わが国における最大の集客数を誇るスポーツは競馬の祭典「日本ダービー」と言われています。一か所に10万人を超える人を集めて3歳馬の頂点を競う2分30秒の戦い。業界に携わる人はもちろん、この日ばかりは多くの国民の関心を惹きつける一大イベントと言えるでしょう。
今回、MAAでは日本ダービーをインレク設定して観戦してきました。会員からの開催要望の声が大きかったのがその理由ですが、冒頭示したように観客数が膨大なのと酷暑の可能性も考えられたため「安全面・体調面」に若干の心配はありました。私を含めて数名の競馬場経験者がいたので、事前準備を入念に行って当日を迎えた次第です。
先発隊として午前8時には東京競馬場に入場。ゴール先の芝生部分にレジャーシートを張って場所確保。ダービーでは「開門ダッシュ」が有名で、良席を確保する争いが話題になりますね。当日の天候は晴天無風という絶好のものでしたが、日差しで焼けてしまうのはどうしても避け得ないことでもあります。
会員の集合は午前11時。府中競馬正門前駅(京王線)改札集合として私が迎えに出ました。大混雑の競馬場内集合では迷わずに集まれる場所の選定が難しかったことと、そもそも入場券購入の長蛇の列に競馬初心者の会員が巻き込まれるのは得策ではないという判断があったためです。予め先発隊が参加者分の入場券を買っておいて集合時に渡すというプランでの対応。これによってスムーズな入場が可能ですが、デメリットがあるとすれば競馬場は「半券での再入場不可」のため、準備入場時と出迎え時にそれぞれ入場券が必要となることでしょうか。とは言え、わずか200円の話なので得られるメリットとは比べものになりません。私にとっては円滑な運営に勝るコストはないのです。
競馬場が初めてという会員が大半だったので、馬券の買い方をレクチャー。お昼休みは直接お馬さんに会いに場内施設を見学へ。「競馬場」というと、昭和の古めかしさと赤鉛筆挟んだオヤジさんがワーワーやっているというイメージが先行しがちかもしれません。しかし、今日では女性客や家族連れを増やそうとJRA側でも様々な施策を打ってきており、一つのレジャーランドの様相を呈しています。場内のあちこちから聞こえる子供の歓声、デートする若いカップル、豪奢なカメラを下げた趣味人等々、多彩な人々が競馬の祭典を楽しんでいるのが印象的でしたね。
実際に競走馬が駆けていくコースの間近で観戦すると、「ドドドドドッ」と大地を蹴っていく蹄の音、鞭が飛んで馬の皮膚から放たれる「バチン」という音、騎手の鬼気迫る鼓動、観客の歓声・興奮、そういった「生の響き」が五感で感じられます。ましてこの日は日本ダービー。特別な日であることは言うまでもなく、形容しがたい雰囲気が場を包んでいるのです。
わずか2分30秒で決する大舞台。展開・勝敗を予想する者、馬主や調教師サイドの心情、道中の駆け引きや勝負所を思案する騎手達、固唾を飲んで行く末を見届ける観客、TVやラジオの先で耳目を傾ける全国の競馬ファン、ありったけのお金を賭けるギャンブラー達、その無数の意識やエネルギーがこの東京競馬場に集まっていると考えるだけで奮えが起きそうな気持ちになります。
ともあれ初めての競馬観戦となった会員にとって忘れ得ぬ時間・空間となったことでしょう。「人生初の競馬観戦は日本ダービーだった」という一点でも、意義ある企画であったと思われます。優勝馬ワグネリアン・福永祐一騎手(彼にとっては宿願のダービー制覇)の名だけは覚えておくと良いかもしれません。この先いつであれ、「あの場にいたんだよ」と競馬にまつわる会話になった時には誇れるはずですから。彼もやがて種牡馬となり、その子供たちがこの競馬場を駆けていく日も遠くありません。いつの日か「父・ワグネリアン、祖父・ワグネリアン」という名前を血統表記で目にする時にも、この日の「ダービー」のことを鮮明に思い出すことでしょう。競馬の歴史に残る祭典の目撃者として、私たちは1日を過ごしたことになります。
さてさて、肝心の馬券の成績と言えば…。これまた記憶に残るものだったかどうか、それは「会員各自の胸の中」ということにしておきましょうか。
-新宿駅京王線連絡通路-
-京王新宿駅はダービー祭り-
-東京競馬場入り口-
-続々と集うファンたち-
-通路天井に張られていた幕(編集済)
-入場券-
-異様な熱気の場内-
-間近で見学可能-
-パドックの熱気は第1レースから-
-入場者数発表-
-優勝馬ワグネリアンと福永祐一騎手-
-ビギナーズラックを現実に-
-的中は素晴らしい-
-MAA集合写真-
MAAレクリエーションレポート