乳酸菌と食物繊維の働きに注目
「ヨーグルトを食べることで、腸内の善玉菌が増えることが多くの先行研究でわかっていますが、その善玉菌をさらに活発にさせるためのエサとして、食物繊維も一緒に摂ることが重要です。」そう教えてくれたのは、静岡大学応用生命科学科教授 医学博士 森田 達也先生。
そもそも腸活ダイエットをするときは、「腸内に善玉菌が棲みやすい環境をつくりたい」というのが目標です。森田先生によると、そのために必要なのが、いま話題の「短鎖脂肪酸」だとか。これは、ヨーグルトによって活性化した善玉菌が、食物繊維やオリゴ糖を発酵させることで産生されるそう。その点、おからパウダーは不溶性の食物繊維が豊富。さらに、この不溶性食物繊維は腸内の水分やゴミを吸着して便のかさを増しながら移動し、腸を刺激して排便を促します。つまり、おからヨーグルトは乳酸菌と食物繊維の相乗効果を生み出すから、腸活ダイエットにおすすめなのですね。さらに、それを裏付けるこんな調査結果もありました。
栄養メリットもある、おからヨーグルト
一般社団法人 日本乾燥おから協会と、一般社団法人 大人のダイエット研究所が共同で、おからパウダーにヨーグルトのホエイを吸わせてつくる「おからヨーグルト」のダイエットモニター試験を実施。20代~50代女性18名を対象に、普段の食生活(3週間)を観察期間とし、「おからヨーグルト」生活(3週間)と比較したところ、排便日数の増加と腹囲の減少に有意差が出たとか。排便の日数が増えたということは、便の腸内停滞時間も改善されているはず。そこで森田先生は、大腸がんなどの疾患予防にもつながるとしています。
では栄養面ではどうでしょうか? 大人のダイエット研究所の代表理事であり、管理栄養士でもある岸村 康代さんはこう言います。
「おからパウダーはその約半分が食物繊維でできており、約1/4は大豆たんぱく質という栄養たっぷりの食品。女性ホルモン様作用をもつ大豆イソフラボンも含むほか、おからパウダーに多く含まれる不溶性食物繊維は、水分を吸って膨らむ性質を持つため、食べ過ぎも防ぎます。
一方、ヨーグルトはカルシウムやたんぱく質を含む栄養豊富な食品であることに加え、腸内環境の改善に役立つ乳酸菌を含む発酵食品。それら両方を一度に摂取できる「おからヨーグルト」を普段の生活にとり入れることは、栄養面、ダイエット面、そして健康維持の面でもとてもよい組み合わせです。」
さらに、食事のはじめに食べることで生活習慣病予防にもつながるそう。
おからヨーグルトのレシピとアレンジ
ではここで、「おからヨーグルト」のレシピをご紹介。
<基本の「おからヨーグルト」>
ヨーグルト100gに対しておからパウダー15g(大さじ3杯強)を用意。おからパウダーがヨーグルトの水分(ホエイ)を吸い、ディップ状になるまで混ぜる。
このように、おからとヨーグルトを合わせることで、ヨーグルトの酸味も和らぎ、おからパウダーのパサつきも抑えられるため食べやすく、さまざまな料理に応用することができるとか。
たとえば、豆腐の代わりにおからヨーグルトで白和えを作ってみたり、マヨネーズと野菜を加えてディップにしてもいいですね。こうした手軽なアレンジも楽しみながら、おいしい腸活ダイエット生活をはじめたいと思います。