ですから、女性は定期的に自分で乳房をチェックして、何か変化があったら気づけるようにしておく方がよいとされています。
でも、乳がんのサインはしこりだけではありません。実際、英国がん研究機構(NCRI)の2016年度会議で報告された、本調査に先立って行われた研究によると、乳がんと診断された女性の6人に1人が、しこり以外の症状を最初に報告しているそう。そのようなしこり以外の「一般的ではない症状」についてはあまり知られていないため、乳がんの診断が遅れてしまう女性がいるのではないかと疑われています。「当然ながら、早く見つかるほど早く治療でき、効果も大きいです」とミルウォーキー州の医療機関ネットワーク、「オーロラ・ヘルス・ケア」の胸部腫瘍外科医、ジョゼフ・ウエーバーさん。
もちろん、定期的に自分で乳房をチェックしなくてよいという意味ではありません。今回の本調査に先だって行われた研究でも、乳がんの兆候から診断につながった女性の83%が、最初にしこりを発見しています。でも、ほかのサインについて知っておいても損はありません。この研究によると、「今回の結果から、乳房のしこり以外の乳がんのサインに重点を置いた警告キャンペーンは明らかに有効です」。ウエーバーさんも、「自分で乳房の変化に気づいたら、専門家に診てもらう必要があります。いつもの様子と違うようなら、医師に相談してください」と言います。次に、気をつけた方がよさそうなサインをいくつかご紹介します。
皮膚のキメの変化、またはへこみ
ウエーバーさんによると、乳房の皮膚にガサガサした硬い部分や普段より厚みのある部分ができたり、へこみ(ディンプリング=えくぼ形成と呼ばれています)が出たりした場合、乳がんのサインかもしれません。一部の乳がんでは、乳房の内側から皮膚に通じるリンパ管が塞がれて、皮膚がオレンジの皮のような状態になることがあります。
乳首が引っ込む
乳がんの中には、乳首が内側に引っ込んでしまう「乳頭陥没」とか「乳頭退縮」と呼ばれる症状をもたらすものがあります。一般的には、乳房の内側でがん細胞が広がり、形を変えてゆくため(ウエーバーさん)。最近の研究によると、乳がんと診断された女性の7%で、乳首の異常が見られました。
乳首からの分泌物
乳がんかもしれないもうひとつの乳首の異常は、母乳ではない分泌物。ありがたいことに、乳首から分泌物があってもほとんどはがんのせいではありませんが、乳首に触れたり、押し潰したりしなくても出てきて、血液が混じっていたり片側だけだったりする場合は特に、すぐに医師の診察を受けることが大切。
腫れと赤み
炎症性の乳がんでは、がん細胞がリンパ液を運ぶ管を塞ぐために、最初に皮膚が赤く炎症を起こして腫れることがよくあります。
Sarah Klein/4 Breast Cancer Symptoms That Have Nothing to Do With Feeling a Lump