析によると、年齢に関わらず、日本人の自尊心はどんどん低下しているのではないかということが指摘されています。


この理由についてははっきりとは確認されていませんが、経済的な悪化が要因なのではないかという指摘もあります。

とはいえ、経済状況と青年期の価値観を検討した他の研究を見てみると、経済が悪化してもポジティブな自己観は増えているという指摘もありますので、一概に経済環境だけの悪化が日本人の自尊心を低下させているとも言えないようです。


以下の10の質問にそれぞれ点数をつけてください。


「強くそう思う」=4点

「そう思う」=3点

「そう思わない」=2点

「強くそう思わない」=1点

(★のある質問項目2, 5, 6, 8, 9については点数を逆転します)

質問1. 私は、自分自身にだいたい満足している。

質問2. 時々、自分はまったくダメだと思うことがある。★

質問3. 私には、けっこう長所があると感じている。

質問4. 私は、他の大半の人と同じくらいに物事がこなせる。

質問5. 私には、誇れるものが大してないと感じる。★

質問6. 時々、自分は役に立たないと強く感じることがある。★

質問7. 自分は、少なくとも他の人と同じくらい価値のある人間だと感じる。

質問8. 自分のことをもう少し尊敬できたらいいと思う。★

質問9. よく私は落ちこぼれだと思ってしまう。★

質問10. 私は、自分のことを前向きに考えている。


一般的には、目安として20点以下が低い、30点以上であれば高いと言われています。

日本人の平均は概ね25点前後だと言われています。





ライフレビューセラピー



心理療法のひとつで、ライフレビューセラピーと呼ばれるテクニックを使い、とても簡単に自分に自信を持つことができるようになります。


ステップ1 :自分の人生に大きな影響を与えた出来事を紙に書き出してください

まずは、過去の人生において起きたネガティブなことでもポジティブなことでも結構ですので、大事なことや重要なことをいくつか書き出してください。

ネガティブなことよりはポジティブなことが多い方が、気分に対してはいいような気がしますが、どちらでも構いません。

自分の人生に大きな影響を与えたようなことを書き出してください。


ステップ2 :その出来事が今の自分にどんな影響を与えているか紙に書き出してください。

例えば、受験や恩師との出会い、ビジネスを始めたこと、人生を変えた1冊の本との出会い、どのようなことでも構いませんので、それがどのように過去の自分と今の自分をつなげているかということを考えてください。


その出来事が今の自分にどのように結びついているのかということを考えるわけです。

そうすると、嫌なことももちろんあったけれど、そこにもポジティブな面があったなということが見えてきます。


例えば、DaiGo師匠の場合であれば、過去のいじめというネガティブな経験もありましたし、受験の失敗もありました。

ですが、そのおかげで人とは違う方向に進み、結果として今自由に過ごすことができています。


ステップ3 :自分の人生の一貫したストーリーを作り直す

最後に、皆さんのライフストーリーを語り直してみてください。

これがライフレビューセラピーです。

この効果は科学的にもかなり認められていて、自信が増したりうつ症状が軽減されるという効果が確認されています。


自分の人生をストーリーにしてただ語ってくださいと言われても、なかなかうまく語れないものです。

誰の人生においても、良いこともあれば悪いこともあり、色々なことがその時々で起きています。

冷静に考えると、皆さんが普段読むような小説でも良いこともあれば悪いこともないと面白くないはずです。

ピンチのないヒーローはヒーローになれないわけです。


ライフレビューセラピーを行うと、自分の人生に対して一貫したストーリーが見えてきます。

そうすると、過去のネガティブな体験やこれから起きるネガティブなことや嫌なことも、それを客観的に見つめることができるようになります。


自分の半生に対して客観的に見ることができるようになることにより、自分自身をそのストーリーの登場人物のようにキャラ付けをできるようになります。

自分がどんな人間であるかを理解することに繋がり、そんな自分を受け入れることができるようになります。

それにより、気分もメンタルも安定し、自信がついてきます。


皆さんがもし自信を失っていたり、なかなかメンタルが安定しないという方は、このライフレビューセラピーを行うと効果はあるはずです。


別の研究で、デニソン大学がライフレビューセラピーについて調べたものがあります。

400人の心身ともに健康な男女を集めてライフレビューセラピーに関する実験を行っています。


それによると、いわゆるセルフコンセプトクラリティと呼ばれますが、自分はこんな人間なんだという自分のアイデンティティをを補強するという意味では、あまり役に立たなかったということです。

ですから、自分というアイデンティティを明確に持っている人にはあまり役に立たないようです。


とはいえ、自分というアイデンティティが明確でなく、メンタルが弱いために他の誰かになろうとする人は結構いると思います。

自分ではない誰かになろうとするのはとても苦しいことです。

このような人にとってはとても効果があるワークだと思われます。


ちなみに、このライフレビューセラピーにおいて取り上げられるイベントは、それがネガティブなものでもポジティブなものであっても、メンタルの改善に対しては効果がありました。

効果の持続性としては、一般的な人であれば1回につき48時間持続します。

2日に1回ぐらい自分の人生のストーリーを書き出してみると、メンタルの安定と自尊心の向上が得られるのではないでしょうか。


ここから先は、自信がない人の方が人生成功するということから、年代別の自尊心の変化、そして、そもそも適切な自尊心のレベルとはどのような事なのかということまで掘り下げていきます。

ぜひ続きもチェックしてみてください。